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姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第3部・フローズン・ブルーの旅路】  作者: norito&mikoto
第4章 皇孫皇女の日常思考

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第5話・意識を切り替え爆弾発言~彼女なりに考えて~

第4章 皇孫皇女の日常思考



      第5話・意識を切り替え爆弾発言~彼女なりに考えて~



 セージたちの様子を遠目で確認して終わりにしよう、とは言ったものの、それだけでははっきりとしないのは事実。



 更に、前夜に出かけたインスとステールは、何らかの予定がまだあるらしく、出発は早くて明朝、場合によってはもう数日先になることが決まった。



「じゃあ、今日くらい、ちょっと街の散策がしたいわ!」



 そうと決まれば、とジャンヌが勢い込んで言いだしたのはまあ、致し方がないこと。



「……もう少しの間、宿でお待ちいただくことは……」


「ええ~っ。もう数日籠りっきりじゃない! 少しくらい散策したいわ!!」



 一応、念のため、できれば……と言った様子でファンが止めるが、ぷっくりと頬を膨らませたジャンヌは不満顔。



 正直、よく持った方と言えた。



 プロポーズ大作戦なる迷走がなければ、とっくの昔に暇を持て余して暴走していただろう、というのは分かっているので、ファンとしてもこれ以上強引に足止めするのは難しいか……と考える。



「……そうやって、甘やかすから、一切お変わりになられないのでは……?」


「……黙れ……」



 冷ややかな笑顔で言ってのけるインスには、極寒の眼差しで睨みつける。



 言われるまでもなく、ジャンヌが何だかんだ自由奔放であるのは周囲の責任であるのは分かっている。


 分かってはいるが……



(皇都でその片棒を担いでいたインス(きさま)にだけは言われたくないっ!)


(あなた方が止めきれなかっただけでしょうに……私は陛下のご下命に従っただけです)



 視線だけで殺せるのなら、すでに何度そうしたかわからない、鋭い眼差しで睨みつけるファンをさらりとかわして、インスは変わりのない笑みを浮かべるだけ。



「ところで、インスとステールは昨日、どこに行っていたの?」


「……少々、調べたいことがありまして……()()()にご協力いただいたものですから、お話を伺いに……」



 そんな二人の冷戦模様を丸っと無視して、首を傾げたジャンヌの問いかけにヒュッとステールが息を飲む。


 微かなそれにジャンヌやリオンは気づかなかったようだが、他は全員がそれを察して、密やかな緊張感が漂う。



 それを、何でもないとでも言いたげな軽やかさで受け流したインスの返答に、ジャンヌはますます首を傾げた。



「……調べたいこと……?」


「ええ……どうしても、仕入れておきたい()()がありましたので……」



 にこやかに返すインスの答えに、ステールはだらだらと冷や汗を流す。



「へえ……そうなんだ! あ! もしかして、まだ何か予定があるっていうのはその件? その旅の人にわたしも会える?」


「「「「「「……………………」」」」」」



 パッと、いかにもいいことを思いついたとでも言いたげに、ジャンヌがインスに顔を寄せて見上げる。



 ワクワクを隠さない笑顔に、インスもまた穏やかな笑顔を崩さない。



「……残念ながら、この後の予定でお会いするのは、その旅の方()()()()ので……」


「……なぁんだ~。折角なら、その人に実際、どんな風に旅をしているか聞ければ、おじいさまが仰っていた条件も満たせるかと思ったのに……」



 ほんの少しだけ眉を下げたインスに、顔を離してちょっと唇を尖らせたジャンヌは、どうやら、単なる好奇心だけで言い出したわけではなかったらしい。



 皇帝(そふ)に言われている『身分を隠す』を実現するために、実際に庶民の旅人から話を聞きたかったのに……とブチブチ言うのを、すうっと細めた眼差しと、変わらない微笑でインスは眺めた。



「……まずは、皆さんがどんな言動をなさっているのか、よく観察してみてはいかがですか? それに、ステールさんに伺えば、西方への旅が実際にはどんなものなのか、多少なりと分かると思いますが……」


「……え……?」


「……っ!?」



 にこやかに言ってのけたインスに、ジャンヌはきょとりと目を丸くし、名指しされたステールは思わず声を上げかけてぐっと堪える。



「……え? 何でステール??」


「……お忘れかもしれませんが、ステール=ベルンは西()()辺境伯家に仕える寄子家の出身です……」



 首を傾げたジャンヌに答えたのはファンの方。



「「えっ!?」」



 ジャンヌとリオンが同時に声を上げて、ステールをガン見する。



 いきなり視線が集中して、何でもないかのような無表情を保つステールも背中にじっとりと汗をかく。



「……どうしてお二人とも、そんなに驚かれるんですか? アイン君もちゃんと知っているのに……」



 聖皇国最強との呼び名の高い騎兵団を擁する辺境伯家。


 それが西部辺境伯家で、これから向かう西方の果て、ベランチェスカを領都とする領主。


 目的地であるバルバ島へは、そこからさらに北西の方角に荒野を進んだ先、グランキオという都市から船で渡ることになる。



 皇都からバルバ島に向かうルートが他に皆無、と言う訳ではないのだが、真冬の豪雪期(このきせつ)ではこのルートが最短だ。



 だからこそ、馬の扱いに長けているステールが御者を兼ねた皇宮護衛官として指名されたのだから。

第5話をお読みいただきありがとうございます。


出発が更に数日先になり、とうとう本気で街の散策を希望するジャンヌ。


彼女なりに考えて、庶民の旅人から話を聞こうとしますが、インスから「西方の旅ならステールに聞けば分かる」と指摘されます。


そもそもステールが西部の出身であることをすっぽり忘れていたジャンヌとリオンの驚きっぷりと、アインとの情報格差が明らかになる一幕でした。


次回の彼らの動向もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「ジャンヌ、よく我慢してたWW」「まさかの現地民ステールWWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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