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第二十五話 新一回生・勇健太(いさみけんた)

「須佐はオリオンの外星4つを表す地表を守るために4人で来たんだろう。しかし、アクシデントがおきた」百目野はそう思った。

警視庁本庁は瓦礫となった。復興はいつになるのか?皇居も治し始めた。


そして一週間経った。

百目野は大学で勉を取っていた。「今年も新入生が少ないな」早く云えば「オカルト学科」であり、阿鼻あび大学にしか無い。古く小泉八雲と交流があり、柳田國緒を産んだからである。その学生は趣味みたいなもんで学んでいる。親にはうるさく云われているに違いない。「そんなもん、習ったって何なるの?!お金払ってるんだよ」


「そうだよな。何になるんだろ?」百目野は思った。しかし、真面目に研究している学生もいる。休みに地方の伝説の場所に行ったりしているのである。「好きなんだろうな。そういう学生がいる限り続けよう」しかし経験から云えば「危険」ではある。

この世のものとは思えない物に取り込まれる危険がある。

本日は阿修羅とオリオンについて論じた。

からーん、からーん

「今日の授業はここまで。質問のある人は受けるよ」

皆、帰って行った。いや、1人だけ歩み寄って来た。

「先生、質問善いですか?」

「うん、えーっと、君は・・・」

「今年入った勇健太いさみけんたと云います」

「勇くんか、こで聞こうか?」

「いや、少し長くなりそうなのでどこか他の場所で」

「わかった。休憩に行こう」

「他の学生に聞かれたくは無いんですが」

「?もう学生も皆、いなくなるさ。残るのは部活の連中さ」

2人は休憩室に向かった。まだ学生は居たが、百目野の姿を見るとそそくさと帰って行った。

「ほら、僕の姿を見ると蜘蛛の巣を散らすようにいなくなるだろ?」

「はい」勇は少し笑った。

百目野は自動販売機のところに行って「好きなもん、飲みなよ」「すいません。じゃあアイスコーヒーを」


2人でテーブルに着くと「話って何だい?」

「云いづらいんですが・・・・・・」

「僕の悪口でも構わないよ」

「いえ。今日の講義です」

「ん?」

「あの見解は間違っていると思います」

「阿修羅とオリオンかい?」

「オリオンは外星は関係ない。3つ星で完成です」

「待ちなさい、あれは僕の見解だ。皆で考えてくれと云った。しかしなぜ?そう思う?」

「エジプトのことを知っているからです」

「待ちなさい、古代のエジプトで何か起きたのは考古学で立証されてはいるが、内容は未だ未知のはず。失礼だが君の思い込みかい?」

「その時代に居ましたから」

「何だって?」

「ピラミッドがオリオンを表しているのは見解通りです。彼らは宇宙エネルギーを取り入れようとした。あの時代に家には電球タウヴがありました。ガラスグラウスも」

「それはプラトンの著書『ティマイオス』、『クリティアス』に書かれたアトランティスの話じゃないか」

「エジプトの起源は1万5000年前です。アトランティス(1万2500年から1万3000年前)より古い」

「電球には電気が要ります」

「当然だ」

「彼らには電気と云うエネルギー思考は無い。宇宙エネルギーです。後、アトランティスに伝わった。そこではポセイドンが一括でエネルギーを管理支配していた」

「・・・壮大な大嘘だね。ポセイドンとは何者だ?と云得るのかい?」

「わかりません。宇宙の住民、エジプトや古代シュメール、アッカド、アッシリア、バビロニアに伝わるアヌンナキと同一の物です」


○アヌンナキ

アヌンナキはラガシュ王グデアの治世(紀元前2144年から2124年頃)、ウル第三王朝の碑文にある。シュメール神話では天空神アンの子孫だと云う。 この神々には運命を定める7人の神々がいた。それはアン、エンリル、エンキ、ニンフルサグ、ナンナ、ウトゥ、イナンナの7柱である。

シュメールの神は、それぞれ特定の都市の守護神でもあった。その都市の国益を守るものとして望まれた。その都市の神殿は神の永久の住まいであると信じられていたのである。正体は未だ不明とされる。


「宇宙人かい?」

「わかりません。しかしオリオンから特殊なエネルギーを発され、それを利用出来ることを知っていた。とは云え、それはエネルギーでは無い」

「何だと云うのかね?」

「異空間への扉を開ける場所」

「え?」

「異空間は星の数ほどあるんです。だから目的のものを見つけ、取り出すのは極めて難しい。そこには人類にとって益となるものも邪となるものも存在します」

「アヌンナキはそれが出来た」

「そうです。しかしアヌンナキと暮らすうちに人類は欲が出た。死んだ王を生き返らせないか?国をもっと広げたい等など。アヌンナキは怒って空からの洪水や宇宙細菌をばら撒きました」

「聞くに耐えられない話だな。君はそんな話をどこで手に入れたんだい?何か証拠がない限り寓話だ」

「証拠はこれです」

すると背から腕がニョキニョキと出てきた。その数、4本。

「き、君は?!」百目野は立ち上がった。

「最後の阿修羅か?!」

「僕の名は?勇健太。音読みでは?」

「ユウケンタ?ユウケン?」

「ゆうごんですよ」

「婆稚か!!」


婆稚阿修羅王ばち

帝釈天と戦って敗れたとされる。その後、拘束され縛られたため、この名となった。正法念処経では勇健ゆうごん阿修羅王。ラーフの兄弟で、彼の子らはみなVeroca。


「私を殺しに来たのか?」

「違います。重大なことを先生に伝えに来たんです」

百目野はポケット内のベルテルと云うもので木藤に連絡した。それは百目野に危険が迫ったとき、ボタンを押すだけで木藤に知らせが入る極小のポケベルだ。木藤が渡した。場所と時間も明記される。

「百目野先生から連絡が入った。何か阿鼻大で起きた。白城、向かえ!」この時、たまたま彼らは近くの白山の発出所に顔を出していた。

「先生、待ってろよ。すぐ着くからな」


「休憩室に誰かまだ居ますか?」大学の警備員だ。見回りに来た。

「警備員だ」

婆稚は腕を縮めてそっちを見遣った。

「誰か?おや?百目野先生、学生と一緒ですか?」

その時、腕がびゅっと伸びた。そして警備員の首を絞めた。

「ぐ、ぐえええええ」

「婆稚、やめろ!」

もう1本の腕が頭を抱えぐるっと捻った。

グキ!

警備員はぐたっとなり死んだ。そのまま休憩室入り口に捨て置かれた。

「う、うう。何故、殺す?その必要があるか?」

「誰にも見られたくない」

「残虐な!」


木藤たちが大学に着いた。入口の警備員に手帳をみせ、「警察だ!ここの百目野准教授に異変が起きた。入れてくれ」

「百目野先生に?わ、わかりました。どうぞ」

「中がわからん。休憩室だ。案内してくれ」

「はい」

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