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姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第3部・フローズン・ブルーの旅路】  作者: norito&mikoto
第4章 皇孫皇女の日常思考

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第4話・今更すぎる指摘に驚く~変わらぬ彼女の真っ直ぐさ~

第4章 皇孫皇女の日常思考



     第4話・今更すぎる指摘に驚く~変わらぬ彼女の真っ直ぐさ~



 今更と言えば今更すぎるリオンのツッコミに、本気で驚愕するジャンヌとファン(ポンコツふたり)



「……お前ら……マジか……?」


「「……………」」



 ぜーはーっと肩で息をするリオンが何とも言えない顔で見るが、ジャンヌもファンも何も言えない。



「職務に関係する内容での呼び出しであるのなら、まだ理解できます……それが仕事ですからね……けれど、職務に関係のない用件で呼び出すのは、相手がどのような状況にあろうと()()が呼んだら何を置いても応じて当然、という貴族特有の傲慢さです」



 ましてや、その頂点である皇族からすれば、何も言わなくても周囲が先回りをして、すべてを完璧に整えていて当然、となる。



「……それで? お二人は()()なさったので……?」


「「……………っ!?」」



 にこりと、全く笑っていない笑みを向けたインスに重ねて言われ、ジャンヌもファンもグッと言葉に詰まった。



「……まあ、もうどうにもならないけどな……だからこれ以上はやめておけ……」



 ぐったりと疲れ切ったように肩を落としてリオンが言えば、コクコクと無言でジャンヌは頷き、渋面のファンも何も言わない。



「……結局、何も進展していない、に変わりはなさそうですね……」


「……えっと……お二人がお話しできればいいんですか?」



 そっと溜め息を漏らしたインスに、一生懸命話を理解しようとしているのか、首を傾げて考え込みながらアインが言う。



「……そうですね……とりあえずは、お二人がきちんと向かい合って、話し合うところからでしょうね……まあ、既にされている可能性も高いですが……」


「「……えっ……!?」」



 アインに微笑みかけてインスが言うのに、ジャンヌとリオンがギョッとして声を上げる。



 ファンもまた軽く目を見開いたが、アインやステールはどこか納得したような表情。


 クロードは無表情のままだが、特に驚いた様子はない。



「……お忘れのようですが、リリーさんのご自宅に案内して下さったのはセージさんですよ? 診察結果をお伝えした時に、リリーさんのご家族とセージさんもご一緒でした……私たちが帰った後にお話しされた可能性は十分にあります」


「「……た、確かに……?」」



 ごくあっさりと告げるインスに、言われてみれば、と納得してしまう。



「……つまり、プロポーズ大作戦、などという恥ずかしい作戦など考えるまでもなく、二人は二人で今後を話し合っている、と……」


「その可能性も高い、というだけです……少なくとも、その結果を聞き出す、などという()()()()()はおやめくださいね?」


「……う……っ!!」



 顔を赤くし、片手で覆い隠して唸るファンに、微笑みながら冷めた目を向けたインスは、今しも飛び出しそうなジャンヌを牽制する。



 半分腰を浮かしかかったところで止められて、思わず声を詰まらせたジャンヌはそろそろと元通りに座り直す。



「心配なさらなくても、本当に何らかの進展があるのなら、その兆候は見えるはずです……静かに見守る、というのが一番でしょう……」


「む~~~~っ」



 にこりと微笑むインスの言葉に、不満そうに唇を尖らせるものの、突撃して聞き出す、というのは確かに野暮だな、と理解できてジャンヌは何とも言えない消化不良な気分だ。



「……それとも? これ以上引っかき回して? お二人の関係を()()させるのがお望みでしたか……?」


「なっ!? そんなわけないでしょう!!」



 その笑顔のままで、穏やかな声音で極太の針を刺してくるインスにジャンヌは驚いて声を上げる。



「言葉が過ぎるぞ!」


「だから? ()()()申し上げているでしょう?」


「「……っ……!?」」



 思わずファンがきつく咎めれば、インスは一切表情を変えずに少し首を傾げた。



「……道楽がお望みならば今すぐ皇都にお戻りください……迷惑です……」


「「「……っ……!!??」」」



 それはそれは見事な笑顔で言い切られ、ジャンヌとファンだけではなくリオンも息を飲む。



 オロオロと、アインが心配そうにインスの袖を引くが、インスは気にもせずに抱き寄せ、そっと肩を撫でて宥める。



「「………………」」



 クロードとステールは口を挟むことはなく、表情も動かさずに見守るだけ。



 言い方はともかく、ジャンヌ以外誰もが、先へ進むのを良しとは思っていないのだから、正面から帰れと言っているだけ、インスが一番誠実に向き合っているとも言える。



「それはできないわ。わたしはカルロスを救けたいんだから」



 けれど、真っ向からインスを見返して、きっぱりとジャンヌが応える。



 当初から、一片の曇りも、変りもない、真っ直ぐな天色の瞳が、赤みを帯びた紫色とぶつかり合う。



「……なら、通りすがりの他人の色恋になど口を挟まずに、その目的とやらを達成することにだけ、心血を注がれてはいかがですか?」



 ふわりと微笑むインスは、表情も声音も以前までと一切変わりのない柔らかさ。


 ただ、その眼差しにだけ、温度を感じさせない。



 そして、そんな些細なことをジャンヌは気にしない。



「あら? 民の幸せを願って動くのは、悪いこと?」


「少なくとも、特定の民のためにだけ、皇族が動かれるのは、良いことではありませんね?」



 首を傾げるジャンヌに返すインスには躊躇いがない。



 言葉が過ぎるとは思っても、正論ではあるのでファンも口を挟むことなく、朝食後のお茶の時間が酷く重苦しい雰囲気になる。



「……とりあえず、セージたちの様子だけ遠くから確認して、それで終わりでいいだろう? これ以上、足を止めていても意味がない……」



 その空気を振り払うようにリオンが言えば、不承不承ジャンヌも頷いた。

第4話をお読みいただきありがとうございます。


非常識な呼び出しについて指摘され、言葉に詰まるジャンヌとファン。


さらにインスから「すでに二人は話し合っているはずだ」と冷静に論破されます。


道楽なら皇都に帰れと冷たく告げるインスと、それでもカルロスを救うためだと真っ向から言い返すジャンヌ。


平行線をたどる二人の主張と、どうにかまとまった今後の予定。


ぎくしゃくしとした雰囲気のまま彼らの旅路は続きそうですが……果たして?


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「正論インスの極寒怖いWW」「ジャンヌの正義がぶれないWWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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