41話 バカと苦悩とぬくもりと
夜風が吹く、世界とのつながりを感じるような静けさ
一人の男が歩いている
空を見上げ、
時に悲しそうに、時に笑みを浮かべて
それは力を持つものの普段は見せない姿
怒りか、あるいはやるせなさか
一通り歩いて、家路につく
もう皆ねているであろうと思った、深夜の散歩の帰り
居間に明かりがついていた、
「ただいま....起きてたのか」
「おかえりなさい、お出かけになる気配を感じたので」
「そっか」
「どうか_なさいましたか」
「___ああ」
アーシャに近づく
弱い弱しい歩きで
手前でとまり、そして胸に抱きついた
「....」
お互い、しばらくの沈黙
人肌のぬくもりを感じながら、心を癒していた。
抱きしめる、腕が強くなる
強く、彼女を感じる
沈黙はまだ続いた
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しばらくたって
たかしの腕の力が弱まる
「アンドロイドの方々のことですか?」
「ああ、やるせなくてな、
別に後悔はしていない、お互いが納得できるラインを探した最良の結果だ、だが」
彼は人が滅んだ世界をみた。
欲望のはて、支配のはてがあれなら、人はもはや傲慢という
言葉では抑えきれない
「俺には、力の正しい使い方なんてわからない
でも、今誰かが助けを求めていて、それにこたえる形にはなっていてほしい。
もしも、その果てにあるのがあれなら俺は.....」
黙り込むたかし、沈黙が再び
「大丈夫ですよ、たかし様なら大丈夫です」
根拠のない、しかし心からの言葉。




