第二十話 亜墨利加(アメリカ)
亜墨利加国防省にこの事件は早急に連絡が入った。
「怪物が日本で暴れているらしい。それを阻止するために忍者が現れた」
「忍者?だと」TOPの人間たちはピンッと来た。
「須佐だ。80年前に日本の出雲で連合軍を全滅させた須佐に違いない。ついに出て来やがった。大統領に連絡を」
「GHQに殴り込みをかけ、マッカーサーを殺そうとし、連合軍に3000名の戦死者を出した須佐か?」大統領は何もかも知っていた。
「そうだと思います」側近は答えた。「ビデオを見ました。棟梁の武角らしきが映っています。それに仲間や空飛ぶWhiteFoxも」
「俄に信じられん。何せ80年前の話だろう?その頃と同じ姿なのか?」
「そうです」
「わかった。そのビデオを見よう」
「う・・・う〜~~~ん・・・・・・」ビデオを見て大統領は考え込んでいた。
「これはCGか?新規の特撮なのか?」
「実写です・・・ここに映っている若者・・・」と、ビデオを一時停止し、佐助が映った。
「この若者と・・・これをご覧ください」と、古い写真を取り出した。そこにはGHQに拘束された佐助が映っていた。
「1945年に拘束した須佐佐助の写真です」
「なんと云うことだ!歳を取っていない!~~~~ん・・・真実なのか?だとしたらUFOより厄介かもだな。このでかい化け物は?」
「阿修羅です」
「中国の神話にも出てくる神か?!」
「どうですか?」
「・・・暫く考えさせてくれ。で、国防総省は何と云って来ている?」
「阿修羅も須佐も粉砕せよ!と」
「80年前の恨みか・・・君はボナー・フェラーズ准将の手記は持っているのか?」
「はい、須佐の詳細が書かれてありました」
「で、どう思う?」
「フェラーズ准将は、火力に頼っていては勝てないと」
「今も昔も軍は火力だ。より多くの核を持つことが先決だな」
「フェラーズ准将は佐助に聞いたそうです。君たちが暴れたせいで、もしもまた日本に核が落とされたらどうする?と」
「うむ」
「その時は空間を捻じ曲げ、アメリカに落としてやると。自業自得になるぞと」
「な、何だと!!!」
「彼らは異空間を自由に行き来できるし、探れもします」
「そんな奴らに勝ち目はあるのか?」
「100%出来ません。今度怒らせたらアメリカ全土が危険です。彼らは神に近い存在なんです」
「ところであの倒れている須佐は何者だ?」
「須佐武角リーダーです。大統領、マッカーサー閣下が天皇と会談をしたのをご存知ですよね」
「無論だ」
「その時、天皇はお詫びに武角の首を持参した。見聞願いたいと云ったんです。閣下は断った」
「何故?ビデオに映っているんだ?」
「天皇の賭けだったんだと思います」
「嘘か?!・・・天皇とは・・・凄い国王だな・・・須佐が居て、当時の国民の天皇支持率は98%だったかな?天皇を裁いていたら何が起きたか?」
「想像するのも恐ろしいです」
「80年経ってもその恐ろしさは変わらないと云うことか・・・わかった。国防省には手を出すなと云おう」
「日本には防衛の意味で協力する旨を伝えます」
「そうしてくれ」
大統領は思った。
「核は戦略に於いても防衛に於いてもそれ以上の武器は無い。各国は其れでバランスを保っている。それが通用しないと云うなら・・・須佐が本気で世界に飛び出し、核兵器を無にしたら、いや、あらゆる武器や兵器を無に出来るのでは無いか?その時、世界はどうするだろう?」
須佐は敵にすれば恐ろしいが、味方にすれば・・・
側近は執務室を退出した。
「大統領は、どうせ自国が利になることを考えているだろう。須佐は世界に平和を齎せる鍵なのに・・・」
阿修羅たちが出てこない。羅睺が傷つき、癒えるのを待っているのかもしれない。
一方、百目野は大学に戻り、何かのヒントは無いかと膨大な書籍に目を通していたが、未だ結論は出ていない。木藤刑事は宮内庁に連絡を取り、佐助に会えないか頼み込んでいた。
暫くすると佐助から木藤に連絡が来た。
「佐助さん、武速君は?武角さんは?」
「木藤刑事、武速は自分の運命に従っています。武角様は床に伏せったままですが、回復の兆しは見えます。ですが今後、現場には出ないでしょう。力が衰え始めている。自分でもわかっているはずです」
「武角さんが?で、今後どうなる?」
「衰えたと云えども、その力は強大です。今後は部落長を退いて教師として、重鎮として迎えられるでしょう」
「で、何が今後起きるか知りたい」
「私にもわかりません。だけどおそらくオリオンを完成させるでしょう。」
「と、云うと?」
「三つ星周りの四つ星です。其れで完成です。多分、その四つ星を阿修羅王四柱が作るんだと思います」
「で、何が起こる?」
「わかりませんが・・・私が思うに異空間から化け物やら津波などの災害を落とすとは思えない」
「なぜ?そう思う?」
「・・・相手は帝釈天と数億年戦った連中です。そんな浅はかな考えとは思えない」
「だから何が起こる?」
「わからないんですが、恐ろしいことを考えているに違いない。何をするか?阿修羅に聞きますか?」
「何を馬鹿なことを!」
そして電話は切れた。




