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45 魔物の住む森


翌朝小鳥達の賑やかな囀りで目を覚ました。


「リリィ、おはよう。今日はお天気良さそうだね」

「ええ。昨日の雷雨とは打って変わって とても良い天気だわ。暫くはいいお天気が続きそうね」


「そっか。昨日は初日から散々だったけれど遅れた分は何とか取り戻せそうかな?」

「お天気以外にも問題が無ければね」


天気以外に危惧する事が有るとすれば 今のところは魔物が住処にしているという森を抜けて行かなければならないという事くらいだろうか。

チャリが結界を張って進めば難なく抜ける事が出来るのだろうが

魔物に遭遇した場合に 移動しながら広範囲に結界を張っている事を騎士達に気取られるとちょっと厄介な事になりそうだな。


リリィの探索魔法で魔物の気配の有る場所を避けて通るという手も使えなくもないが 馬車では通行できる場所が限られているから避け切れない、という事も考えられる……


「ロベルトさんは魔獣なんかが住処にしてる森も有るって言ってたけど

多分大丈夫って言ってたしね?」

「それって和真がよく言ってる ”フラグが立った” ていう事じゃないよね?」

「・・・」


「そういえば魔物除けの魔法とかは無いの?」

「魔物を寄せ付ける匂いとかは有るけど魔物除けなんて聞いたことが無いわ。

強いて言うなら この前魔王の封印で森に入った時みたいに

前もってこちらの強さを見せつけておく事位かしら。それでも何も考えずに行動する下級の魔物とか強力な魔物に対しての効果は期待できないと思うわ」


想定範囲の事ならその都度臨機応変に対応できるし何も起こらないかもしれない。

想定外の事態の事なんて今は対策出来ない事だから考えていても仕方ない。


まあこちらにはその辺の魔物なんて取るに足らないと思わせる様な魔法を使える精霊が三人?も付いてるんだ。要らぬ心配をする必要は無いだろう。



すっかり馴染んだ市長宅の使用人食堂で朝食を摂り 予定より長い滞在になって迷惑を掛けた事を市長と見送りの人達に詫びて出発した。


「道中お気を付けて。エリザベートお嬢様の事をくれぐれもよろしくお願いいたします」

と ご領主の家族を心から心配しての見送りに胸が熱くなった・・・



そんなこんなでその後ウェストン領を無事に抜けて ノーゼン侯爵領に入って二日目に魔物が住処としているという森の中を進んでいた。


リリィの探索魔法には森に入ってからちらほらと魔物の影が映っている。

そして森の最深部をあと少しで抜ける、という所で進行方向の先に魔物達が急に集まって来ている影を捉えた。

急いで護衛の騎士達に報告をする。


「この先後数分進んだ先に魔物達が数頭集まって来ています。

ゴブリンやキラーウルフ程度の魔物のようですがどうしますか」


「和真は魔物探索が出来るのか?」

今は御者を務めているザックさんが問い返した。


「あまりはっきりした事は分かりかねますが気配察知のスキルが使えるので……」

「ゴブリンやキラーウルフ数頭なら我々で何とかなりそうだが、和真は戦えるのか?」


「戦うのはあまり得意では無いです。広範囲は無理ですが結界魔法が使えますから馬車と自分の身位なら何とか守れると思います」


「自分だけでなく馬車迄守れるのか! それは頼りになる。馬車を守る事を気にせず戦えるのなら、キラーウルフ程度の魔物は楽勝だ。和真は自分と馬車を守る事に専念してくれ」

「分かりました。魔物退治はお任せします」


ザックさんには伝えなかったが魔物が集まり始める前に数人の人間の気配が街道上に認められた。しかし俺達が近付いて行くと森の中に散らばっていった。

魔物が集まり始めたのはそこにいた人間を狙った為かとも思ったが

どうやらそいつらが俺達一行を狙って何らかの方法で魔物を呼び寄せた、と考えた方がよさそうだ。


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