14話:鉱石を掘りに行こう
「結構歩いたな」
「マン爺さんの言う鉱石はここにしかない『闇光鉱』って言う特殊鉱石。ボクの持ってる武器はほとんどコレで作られてる」
「だからそんな黒いんだな」
マヨヒガから歩く事約1時間、俺らは目的地にやって来た。中はかなり暗く、マジで一寸先も見えない程の暗闇と言う感じだ。
ただまぁ俺には狐火があるからな!ほぅら明るくなったろう
「どれ狐火で照らしてみてと」「あ待って」
「え?」
結論から言おう。俺はこの鉱石に関してマジで何も知らなかった。
だからどういう性質なのかって言うのが分からなかったんだよ。問題は二つ。
一つは俺が妖術を使ったって点だ。コイツは恐らく妖術を吸収する性質がある。妖力じゃないぞ、妖術だ。
俺の飛ばした狐火が洞窟に入ったと思えばすぐに吸収され、そして消えていった。
んで問題はこっからだ。闇光鉱の性質その二。
「マズい!」
《《攻撃を受けた際に行うため込んだ妖術の放出だ》》。
火炎放射器みたいに大量の炎が洞窟から吹き飛んで来たんだよね。咄嗟にマオが俺を掴んで逃げたからなんとなかっただけで危うく死んでたわ。
「……次からは話聞いてね」「ホントに悪い」
洞窟の中の火はまだ燃えている。ただこの鉱石は冷めやすくもあるのでしばらく待ってればいいと言われた。
その間にマオからこの鉱石がどういう性質なのかと言う話も聞いておいた。
「まぁ、そんな性質だから加工すると妖力で色々出来るようになるんだよね」
「なるほどなぁ。……で、暗いのはどうすればいいんだ?」
「それはこの……海外式提灯を使う。これなら長い時間火が続くからね」
「なるほど」
まぁこの中で妖術を使っちゃいけないってのは分かったし、そもそもここには鉱石を取りに来ただけで妖怪とかすんでないだろ。ひとまずランタンは俺が持つ。さっきやらかしたのは俺だしな。
マオに先導される事数分、純粋な闇光鉱の元までアッサリたどり着いた。地面からニョキニョキ生えるタイプなんですかソレって。
しかも凄い黒い。なんだコレは……。
「コレがその?」
「ん。凄い固いからツルハシ以外通用しないよ」
「そりゃ普通の鉱石もそうだろ……ッと!」
まぁツルハシでなら大丈夫らしいし、早速割ってみますかね!えーいッオラァ!
「──うおっ硬ッ?!」
嘘だろマジで歯が立たないんですけど?!全力でツルハシを振ったのに傷一つないんだけど?!とは言えそれなら……妖力で強化して殴れば良いだけの話ッ!
「おーらもう一発!」「あっ待って」
「え?あららっツルハシがひしゃげちゃったよ~!?」
えぇ?!ツルハシの先っちょひん曲がったんだけど?!どうなってんだよこの鉱石はよ……。
「……だから言ったのに。ほら替えのツルハシ」
「うぅ……。スマン。けど妖力で強化したのになんでダメなんだ?」
「それはツルハシがただのツルハシだから。本人がいくら強くてもツルハシが弱いと歯が立たないんだ」
「あーそう言う感じね。……これも同じツルハシだよな?」
じゃあ無理じゃん。どうすんのこれ!
「じゃあどうやってコレを採掘するんだよ」
「ん。まぁ見てて」
お、マオが持ってるツルハシに妖力が込められていく。
おぉ込めれば込める程色が濃くなって行くぞ、確かにこれなら何とか出来そうだ。
「これは妖力操作の応用編。武器とかに妖力を纏わせることで……ただのツルハシでも強化できる!」
……マジかよさっきまで全然だった鉱石が粉々だ。コレが妖力操作の応用編……!なら俺も!
「しゃぁっ妖力操作!あががっ」
「……流石に初見じゃ無理だよね?」
肉体強化に使ってた妖力をほとんどツルハシに持って行かれた!どうなってんのコレ?!と言うか俺妖力強化してないとコレも持てないくらい貧弱なの?!
今更ながら素の体力がねぇなぁ俺!帰ったら体力修行しないとな……!
「め、メチャクチャツルハシに妖力を吸われるんだけど!?どうなってんコレ?!」
「それが普通だよ。この前の奴とは比べ物にならない、すごく難しい技術」
「た、確かにそうだな……!」
妖力強化しなけりゃツルハシを持てないが、ツルハシを強化しなけりゃ鉱石を壊せない……!かと言って肉体強化とツルハシ強化を半分ずつとか器用な真似は今の俺には出来ない!
「まぁ、ボクが鉱石を掘ればいいし」
「い、いや待て……!鉱石を壊せばいいだけなら今の俺にも出来ると思う!」
まずは肉体強化を使ってツルハシを持ち上げて……!
振り下ろす瞬間にツルハシに妖力を込めるッ!これならいけるぜ!
「どうよ!粉々にしてみたぞ!」
「ん」
「だーッそのんはなんだそのんは!!!」
「ほめてる」
「なんかお前褒める時だけ語彙力ゼロになるクセあらん?!」
マオって褒める時だけすげぇ語彙力死ぬんだよなぁ。そしてんの一言で全て終わらせる癖がある!割と無口よりなのは分かってるけど!
──とりあえず闇光鉱は入手できた。籠に詰めたけどコレメッチャ重い。まぁ良い訓練になるし良いや。ちなみにですがマオは俺の二倍背負ってます。
「じゃ、行こうか」
「あぁ……」
俺より重い量の石を持ち、俺より早くマヨヒガに帰ったにも相変わらずマオは飄々としている。え、俺?俺は疲れてその辺で敷物になってるよ。
土で寝るのは久し振りだぞオイ。相当体力を持って行かれたのが分かるだろう?
「フム。中々上物だな!欲を言えば光部分が多い方が良かったがな!!!」
少し体力が回復したところでロマン爺の元に闇光鉱を持って行った。文句を少し言われたけど問題ないってさ。足りなかったら取りに行くだけだし。
「うるせー……。いいから……。作ってくれ……」
「あぁ当然だ!ただまぁ少しばかり作成に難があってな、作るにはおおよそ……一三週間くらいかかりそうだ」
「え?後ろにもうほとんど出来てるじゃん。そんなに時間いるか?」
「これはいわば試作品じゃい!!ただ物を切るだけならば誰にでも作れる!!!ワシが作りたいのはこの世で一つしかない唯一無二の作品ッ!!!それを作る為ならば妥協は一切せんわ!!!!!!!!!!!!」
「うるさいジジイ」「遂にただの罵倒に……!」
まぁ作ってもらってる刀の事は放っておいて、ひとまずマオみたいに武器へ妖力を込める修行を行います!まぁ滝行よりは楽かな、試そうと思えばいくらでも出来るし。
「なぁ爺さんこの辺の刀って捨ててあんの?」
「んあ?あぁそうじゃい。ただのつまらん刀じゃよ。持って行って構わんがすぐ壊れんぞー」
「ありがとな爺!これ持って行くわ!」
よーし!そうと決まれば早速試しますよっと!刀へ妖力を込めて~っとぉ!いや相変わらずすげぇ妖力が持って行かれるって!マオはあの感じ的にコレを平然とやってるんだよな!すげぇなぁ。
「ふぎぎ……!ま、まずは九体一で……!」
まずはどのくらい妖力を込めれば肉体強化が持つのかを試す!
さ、流石にたかが一割なら俺でも出来るが……、これ以上込めたら全部持って行かれる!
「もうちょいいけ……あっダメだ全部持ってかれる!!!」
マジで難しすぎんか?マオは五年くらい妖力操作を鍛えてたって言うけどこの分じゃマジで十年くらいかかる可能性あるんだが?
それはそうと魔力を込めすぎると普通に壊れるんだけどこの刀。確かに不良品だわ。
「とは言え今の俺にとっては都合がいい……!」
勝手に壊れるって事は無駄に妖力を使わなくて良いって事だからな!
と言う訳で壊さず使えるようになるまで……、ひたすら特訓じゃいっ!!!
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