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【完結】『魔力アレルギー』の病弱令嬢は『魔力なし』の辺境伯爵に、心も体も健やかに愛し抜かれました  作者: 藤崎まみ


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後日談:ベルシュタイン夫妻の訪れ 前編



レオナルドが2歳を迎えてすぐの春。


王都からステラの両親である、ベルシュタイン侯爵家から父ルドルフと母マリアがアイゼンベルクに来訪した。


一週間の長旅をしてきた二人を穏やかに迎え入れるステラとヴォルフラム。


ステラは輿入れの日から約4年ぶりの両親との再会に胸が弾んでいた。



「ようこそ、アイゼンベルクへ。ヴォルフラムです。

手紙でのやり取りはしていましたが、お会い出来て光栄です」

「ルドルフだ、何だか初めて会う気がしないな。

……娘を、ステラを本当に良くしてくれてありがとうございます」

「お、お父様…!」



がしりと握手を交わす二人。


格上である侯爵家当主に頭を下げられ、驚くヴォルフラム。

初対面で既に感極まって涙すら浮かべて頭を下げる父親を見て、ステラは照れくさくてソワソワとする。



「……ステラ。あなた本当に」

「お母様まで…!」

「ほら、見ろステラ。母さんすら涙ぐむほどだ。

……本当に元気になって、良かった」



馬車から降りて、凛として立つステラを見て呆然としていた母のマリア。


実家にいた時のステラはずっとガリガリに痩せこけ、顔色も悪かったのに、表情は明るく頬の輪郭もふっくらとして健康的だった。


ステラの手を取って、嬉しそうにするマリア。



「手紙や、アルベルトとエリックから話は聞いていたのだけれど…。ステラ、すっかり幸せそうな顔をするようになったわね」

「心配おかけしました。…お母様もお元気そうでよかった」

「ヴォルフラム様、私からもお礼を言わせてください」

「いや。むしろ素敵な娘さんを嫁にいただけて、こちらが感謝したいくらいだ。

……さあ、長旅でお疲れでしょう、中へどうぞ」



大きな体のヴォルフラムは、声を張らずに女性であるマリアを怖がらないように気をつけながら、屋敷の中へ案内する。


想像よりも逞しいギフト持ちの体格に、マリアは内心ビクついていたが、貴族の大人の女性として表情にだけは出さなかった。


……スッとルドルフの腕に手を置くと、気付かれたのか可笑しそうに微笑まれ、一緒に歩き出した。



***



本来なら一緒に出迎える予定だった、長男のレオナルドはおじい様とおばあ様が来ると伝えると、早朝から起きてしまい、はしゃぎにはしゃいで朝寝をしていた。



「ははは!そうか、レオナルドは夢の中か」

「随分、張り切って待っていたんですけど、朝日が昇る前に起きてしまって…」

「あら。ステラも後でお昼寝しなくちゃ」

「大丈夫です…!」



母に子供扱いされたような気がして、拗ねるステラをヴォルフラムがくつくつと笑う。ちらっとステラがヴォルフラムを睨みつけると机の下で手を握られた。


噂の美味しいご飯を楽しみに来たというルドルフとマリアの要望に応えて、少し早い昼食を取ることになって食卓に座っていた。


シェフのバルトがおもてなしに腕を奮っている頃、メイドたちも張り切って、テーブルに前菜や食前酒などを運んでいく。


侍女のハンナがそっと室内に入ってくると、ベルシュタイン夫妻に恭しく頭を下げる。



「お久しぶりでございます。旦那様、奥様」

「ハンナ、聞いたぞ!結婚おめでとう」

「ありがとうございます、いい縁が見つかってよかったです」

「仕事は続けるんですって?家庭に入ってもいいのよ?」



ハンナは、アイゼンベルクで嫁ぎ先を見つけていた。

ルドルフとマリアが直接祝いの言葉告げると、年相応の女性らしく、照れくさそうで嬉しそうに微笑んでみせた。


ステラはその様子をにこにこ笑って見守る。

もうすっかりハンナはステラにとって家族のような存在だった。



「私もハンナにそう言ったのに、断られてしまったんです」

「私はステラ様の侍女ですから。生き甲斐を奪われては困ります。……それに、相手もこの屋敷の使用人ですから」



庭師のヨルグとハンナは去年の秋に結婚していた。

二人とも住み込みでこの屋敷で働いている。



「庭師の方だったかな?もしかして、さっきの男性か?」

「あら。あの荷物を運ぶの手伝ってくれた方?

……アイゼンベルクの方はみんな体格がよろしいのね」



ルドルフとマリアは、まるで庭師には見えないほどガタイのいい男が軽々と荷物を腕いっぱいに抱えて運んでいたのを思い出す。


ヨルグは屋敷の備品の点検も行う、庭師兼雑用係だった。エリックにも気に入られており、夫妻は王都の実家でも話に聞いていた。



「みんな、とても働き者なんです」



ステラは屋敷の人間を誇らしく思って、胸を張る。

両親は、女主人として屋敷の管理を行うステラを見てほっこりしていた。


ヘクターとメイドが昼食を持って部屋へ入ってくる。


前菜は、冷たい大地から目を出したばかりの太くて瑞々しいアスパラガス。新玉ねぎと新じゃがいものキッシュには搾りたての牛乳が使われていた。



「アルベルトとエリックに随分自慢されたんだ。

心して頂こう」

「お口に合うと嬉しいんですが」

「お母様、アイゼンベルクのミルクはとっても美味しいんです。ホットミルクはいかがですか?」

「ふふ、そうね。頂こうかしら」



和気あいあいとしたいい雰囲気の中、食事が始まった。




お読みいただきありがとうございます。


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よろしくお願いします。



新連載↓

拗らせズレてる伯爵と過去持ちヒロインのラブコメディです。

“怪物”伯爵は愛妻家 〜嘘がつけない人造人間、拗らせ夫とクセ強使い魔に甘やかされすぎて危険です!?〜

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完結作品

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