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姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第3部・フローズン・ブルーの旅路】  作者: norito&mikoto
第5章 皇女殿下のブルン散策

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第10話・皇宮呪師の放心~謎の包みを抱きかかえ~

第5章 皇女殿下のブルン散策



       第10話・皇宮呪師の放心~謎の包みを抱きかかえ~



 馬車に荷物を詰め込み、出発の準備が着々と整っていく中。


 何やら大きめの包みを手にしたインスが、ステールに抱えられるようにして運ばれてきた。



「……? インス……??」



 顔面蒼白で、半ば意識を飛ばしているような……あまり見たことのない様子に戸惑って、ジャンヌが声をかける。



 ジャンヌの隣で話をして、気を逸らしていたリオンも、出発の準備を黙々と進めていたファンとクロードも、あまりにも普段とは違う様子に唖然とした。



「………………」



 けれどインスは何も答えないまま、ステールに詰め込まれるに任せて馬車の中に消えて行く。


 途端に、馬車の中から悲鳴のようなアインの声が聞こえた。



「……? え? 何があったの……?」


「……どうしたんだ? インスの奴……?」



 戸惑うジャンヌ同様、リオンも首を傾げる。



「……はぁ……」


「……何があった?」



 インスを詰め込んだステールが溜め息を漏らしつつ、最終調整に移ろうとするのをファンが呼び止めた。



 ジャンヌたちもステールの返答を待って視線を向ける。



「……いや、それがさっぱり……廊下でなんか、包みを持って立ち尽くしてたんで、回収してきました……」


「「「……は……?」」」


「……………」



 首の後ろを掻きながらステールは答えるが、ステール自身も何があったのか分からない。



「声をかけても動かないし、当然歩こうともしないんで、運んできただけです」


「「……いや、意味わからないんだけど……??」」



 もう少し詳しく言ったステールに、ジャンヌとリオンの声がハモる。



「……俺だって、意味が分からんのです……」



 しかし、説明して欲しいのはステールも同じだった。



「……インス(あのもの)が持っていた包みはなんだ?」


「それも、分かりません」



 ファンが重ねて聞けば、反応が皆無だったインスから何かを聞けているわけでもないステールには答えようがない。



「……危険なものではあるまいな……?」



 ギュッと眉を寄せたファンが気にしているのはその一点。



「分かりませんが……大丈夫じゃないですかね?」


「……………」



 中身を知らないステールに聞かれたって、分かるわけがない。


 けれど、インスがあの包みを持ったまま、()()()()()()馬車の中に抵抗なく収まっているのだから大丈夫だろうと考える。



 あまりにもあっけらかんとしたステールの様子に、ますます眉間の皺を深くしたファンは、だが小さく溜め息を吐くだけで不問とした。



 実際、インスの常軌を逸したアインへの態度を思えば、万が一にも危険が及ぶようなものを手にしたまま近づくとは思えない。



「……よく分からないけど、後でインスに聞けばいいわよね!」


「……お前……本気か……?」


「え? 何か問題でもある?」



 やり取りに、首を傾げて聞いていたジャンヌがパッと笑顔になれば、マジか……と目を見開いてリオンが言う。


 キョトンとするジャンヌに答える気力もなく、がっくりと肩を落として息を吐いた。



(……明らかに何かがあったインスに、何があったか聞く? また馬車の中が寒くもないのに極寒になる気がするぞ……)



 どうしてこう、移動中の馬車内は胃が痛い空間になるのが確定しているのだろうか?



 ちょっと遠い目をしたリオンは、食堂の副支配人が何人かにバスケットを持たせて出てくるのを見ると、諦めて馬車に乗ることにする。



 バスケットを積み終われば出発になるのが分かっているので、ジャンヌも続いて馬車に乗り込んだ。



「「………………」」



 先に中にいたインスとアインは無言。



 インスはどうにかこうにか、いつも通りの表情を取り繕い、向かい合わせで膝の上に座ってぎゅうっと抱き着いているアインの頭を撫でている。



「二人とも、今日も仲良しね!」


「「「……………………」」」



 その様子を見て、何だ、いつも通りじゃない、と笑顔になったジャンヌに、馬車の中の三人は無言。



「……え? ……何か、変なこと言った??」


「……別に……」


「……いえ、特には……」


「……………」



 一瞬静まり返ったことに首を傾げるジャンヌに、インスたちの隣に腰を下ろしたリオンは短く言い、にこりと笑顔を作ったインスも何でもないと返す。



 そのインスに頭を撫でられながら、ぎゅうっと抱き着いたままのアインは無言。


 二人の横に、先ほどインスが持っていた大きめの包みが立てて置かれていた。

第10話をお読みいただきありがとうございます。


出発の準備が進む中、ステールに抱えられて馬車に運ばれてきたのは、なぜか顔面蒼白で放心状態のインス。


その手には謎の大きめの包みが抱えられており、理由を問われたステールは「廊下で立ち尽くしていたのを回収した」と答えるばかり。


後で直接聞けばいいと楽観的なジャンヌに対し、またしても極寒の馬車内を予感してげんなりするリオン。


乗り込んだ馬車の中では、インスが何事もなかったかのように取り繕い、謎の包みは静かに置かれたまま……。


果たしてインスに何があったのか、そして包みの中身とは!?


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「インスに一体何があったWW」「包みの中身が気になりすぎる……WWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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