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異世界転生もの(仮)を書こうと苦悩する小説家(自称)の日常  作者: 104


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6/7

歯医者と敗者

 かなり脱線していたが、ちゃんと小説を書くことは考えている。


 ただなかなか題材が見つからないのだ。言い訳ともいう。


 そんな中、歯医者に行った時のことだ。そこの歯医者は待合室でラジオが流れている。

『さぁ今週は、クイズ大会で底辺を決める企画!キング・オブ・敗者決定戦!敗者の中の敗者が決まります!!』

 歯医者さんで聞く敗者。耳で聞けば一緒だが意味が違う。


 これって小説の題材になるのでは!とピンと来たのだった。

 この言葉の聞き違いで物語を考えてみようと思ったしだいである。



            × × ×


 猛吹雪が吹いていた。視界も悪くなっていく。

 山が大好きで、月に一度は登山をする山ガール・赤井椛は、本格的な冬登山を楽しんでいた。ただ猛吹雪には勝てない。

「椛!あそこに小屋あるよ!」

 そう言ったのは、椛と共に山に登っていた城田サクラだ。二人は頂上を諦め、小屋で休憩することを決断した。

「すみませ~ん!誰かいますか?」

 返事などないと思っていたが黙って扉を開けるのも忍びないので声をかけてみる。誰もいないなら(開くかはわからないが)扉を開けようと思ったのだ。すると扉が開いた。

「早く入りな!」

 無精ひげの男が愛想なくそう言った。あまりの迫力に躊躇していると、

「ここには避難してきたやつばかりだから安心しな」

 椛とサクラの不安を察したのか男は続けた。

 小屋に入ると、無精ひげの男以外に、老夫婦が一組、眼鏡をかけた男3人組、そして清潔感漂う紳士が一人。

 それほど広くはない小屋でみんな小刻みに体を震わせていた。椛とサクラは空いている場所、窓際で部屋の中では寒い場所に座った。

 みんな明らかにテンションが低く、小屋は静まりかえっている。


 そんな静寂があることをきっかけに騒ぎとなる。


「誰か歯医者さんはいませんか~歯医者の方!」

 老夫婦の婦人の方が頬を押さえる旦那さんを気遣いながら小屋にいる人達に投げかけたのだ。

 

 誰からも返事はない。


 それは当然だと思っていたのだが、おもむろに一人の男が立ち上がった。眼鏡をかけた三人組の一人だ。

「歯医者、歯医者ってうるせぇんだよ!俺はハイシャって言葉が大嫌いなんだ!」

 すると隣にいた眼鏡の男が凍り付いた空気に補足する。

「すいません。こいつクイズ研究会でして…その言葉に異様に反応しちゃうんです。ほんとすいません」

「すいませんて何だよ!すみませんだろ!日本語間違ってるんだよお前は!」

 スイッチが入ったのか男は仲間にまで暴言をはいていた。


           × × ×



 パソコンのキーボードを打つ手が止まった。


 いい感じだなぁと思って始めたが、この後の展開が思いつかない。

 

 聞き間違いってよくあるけどこのパターンを私は知らない。だからいいかなと思ったのだ。何かの小説か映画だったかで「医者の方はいらっしゃいますか?」などというくだりはあった記憶はある…てことは小屋が良くないのか?


 ベタだけど設定を飛行機に変えて考えてみよう。設定に執着しないところは私の長所だと思う。


 それはまた今度書くとして、今夜は眠ることにする。

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