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姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第3部・フローズン・ブルーの旅路】  作者: norito&mikoto
第4章 皇孫皇女の日常思考

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第3話・彼女の無駄なこだわりが~視野の狭さを堂々と~

第4章 皇孫皇女の日常思考



      第3話・彼女の無駄なこだわりが~視野の狭さを堂々と~



 朝食後、部屋に戻ったジャンヌの元にインスたちが揃って訪問して来た。



「あ! みんな、おはよう!」


「「「「「「………………」」」」」」



 満面の笑みで迎えたジャンヌに対し、何とも言えない沈黙が応える。



「? え? どうしたの??」


「……いえ……おはようございます……」



 首を傾げるジャンヌに、笑みを貼りつけてインスが返す。



 お茶を用意し、全員が席に着いた。



「……それで、どんな()()()()()作戦を考案されたのですか?」


「……う……っ!?」



 甘くしたミルクティーを口にした瞬間、冷めきった笑顔、という何とも矛盾した表情でインスに問われ、ジャンヌは思わず吐き出しかけて慌てて飲み込む。


 がしゃりと音を立ててカップをテーブルに戻した。



「げほ……っ!? さ、さくせ……ごほっ!」


「姫様!? 貴様! 何をする!?」



 熱いお茶に喉を焼かれながら噎せるジャンヌと、顔色を変えてインスを睨むファン。



 その様子を白けたように流してお茶を飲み込んだインスは、ゆっくりとカップを戻してにこりと微笑む。



「何をも何も……随分と張り切っておいででしたので? さぞかし()()()()()作戦をお考えになられたのだろう、と思ったまでですが?」



 しれっとして言うインスの、全く悪びれていない様子にギリギリとファンが怒りを募らせる。



 だが、そっと視線を逸らしたステールの顔色がすこぶる青いのが気になった。



(……そう言えば、昨夜は外出していて、朝方戻って来たのだったか……何があったのかはインス(こいつ)に聞けと言っていたが……)



 なぜだろう? ろくでもない話をされそうな気がする。


 間違ってもジャンヌの前で聞き出してはいけないような……



「それが、ディアスもリオンも全然協力してくれなくて……」


「いや、お前、全然内容変わってないからな? 協力なんてできるわけないからな?」



 むうっと、不服そうに頬を膨らませるジャンヌに、至極冷静にリオンが突っ込む。



「……つまり、何も進展していない、と……?」


「そんなことないわよ! ちゃんと前進してるわよ? リオンが呼び出すのが駄目なら、一回会ってるインスに呼び出して貰って……」


「…………へぇ?」



 にこやかに棘を飛ばすインスに、ジャンヌは事も無げに言い出し、一瞬沈黙したインスが少し低くなった声で首を傾げた。



 すうっと、細くなった眼差しの冷ややかさも増していたがジャンヌは一切気づかない。


 代わりに、それを目にしたリオンやステールがドッと冷や汗を掻く。



((ヤバい! 絶対怒ってる!!))



「? えっと、どうして呼び出さないといけないんですか?」



 けれど、そんな空気を裂くように、こてりと首を傾げたアインが不思議そうに問いかけた。


 途端にファンが不機嫌そうに眉間に皺を寄せて凄むのに、キュッと肩を竦めて小さくなる。



「えっ!? どうしてって……」


「……そうですね、なぜ、呼び出すのが前提条件なのですか……?」



 驚いたジャンヌが言葉に詰まるのに、隣に座らせたアインの頭を撫でて宥めながらインスも言葉を重ねた。



「もし、呼び出しを行うのだとしても、最適な相手は別にいらっしゃるでしょう……間違っても私たちの中の誰かではありません」



 溜め息混じりにインスが言えば、ジャンヌは首を真横に倒してパチパチと瞬きを繰り返す。



 分かっていないということだけはよく分かった。



「……なるほど……そもそも、告白させる本人が呼び出すのが一番、ということだな……」


「え~っ!? それじゃあ全然ロマンティック演出にならないじゃない!!」


「「「「「「………………」」」」」」



 インスが言いたいことに気づいて言葉にしたのはファン。


 即座にジャンヌが唇を尖らせるのに絶句する。



「……少なくとも、見知らぬ相手や、一度会っただけの相手からの呼び出しよりは現実的でしょう……姫様が思う演出とは異なるかもしれませんが、舞台を整えられなければ結論に至りません……」



 眉間を揉みながらファンが言うのに、む~っと頬を膨らませながらも、一応考えてみることにしたらしく、ジャンヌは腕を組み、うんうんと唸り始めた。



「というか、そもそもセージは告白なんかできるのか?」



 今更と言えば今更なリオンの確認に、はっきりと答えられる者がいない。



「…………よし、聞いてきましょう!」


「ちょっ!! 待て待て待て!!」



 ピタッと、動きを止めたジャンヌがテーブルに両手を着いて立ち上がろうとするのを、リオンが慌てて引き留める。



「出勤してきてるのかも分からなければ、仕事中に呼び出しなんかしたら業務妨害だぞ!? 身バレしたくないなら、そういうのは絶対だめだからな!!」


「「……っ……!?」」



 焦って言うリオンの言葉に、ジャンヌだけではなく、ファンもまた驚いたように目を見開いた。



「……え? そう、なの……?」


「待て、なぜ呼び出すだけで身分が露見する?」


「「「「「………………」」」」」



 本気で驚いている様子の二人に、何とも言えない沈黙が返る。



「……セージ(ドアマン)をわざわざ呼び出す用事ってなんだよ……?」


「それはもちろん二人の恋模様……!」


「怪しげな目配せをしていたから念のため……」



 ジト目で問いかけたリオンに対する二人の返答に、今度こそ隠さずに大きな溜め息を吐く。



「……だから、そんなことでいちいち仕事中に呼び出すなんて、お貴族様だけだぞ!! それも、物凄く傲慢で偉ぶってる奴だ!!」


「「……な……っ!!??」」



 うがぁっ!! と怒鳴り散らしたリオンに、今度こそ、目玉を零しそうなほど大きく目を見開いてジャンヌもファンも絶句した。


第3話をお読みいただきありがとうございます。


朝からジャンヌの部屋に集まり、作戦の進捗を確認するインスたち。


しかし、ジャンヌの考える作戦は第三者による「呼び出し」が前提という無茶苦茶なものから全く進まず!


最終的に、仕事中の個人的な呼び出しがどれほど非常識で傲慢な振る舞いであるかをリオンに怒鳴られ、ジャンヌとファンが絶句!!


ポンコツ具合に拍車がかかる二人の行く末は如何に!?


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「傲慢貴族の御呼び立てWW」「平民から見るとホラーWWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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