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38話 寄り添う

この1ヶ月は ひたすらにアナログ的な生活だった、実際にその場に出向き、アンケートを募集、受け取ったアンケートを悩みの種類やってほしいことなどを分類、そして統計、全てを手作業で行った。


最初こそは、無駄の多い作業で最初からアプリを導入した方がいいんじゃないかと思っていた 理恵と室内だが、実際に現地に行って意見を聞くという情報の新鮮さと 信憑性、質の良い情報というものがどういうものなのか、何よりこういった人との接触が、心地いいと思う瞬間に出会うことができたのだった。


たかしの方もうまく 2人を使うことができていた、2人に協力してもらう 以上 これは何らかの労働という形式になる、質の良い情報を求めるなら質の良い作業をしなければならない、そのために 絶対的に人を大切にしなければならないたかしはそこを徹底した。


「2人のおかげでいいデータが取れたよ、ありがとう」


「いいえ、こちらこそ生の情報っていうのがどれだけ 質がいいか っていうのが分かりました、ありがとうございます」


「それは何より」

経験っていうのはこういう風に済ませるんだよな、

人に寄り添ってさえいれば簡単に人は育つのに今の世の中ってほんと こういうのわかってないよな。


心の中でぼやく たかし

しかし 同時に真理でもあった


「それで なんですけど、たかしさん アプリの件なんですけどもしかしたら 導入は難しいかもしれないです」


「というと」


「たくさんの人に意見を聞いて思ったんですけど、人に聞かれれば何かないかって考えるんですけど、自分から自発的に こういうことをしてほしい、こういうのに困っている って、あんまり 自分では気づいていない人が多いなって思ったんです。」


「私もそう思いました、気づかないっていうより、その不便はもはや日常の一つになってるから、不便だって思えてないって感じがして」


「確かに、それだと自発的にやってもらうことを前提にしてる アプリじゃ ちょっと難しいかもな」


想定していなかったわけではない、しかし 見えてきた大きな問題点に2人は少し顔を暗くしていた、一方で この男は


「⋯ふふ」

嬉しそうに微笑んでいた。


「?、どうしたんですか、何かいい案でも思い込みましたか。」


「いやそういうのじゃなくて、ちょっと嬉しくてね」


「何がですか」


「SNS とか インターネットとかが普及する中で、人間同士のつながりっていうのは広くなる一方で同時に薄くもなっていた、配信や投稿を見る上で 受け身でいる分にはいいけど、一方で、何かを発信する側に回ると、受け身ではいられず、多くの人にアプローチする必要が出てくる。だが関係が浅いほど、そのアプローチも一人一人に対して弱くなる。


だからさ、結局最後の最後に人間同士は関わらなきゃいけないっていうところが 嬉しくて、こういった 何かを良くして 行こうってなった時 やっぱり 実際に触れて 実際に感じた 生の情報っていうのは価値があるとそう 改めて思えたから 嬉しくてね。


やっぱり 人は人に寄り添わなきゃいけないんだよ」


すまん 詰まった


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