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姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第3部・フローズン・ブルーの旅路】  作者: norito&mikoto
第4章 皇孫皇女の日常思考

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第10話・報告されて、甘く見て~初めての都市を散策す~

第4章 皇孫皇女の日常思考



      第10話・報告されて、甘く見て~初めての都市を散策す~



 指定した集合時間に、レセプション前にやってきたジャンヌとファン、リオンの三人は、先に来ていたクロードとステール、それから、インスとアインが何やら深刻そうな表情をしているのに首を傾げた。



「どうかしたの?」


「……ええ……どうやら、治安が悪化しているそうです……散策は取りやめた方が良いでしょう……」



 問いかけたジャンヌに向き直ったインスが言えば、三人は「え……っ!?」と驚く。



「……治安の悪化、だと……?」


「そうですね……どうも、街の若者たちの間で、あまりよくない噂話が広がっているようでして……」



 眉間に皺を刻んでファンが詳細を聞けば、インスは少し困ったように、けれどもどこか、冷ややかな険を目に宿して答える。



「そいつらって、裏の奴?」


「いえ……普通に、街の商店などで働いていらっしゃる方たちだそうです……まあ、知られていないだけ、という可能性もありますが……」



 今度はリオンが、裏家業でもやっているのか? と確認すれば、それに対しては分かっている範囲でその事実はない、との返答。



「じゃあ、大丈夫でしょう。ディアスもリオンも、クロードとステールもいるんだし……インスだって、何とかできるでしょう?」


「「「「「「……………………」」」」」」



 話を聞いて、あっけらかんとして言うジャンヌに、何とも言えない沈黙が落ちる。



「……え? どうかしたの?」


「……ちなみに、取りやめるお考えは……?」


「あるわけないじゃない!」



 念のため、本当に、念のためインスが確認すれば、何を言っているのかと言わんばかりの返事が返って来た。



「「「「「……………………」」」」」



 じっと、視線がファンへと集まる。



「………………」



 これでもかとばかりに刻まれた眉間の皺は既に八本。


 腕を組み、黙考するファンの様子に、ジャンヌも見上げる。



「…………あまり、遠出も長居もできませんが……」


「「「「「……………っ!?」」」」」



 ややあって、苦渋の決断、とばかりに声を絞り出したファンの言葉に絶句する。



(マジかよ!? やめさせる一択だろう!?)


(……なるほど……?)



 ギョッとした様子でリオンがファンを凝視すれば、心底軽蔑したような眼差しで一瞥したインスはすぐにクロードとステールに目配せする。



「「……………」」



 インスの視線を受けて、クロードとステールが微かに首肯しあう中、アインがキュッとインスの服を掴んで身を寄せた。



「もうっ! 仕方ないわね……じゃあ、商店街の方だけちょっと覗いてきましょう!」


「分かりました」


「えっ!?」


「……は……?」



 ちょっと唇を尖らせたジャンヌが、行先を指定すれば、間髪入れずにファンは首肯する。



 驚いたリオンの大きな声と、唖然としたインスの声が同時に唇から零れ落ちた。



「「「………………」」」



 何も言わないが、クロードもステールもアインも絶句している。



「……何をそこまで驚く必要が? 手練れが大挙して暴動を起こすわけでもなかろう?」


「……い、いや……だからって……」



 さも当たり前そうに言うファンは自らの実力を疑っていない。


 当然、クロードとステールの実力もだ。



(だからって! わざわざ商店街まで行かせるか!? 遠出も長居もしないんじゃなかったのかよ!?)



 言いたいことは分かるが矛盾しているような……



 顔を引きつらせるリオンがチラリとクロードを見れば、クロードもまたほんの僅か、困惑したような表情になっている。



「なんだか難しく考えてるみたいだけど、みんなで行くなら大丈夫でしょう!」



 あっけらかんとして言うジャンヌもまた、皆の実力を一切疑っていない。



(……危機意識も、その管理能力もないことはよくわかりました……)



 そんな二人の様子にさらに凍えた冷たい眼差しを向けるインスは、そっと息を吐くと心配そうにオロオロするアインの肩を抱き寄せてふわりと微笑む。



 見上げてくるアインの耳元に唇を寄せると、何事かを囁く。



 ぱちりと、一度瞬きしたアインは、不安そうにインスを見て、ジャンヌたちを見て、それからこくりと頷いた。



「それじゃあ、出発よ!」



 元気に右手を上げるジャンヌに、出発前から疲労困憊のリオンが何とも言えない顔をして溜め息を吐く。



「……では、参りましょうか……」



 眉間に皺を寄せ、いかにも致し方ない、と言いたげにファンがエスコートの手を差し出す。



 その手を当然のように取って、ジャンヌは宿を出た。

第10話をお読みいただきありがとうございます。


集合場所に集まった一行ですが、インスからの報告で街の治安が悪化していることが判明。


常識的に考えれば散策は中止ですが、ジャンヌとファンはそのまま商店街へ行くことに!?


出発前から前途多難な空気が漂う中、いよいよブルンの街へ足を踏み入れます。


果たして無事に(?)散策はできるのか?


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

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【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


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「『あるわけないじゃない』WW」「その自信は一体どこからWWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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