13話:修行の成果
「うおぉっ慣れて来たッ!!!」
マオがハイネに用があるって言ってどっか行ったので、しばらく滝行を行っていた。
そりゃまぁ全然ダメだったけどな?けど何十回も滝壺に流されるたび、割と妖力操作を掴んで来たみたいで水の上に立つくらいなら簡単に出来るようになった。
そもそも霊力でも同じこと出来るしな?ホラ、俺って天才だし?!
「けどこの状態から滝行はなぁ……」
まぁ水の上を歩けるって言っても、その状態で滝行はチョイキツい。
そもそも滝を割くのにそれなりに妖力を使うんだから当然のこと、もっと少ない妖力で歩けるようにならないとダメだな。
「……まずは水上に10分以上立てるよう頑張ってみるか!」
現状、今俺が水上に立てる時間はほんの数分。大体3分くらい?それ以上を超えるとジワジワ沈んでいく。一気に沈むと言う事はないのでその内に戻ればいいのだが……。
「やっぱり凄まじく疲れるな……」
水の上に立つ時間よりも休憩している時間の方が長い。もっと効率よく妖力を回復する手段は無い物か……。
そう言えば霊力を回復する時に独特の呼吸をすると妙に霊力回復が早いんだよな。
ちょっと試してみるか。
「コォー……ッ」
肺へ空気を極限まで貯めて……霊気、いや妖気か。まぁ妖気のみを体へ残したまま一気に吐く!
「フッ!」
おぉ……!妖力がみなぎってくるぞ!やっぱり似てるな妖力と霊力は!
これなら数秒の内に妖力を回復する事が出来るって訳だ!更に修行が早く出来るぜ!
「さぁて滝行と行くかな!」
◇
──滝行し続けて夜になっちまった。
と言うかマオ遅くな~い?全く……
「ゴメン、忘れてた……」
「遅いぞ!ま、見ての通り水上滝行も出来るようになったけどなぁ!」
おかげで水上滝行が出来るようになってしまったわ!
見ろこの完璧な滝行を!時間も10分を超え15分まで出来るようになったのよ!
これならもう妖力不足で困らないってなぁ!
「どうよ?俺結構すげぇだろ?」
「ん。そうだね」
「軽い!反応が!結構頑張ったんだぞ俺!」
ぐぬぬ……!このくらいなら出来て当然ってかぁ~?!まぁいいや、マオも前提条件だって言ってたしな!
「で、次は何するんだ?」
「その前におね……姉さんがご飯作ったから一緒に食べよ」
「お、もうそんな時刻か……。そういや俺もハラ減っちまってよ!」
集中している時は空腹って案外気にならないけど、一回集中が切れるとホント即座に空腹になってくるからな。
多分今日狩って来た肉だろうな!
「おかえりなさいましお姉さま~♡」
「ハイただいま。……えぇい抱き着くなッ暑苦しい!」
「銀狐はお姉さまに一日会えず寂しかったですわ~!!!」
「コイツホンマ……。まぁ良い、それよりメシにするぞ」
「ですわ!銀狐が腕によりをかけて作らせていただきましたわ~!」
「銀狐ちゃん料理旨いんだにゃぁ~。ウチに来て調理担当ににゃらにゃい?」
「申し訳ございませんが銀狐はお姉さま一筋ですわ……」
何を言っとるんだこいつらは。それよりこいつが作ったメシか。案外綺麗なメシ作れるんだなぁ。
……変なモン入れてないだろうな?
「おぉ旨いじゃねぇか。でも俺と一緒に歩いてた時作って無かったじゃんよ」
「野外では焼く以外で調理が出来ないので仕方ないのですわ……」
「そりゃそうか」
「ん。美味しい」
「……アタシが作ったのより美味しいのにゃ……」
とりあえず変な物は入ってないようだったのでアッサリ完食。大変美味しいご飯でした。さてと、飯も食ったし風呂入って寝てしまおうか。それとも修行に行こうか……
「そう言えばロマン爺が話があるって言ってたよ」
「え、あの爺さんから?あぁ刀が出来たのか。じゃ明日取りに行くか」
「では今日は銀狐と一緒に寝るとしましょう!」「悪いけど一人で寝るからな」「ぷぅ」
あの爺さん一日で刀作ったのか。なら明日は朝一で取りに行くとするか。
つまり今日はもう寝ます!風呂に入ってからな!
「しかしこの風呂ってどこから出てんだ?」
「近くに源泉があるのにゃ~。そこからくみ出してるんだにゃ」
「はぇ~」
しかし毎日風呂に入れるとはいい場所だ。俺がキョウトに行ってから過ごしてたとこでもギリ毎日入れるかってくらいだったし。まぁ俺は……三日に一回くらいで充分だったけどさ。
「……しかし、女の身体になったって実感が最近湧いて来たな」
ない胸を揉みながらそう考える。
ほら、こうなってから今まではそれどころじゃなかったじゃん?クソザコナメクジの身体に入れられてさ、んでちょっとはマシに強くなって来たけど死の危険が永遠と続いててさ?
気にしてられる段階じゃなかったんだよな。
んで今、俺はようやく落ち着く場所にやって来たんで冷静になったって言う事さ。
「……はぁ」
何度見ても俺の股間についているべき物が無いのは慣れない。気にしないようにしてただけで気になる物は気になる。
「……そう言えば入れ替わってからもう一か月くらい経過したのか?俺の身体乗っ取ったあのバカは何してるんだかなぁ」
まぁキョウトには正直愛着は無いし、あそこがどうなろうと知ったこっちゃないっちゃないんだが……。無関係のガキが酷い目に会うのはキツい。スラム街も解体されたろうなぁ……。
「……そうだアイツ修行は完遂したかな?」
そう言えばキョウトには俺の弟子の楼がいたな。5年も修行してるけど大丈夫かなぁ〜?
ま、アイツなら大丈夫だろ。……むしろ入れ替わった俺見てぶん殴りに行かないかだけが心配だ。
「……ま、ロウなら大丈夫だろ。強いし」
まぁいいや。どうせ旅を続けるんだから、きっとその内また出会うだろ。
「じゃもう俺はあがるわ」
「にゃ?もう温まったのかにゃ?」
「それもあるが……。風呂に銀狐がいないのが気になってな」
風呂から上がってすぐ脱衣所に行くと銀狐がいた。俺のふんどしを持って。
「……お前」
「違いますわ?!銀狐はまだ何もしていませんわよ!」
「まだって言ってる時点で自白じゃねーの。やるのは構わんが俺の見えない場所でやってくれ」
「ですわ!」
コイツホンマに……。まぁでも悪い奴じゃないのは確かだ。少なくともな。
なので多少の悪時には目をつぶる事にしよう。どのみち俺以外にあれこれする気はないようだから。
世話になってるしさぁ。一応さぁ。ハラは立つけどさ。
「にゃ?大丈夫にゃ?」
「大丈夫だ。ただ寝る所は鍵付きの場所で頼む。あと一人部屋で頼む」
鍵付きの部屋に案内してもらったので早速就寝。寝てる間若干ガチャガチャ聞こえたけど気にしない。考えてみれば俺の暮らしてたところでもよくあったな……。こういう事は。
「さて寝ますか……」
翌朝。目覚めてすぐロマン爺の所に向かう。まだ日も登ってないけどまぁ起きてるだろ。炉も焚かれてるしさ。
「おーっす爺さん刀出来たか~」
「こんなものーーーーーーッッッッ!!!!!……おぉ金華か!」
「何発狂してんだ」
ロマン爺の家に入ったらブチ切れながら刀を床にぶちまける爺の姿が。一通り投げ捨てて俺に気がついたらしいが何やってんだコイツ。
「中々ワシの思う通りの物が出来んでな……。それより問題があってな。実はな、仕上げに使う鉱石が……。無いんじゃい!」
後ろにグツグツに煮えたぎった鉄の塊が見えるな。コレが刀の元か……。それで仕上げの鉱石が無いって?どういう刀を作ったらそんな事になるんだよ……。
「え?マジ?じゃあ取ってくるよ、どこにあるん?」
「フム、では教え……なんじゃマオ!来とるんなら先に言わんかい!」
「おはよロ爺。「ワシを指す言葉毎回変えてくるのなんなんじゃい!!!」鉱石のある場所ならボクが知ってるから案内してあげる」
「と、言う訳で……取りに行こ」
「分かったぜ!」
と言う訳でツルハシを片手にマオと一緒に鉱石を取りに行くのであった。
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