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第十七話 八咫烏の戒律

須佐たちは武角を抱えて消えた。

武速はどうするんだ?百目野と木藤は思った。

その後、警察がパトカーで数台やって来た。

「何があったんだ?」建物は無事だが中庭が全壊、駐車中の車は皆、潰れていた。

窓から木藤が手を振った。

「木藤刑事!今、行きます」

その時一匹の梟が舞い降りた。口に文を咥えている。須佐の使いだ。百目野は文を取ると梟は去った。そして木藤が覗いた。


武速を自宅に帰しなさい。私たちが警護する


そう書いてあった。「百目野先生、彼らが守るなら天下一品だ」百目野は頷いた。しかし、捜査本部がOKするだろうか?

警官が病室に押し寄せた。「木藤刑事!大丈夫ですか?!」

「俺は何とも無いさ」「何があったんです?」「話しても信じ無いさ」

半分の警官は反対側の棟の病人たちの様子を見に行った。誰一人かすり傷も無かった。無線でこっちに知らせが入った。「よかった・・・須佐がいなかったら多くの死人と棟が破壊されたろう」


「皆さん、大丈夫ですか?何がありました?」

「須佐殿が助けてくれた」あの爺さんがそう云った。

「須佐?」


「携帯で動画を撮ったぞ。これをマスコミに売ろう」1人の中年男性が密かに呟いた。


「すぐ、捜査本部に行く」木藤は警官にそう云った。

「武速君とお父さんは自宅に・・・」

「ちょっと待ってくださいよ。勝手なことを」担当医が反論した。「先生!今のを見たでしょう?武速君はまた狙われる。あの忍者が自宅に帰して守ると云っている」

「忍者に?!!あの化け物?!!」担当医は混乱していた。

百目野が正直に答えた。「古事記をご存知ですか?」

「無論、知ってますよ」

「ここに来た男があの神武天皇を道案内した八咫烏の武角命です」

「な、何だって?!そ、そんなほら話」

「あなたも見たでしょう?あの化け物は阿修羅です」

「あ、阿修羅????!!あんた方、何者なんだ?」

「信じようが信じまいが、どうでも善い。それが実」

「木藤刑事、あなた刑事でしょう?こんな話を信じるんですか?」

「目で見たものは事実です。しかし、内密でお願いしたい」

「内密?」

「須佐を世間に知らせたく無いのです」


武速と父親はパトカーで自宅に帰った。

警官は何が何だかわからない・・・が、とにかく応援を呼び、自宅の警護を始めた。

屋根には数匹の烏が止まっていた。よく見れば足が三本。


木藤と百目野は捜査本部に戻った。質問攻めだ。それを振り払って前田が「無事でよかった」と述べた。

「どう話すべきか・・・」百目野は迷った。信じる訳が無い。

「話すのは明日にしてくれませんか?」

「わかった。今日のところは解散しよう」


木藤は残り前田と別の部屋に分かれた。

百目野は家に帰った。

「どう話すか?」しかし、疲れから寝入ってしまい、半日寝た後、携帯が鳴った、木藤だ。

「先生!テレビを見てくれ!」

何だ?眠い目を擦りながらテレビをつけた。

速報をやっていた。


「速報です。東京に怪物が現れました」

動画と共に須佐と阿修羅、白狐の戦いが写ったのである。

「あ!」

「先生!あの病院にいた誰かが撮ったんだ。多くの世間に知れた」


「・・・・・・・・・」百目野は思った。

大変なことになった・・・ハッと思い浮かんだのは須佐の戒律が気になった。


抜須佐は世間で術を使うと刺客が来て殺される


「この場合、須佐は?武角はどう出る?」


捜査本部がすぐさま始まった。

「先生、来てくれ」

百目野は大学に連絡を入れ、タクシーで本庁捜査本部に向かったのである。


前田警視が待っていた。

「百目野先生、皆、混乱している・・・その人は?」

百目野は小泉教授を連れていた。「こちらは阿鼻大の小泉教授です。私のアドバイザーとして来てもらった。若造准教授のとっぴ話など聞きもしないでしょうから」

「百目野君、大丈夫かい?」小泉教授は労った。


百目野がマイクを取り、大画面に戦いが写った。

「百目野先生、これは何ですか?」など、騒然となった。

「これはCGではありません、事実です」

こんな化け物が東京の中心に?・・・・・

あの忍者と白い狐は何だ?あのでっかい怪物は?


百目野は経緯を全て説明した。・・・・・・・・・・・と、云うのが周りの反応だ。言葉もない。

ここで小泉が前に出た。一大学の教授である。説得力がある。

「あなた方が迷信と思っていた神話が事実であったことが証明されたのです」


「教授、事実だとして、それは人を襲うのですか?」

「今までの殺人事件は阿修羅がやったことです」


それを生贄に「オリオン星座」を作ろうとしていた・・・と説明した。

「オリオン星座?」

「何かのパワーがオリオンから発している・・・古代から解っていたことです。古代エジプト文明やら他の古代文明でも解るのです」

「何かとは?」

「未だ、よく解らないのですが、古代エジプト文明では宇宙エネルギーだと思った節がある。しかし、途中で失敗した」

「失敗とは?どういうことです」

「これは推測です。彼らは亡くなった王を生き返らせようとした。宇宙エネルギーによって出来るのではないか?と。しかし、凶事が起きた。よっぽどのことだったんでしょう。王の遺体や装飾品らを別の場所に移し、記録にも残さなかった。いや、どこかにあるのかも知れないし、ヒエログラフの解読が間違っているのかも知れない」

「凶事とは?」

「わかりません」


そこで百目野が変わった。

「凶事と云うのは別次元が開いたんだと思います、そこから何かが来た。で、文明は破壊的にされた。それもオリオンの三つ星までの構築でです。完成前です。そして砂漠化した」


「わ、わかりました。で、須佐と阿修羅の目的は何ですか?」


「阿修羅は仏教に於いて帰依したとなっています。つまり善神になった」

「善神がこの世に現れた。何をしに来たんです?」

「ん?」百目野は疑問を感じた。

そうだ、帰依したとある。なぜ?こんな神話が残っているんだ?


一人の刑事が部屋に慌てて入って来た。

「マイクをお借りします」

何だ?何事だ?

「ただいま、新たな殺人がありました。被害者は画像を提供した男性と思われます。多数の手裏剣のようなもので串刺しになって発見されました」


須佐だ!須佐の報復だ!

古代からの須佐への警告を思い出した。


須佐を怒らせるな。須佐に触れてはならない


百目野はこれは初めだ、まだ続くぞ・・・そう思った。


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