1-10(後編)
続きです。
「紅、おはよ〜。待った?」
「・・・・・・おはよ。今来たところ。」
「そっか!じゃあ、いこうか!」
「あぁ。」
そんな会話をし、俺たちは歩き出す。周りには、誓霊学院の制服を着た奴らがちらほら見かける。歩くこと20分程度で、誓霊学院に着いた。まずは、昇降口の掲示板でクラスを確認しないとな。一学年ABCの3クラスらしい。
・・・・・・どれどれ、俺はC組か。Aクラスから見始めていた、詩音はどこだろうか?
「詩音はどこだ?」
「A,Bのどちらにも無かったからCクラスだよ。」
「そうか、俺もCなんだ。よろしくな。」
「うん!よろしく。・・・・・・・・・よかったぁ同じクラスで。」
「?まぁいい、早く教室へいくぞ。」
「うん!」
何故か知らないが詩音は嬉しそうだ。ともかく詩音と同じでよかった。信用ならん奴らだけだと何が起こるか分からんからな。
ガラガラガラァァァ・・・・
教室のドアを開け、名前が貼られている席に座る。クラスは34人構成で俺の席は
黒 板
窓 ● ● ● ● ● ● 扉
窓 ● ● ● ● ● ●
窓 ● 〇 ● ● 〇 ● 廊
窓 ● ● ● ● ● ● 下
窓 ● ● ● ● ● ●
● ● ● ● 扉
掲示板
↑のような座席になった。おれは廊下側の席で詩音は俺から3つ隣の席になったようだ。
おっと、そろそろ入学式だから準備しなければ。
そうこうしてるうちに、入学式が終わり、LHRが始まった。
「皆さん、初めまして。私は大堂美紗といいます。では自己紹介をしていきましょう!では、1番赤羽君」
担任は美紗先生というらしい。他のやつの自己紹介は適当に聞き流すとして、俺はなんて言おうか・・・。考えてなかった。
「・・・・・・・・・次、桐生君。桐生君!」
はっ!考え込んでたら既に俺の番になっていた。
「はい。えっと、桐生紅です。趣味は・・・・・・・・・読書でジャンルはなく、気になった作品を読んでいる感じです。最後ですが、人間関係は必要以上に作らないと決めていますので。よろしくおねがいします。」
「はい。では、次。日下部君。」
やっと、終わった。流石に最後のは俺もどうかと思ったが境界線を作っておけばそうやすやすとは近づかないだろう。んー、なんか女子が多いな。男子が18人女子が16人の構成だがなかなかこんなクラスはないんじゃないかと思う。元々が女子高だったのならわかるんだが・・・。
「この学校は余程のことがない限りクラス替えを行わないので、3年間同じクラスの仲間として、頑張ってください。私も変わりませんよ。では、自己紹介が終わったのでプリント配布します。」
3年間同じクラスが初耳だ。まぁ、俺にとっては嬉しい限りだ。
淡々と自己紹介と説明のLHRが終わり、帰宅時間になる。詩音は女子たちと先に昇降口に向かった。俺もさっさと帰ろうとして、荷物をまとめていると。
「よう、はじめまして。俺は夕凪泰人って言うんだ。よろしくな紅!」
「・・・・・・・・・気安くしないでください。では、人を待たせてるんで。」
「ちょっ!?ちょっと待てよ、一緒に帰ろうぜ?」
「・・・・・・嫌です。」
「そんなこと言わずにさ〜。なっ、いいだろ?」
とそんなやり取りをしながら下駄箱に向かうともう既に詩音が待っていた。これが俺たち3人が邂逅する最初の出来事。
「紅君、珍しいね。初めて会う人と一緒にいるなんて。」
「勝手に付いて来ただけだ。」
「そう言う事ね。貴方は確か夕凪君だったよね?」
「そうだよ。俺は夕凪泰人、泰人って呼んでくれていいぜ。てかお前たちってそういう関係なの?」
「ななななな、なな、何言ってるの!泰人君、わ、私達そんなんじゃ—————————」
「そんなわけないだろ。俺なんかじゃ詩音には釣り合わないし、もっといい人がいるはずだ。」
「・・・・・・そんなにはっきり言わなくても・・・・・・」
「おまっ!?お前真面目に言ってんの?」
「お前なんかに何が分かる?もう関わってくんな。」
「ま、待ってよ、紅君。じゃあ、泰人君またね。」
「なんなんだ、あいつの反応は?まぁ、こんなことじゃ手を引かないのが俺の美学だ。ぜってぇに仲良くなってやるぜ!流石に今は無理そうだから明日から行動開始だな!」
泰人が決意している時に、俺たちは昇降口を出て2人で歩いている。
「もう少し泰人君とお話してもいいんじゃない?」
「嫌だね、真っ先に俺に声かけるなんて怪しすぎる。なんか企んでるに決まってる。」
「ただ仲良くしたいだけかもよ?」
「自己紹介であんなこと言った俺にか?他の奴の何か聞いちゃいないが、他にも色々いるだろ?なのに俺に声なんざかける奴は俺を利用しようとしてるやつか俺と同じタイプの人間ぐらいだろう。でも、ぱっと見た感じ俺みたいなタイプは居なかったから前者だと予想が出来る。」
「でも、そんな人には見えなかったよ?もう少しがんばってみようよ。」
「見た目で判断しちゃいけないし、俺には関係ない。・・・・・・・・・だが、詩音がそこまでいうなら、5%ぐらいは善処する。」
「うん!それでいいよ。明日からたのしみだねぇ。」
「そうだ、楽しめよ。俺には関係ないけどな。」
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次の日から泰人のしつこい絡みが始まった。いつの間にか詩音と仲良くなっていて、泰人は詩音をつかって俺達と共に行動しようとしてくる。
そんな毎日をうんざりしながら1年と半年が経過し、とある事件(?)が起きた。詩音が3年生の堂島先輩に言い寄られたと言う。その先輩はテニス部の元部長で引き締まった身体にイケメンとはいかないまでも整っている顔で成績も上位に位置している。だが、裏では黒い噂が絶えないような人物だ。堂島先輩は毎日のように詩音にちょっかいを出している。おっと、噂をすればなんとやらだ。
「詩音ちゃ〜ん、放課後一緒に遊ぼうよ〜」
「先輩、何度も言ってますがお断りします。」
「釣れない事言うなよ〜。ねっ、詩音ちゃん?」
堂島先輩は口調はまだ丁寧だが完全に嫌がっている詩音の肩に手を回そうとしている。・・・・・・・・・もう、我慢できない。
「あ、あの。詩音が嫌がっているんで、やめてあげてください。」
「ああ゛っ!?んだよ、てめぇは?俺は詩音ちゃんに用があんだよ!引っ込んでろ!」
「嫌です。例え先輩がどんなに詩音の事を思っていても詩音が嫌がっているんだから、引っ込むのは先輩の方です。」
「っ!言ってくれんじゃねぇか。そこまでいうんだったら、俺と詩音ちゃんを賭けて勝負しろ。放課後体育倉庫に来い、もし、来なかったり、勝負でおれが勝った場合はお前は口をはさむなよ。」
「じゃあ、僕が勝ったら、詩音の前に2度と絡まず顔を見せないでください。」
「容赦はしねぇからな。」
捨てゼリフを残して堂島先輩は戻っていった。
「というわけで、悪いな詩音。勝手に決めちまって・・・。」
「ううん。ありがと、紅君。その、頑張ってね!」
「任せておけ。・・・・・・あとこのことはあいつの耳に入れるんじゃねぇぞ。」
「あいつって、泰人君のこと?」
「あぁ。そんなことより授業が始まるから席に戻ろうぜ。」
そして、放課後。詩音もついていくと言って来たが泰人の対応などを理由になんとか説得して、1人で体育倉庫にむかった。ここの体育倉庫は何故かかなり広い。
体育倉庫の扉を開け中入る。
ギギィ—————ガシャン!ガチャッ!
「っ!?」
そこには堂島先輩と10人近い男子生徒がいた。多分全員3年だろう。
「先輩、卑怯じゃありませんか?」
「何のことだ?俺は人数については言及していなかったはずだが?」
「確かにそうですね。先輩の良心をしんじてたんですが、残念です。」
いや、嘘です。絶対にこういう風にしてくると思ってたわ。めんどくせぇな、目に見えるとこにはないがこりゃ武器も隠してんな。
「じゃあ、さっさと終わらすぞ、詩音ちゃんが俺を待ってるからな」
「あぁ、吐かせクズ野郎がっ、お前なんぞに詩音が振り向く要素なんざ一欠片もねぇよ。」
「てめぇ!殺してやる!」
「殺したら刑務所行きなのに馬鹿か?幼稚な考え方だな。」
そう、こんな堂島先輩には先のことなんて考えられるわけがない。衝動に身を任せれば破滅するとも知らずにな。だが、やはり多勢に無勢だ。
「オラァッ!!」
大振りだな、躱してくださいって言ってるようなもんだぞ。
「フッ ハッ!」
躱しつつ、懐に潜り込み腹部に掌底を食らわす。
「ぐっ!?く、くそ!おい!お前らもかかれぇ!!」
「オラァ!!」
「くらいやがれ!」
後ろに控えていた奴らもそれぞれ角材やメリケンサックなどで武装して殴りかかって来る。流石に連携は拙過ぎるがでも数は暴力だ。
「っ!?」
パンチを避けたところで即頭部に衝撃が走る。どうやら誰かの角材が当たったようだ。しかも、あたりどころが悪かったらしく、視界が揺れている。
「よくやった!おらっ!どうした?さっきまでの威勢はよ!」
立ち上がることもままならない俺に追い討ちのように蹴りを入れてくる。
「うぐっ!うっ!うっ、うっ、ガハッ!」
「さっさと降参しちまえよ、2度と外に出らんなくなっちまうぜ?」
「だ・・・・・・れが・・・こう・・・・・・さんなんて・・・する・・・・・・もんか!」
ギギィ————————ガシャン!
扉の開く音がした。
「よく言った、紅!それでこそ男だぜ!」
そこには——————泰人が仁王立ちしていた。
「なんだ?てめぇは。外には見張りが居たはずだが?」
「それなら、ちょっと眠ってもらったよ。覚悟してくださいよ?———————————俺のダチをこんな目に合わせやがって、ぜってぇに許さねぇ!」
「はんっ!お前だけで俺らに勝てると思ってんのか?」
「いや。俺だけじゃないぜ。」
「嘘つけ!いくぞお前ら!」
「————————俺を忘れんじゃねーぞ。」
泰人の登場で奴らの視線が反れた時に大勢を立て直すことが出来た。そして、泰人に敵意が完全に向いた今が絶好のチャンス。
「なに!くたばり損ないがっ!!たった1人増えたからって何が出来るってんだ!」
「2人で十分だ。」
そこからは俺たちの一方的な展開だった。目標が2人になった事で俺の負担が減り簡単に対処出来る状況になったからだ。
「紅はもう少し考えて行動しようぜ?相手はこんなことして来るってわかってたんだろ?俺に助力求めるとかあっただろ?」
「それこそ、危険だ。主に俺が。大体お前と友達になった覚えもないが。なんで、ここにいんだよ?」
「詩音から聞いた。だからって詩音を責めたらだめだぞ?俺が無理矢理聞き出したんだからな。」
「あっそ。じゃあな。」
「いやいや!じゃあな。じゃねーよ。なにか俺にいうことあるだろ?ほら恥ずかしがらずに言えよ。」
「ねーよ。」
「いやいやいや!そこは『助かった、俺と友達になろう。』とかさ、いうとこじゃね?」
「それはない。ここにはお前が勝手に来て勝手に暴れただけだろ?俺はお前に言うとめんどくさくなるから黙っていろと詩音には言ったし、そこにお前は強引に聞き出した。それだけだろ。・・・・・・・・・まぁ、助かったのは事実だから、少しは信じてやってもいいぞ。」
「素直じゃないな、紅は。ツンデレって言う奴か?」
「前言撤回だな。お前は俺の敵だ」
「嘘嘘嘘!そんなこと思ってないから!なぁてば、紅!」
そんなこんなことがあり、泰人ならいいと思い、その後は3人で行動することがほとんどであった。
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「懐かしいな。なんで今頃になって・・・・・・。まぁいい。まずはこれからどうするかだな。」
とても懐かしい夢だった。だが、なぜこんな夢を見たのかは神のみぞ知るとこだ。
次から本編に移ります。




