31話 世界はあなたの味方
その夜。
タカシは夢を見ていた。
どこまでも白い空間。
音も、温度もない。
ただ、意識だけが在る。
「……久しぶりだな」
声が響く。
振り向く必要はない。
そこに“いる”と分かる。
「お久しぶりです」
タカシの雰囲気が、わずかに変わる。
少しの間。
沈黙すら、意味を持っていた。
「世界は、どう見える」
声が通る。
タカシは少し考え、
静かに口を開く。
「忙しそうですよ」
「ダンジョン、資源、争い」
「みんな、余裕がない」
一拍。
「……本来なら、そんなに深く考えなくてもいいはずなのに」
「人間同士で、自分たちの首を絞めている」
「そうだな」
淡々とした肯定。
「では問う」
「今の人間社会は、正常か」
タカシはすぐには答えない。
わずかに考え、
言葉を選ぶ。
「正常かと言われると――違うな」
「少なくとも、“自然の流れ”からは外れつつある」
「人と社会、人と自然」
「その歯車が、少しずつズレている」
「理由は」
「欲だ」
短く言う。
「金や権力」
「安心を、形にして握ろうとしている」
「本来、もう恐れる必要がないほどの力を持っているのに」
「それでも、さらに求める」
「余裕があるのに、奪い合う」
「……傲慢だな」
静かに落とす。
わずかな間。
「では」
声が続ける。
「その歪みは、どうするべきだと思う」
タカシは肩の力を抜く。
「一番手っ取り早いのは――滅ぼすことだ」
「人間なんて、地球の循環の一部に過ぎない」
否定されない。むしろその通りだとでも言いたげだ。
だが――
「でも、あんたはそれをしなかった」
タカシは視線を上げる。
「なんでだ?」
一瞬の静寂。
「……鋭いな」
声がわずかに揺れる。
「我々では、力の行使は人にとって極端になる」
「壊すか、作り替えるか」
「どちらかしか選ばない」
「ゆえに――」
「力を、人の枠に収めた」
タカシは目を細める。
「俺か」
「そうだ」
「完全な力は、完全な支配を生む」
「その力を持ってすれば革命も、変革も可能だろう」
「だが、その後に残るのは“力ありきの秩序”だ」
「それは、いずれ今と同じか、あるいはそれよりもひどい 歪みを生む」
淡々と告げる。
「ゆえに、探したのだ」
「人の欲望で ゆがんだこの社会を、本来あるべき人の生存するシステム、という形に戻せる人間を」
「結果として、お前を選んだ」
少しの間。
「……なるほどな」
タカシは小さく笑う。
「結果は、見ての通り、いや 感じての通りか、世界のいや 星の力の流れは本来あるべき形に戻りつつある、感謝している。」
「どういたしまして」
「だが聞きたいことがある、なぜそのような選択ができた」
「我々でもそのようなことは可能だ、だがそれは 結果として人の 崇める 神による支配に引き上げられてしまう」
「ゆえに この力は人に行使してもらう必要があった、しかし お前が言ったように人とは欲望に弱いものだ 力を手に入れたら最後 その力に溺れ、いずれ自分の身だけではなく世界すらも滅ぼす」
「しかし 貴様はそうはならなかった、力の行使 そのものは私欲にまみれたものと何ら変わりはない、しかし間違いなく 貴様が作り出した物やお金の流れは 人に寄り添った形になっている、なぜだ」
「それは 俺が知っていたからか」
「知っていた?、何を知っていたというのだ」
「権力や金 あるいは力といったものの 偶像的な一面だ」
「それらは間違いなく 人間社会において 一つの力として存在している」
「だがやはり 力とは目に見えないものでな 何より筋力や電力といったように 数値化できないものだそういったものを扱おうとしたとき、自分に使える力を超えているなら、それは自らを滅ぼす 自殺行為だ、いや 自分自身だけに収まるならいい。」
「だが、人が作り上げた力はそう単純でもない、例えば 権力といったものは一度振れば世界を巻き込むことになる、 それほどまでに人は文明と技術をつけた。」
「⋯」
「しかしその技術に対して勤勉であろうとした果てに、さらに上をさらに上をと常に求める 傲慢になってしまった、ゆえに必要なのは 今に満足することなんだ。」
「そして同時に 俺は世の中の大半の人間が満足できない理由というのを知っている、それは己の存在価値、あるいは誰かに貢献しているという世の中の一部だという自覚、それらが人から 失われた時、人は不幸になる。だから俺がやったことは本来 今の社会にあるべきものを作っただけなんだ。」
「、、、、やはり君にして正解だった、ありがとう」
「もし君が今後とも力を使うなら、世界は君の味方になるだろう、ありがとう そして人類をよろしく頼む」
一応ここら辺で一部完結 みたいな感じだけど、なんか 需要があったら まあなんか続き 書きたいと思います。




