表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第3部・フローズン・ブルーの旅路】  作者: norito&mikoto
第4章 皇孫皇女の日常思考

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/53

第2話・朝食で相談す~現実問題と皇女の理想~

第4章 皇孫皇女の日常思考



        第2話・朝食で相談す~現実問題と皇女の理想~



 何事もなく迎えた朝。



「……結局、何もいい作戦、思い浮かばなかったわ……」



 目の下に薄くクマを付けているジャンヌは、ファンたちが部屋を出た後もベッドで悶々と一人作戦会議を続けていた様子。



 日が昇ってきたところにファンが迎えに来て、夜明け前に見張りを担当していたリオンと三人、朝食を取りにレストランへと移動する。



 この宿は中流とは言え貴族向けであるため、きちんとした配膳係が各席を担当しており、ジャンヌたち三人が案内された席には男爵家の夫人と思われる中年の女性が付いていた。



「そうは言ってもなぁ~」



 ジャンヌやファンと同じ席になると、どうにも堅苦しくて仕方ないリオンだったが、かといってクロードたちと一緒とはいかない。



 いや、身分的なものを考えればそちらに行って当然なのだが、ファン曰く、身分を隠しているのだから目立たないようにお前もできるだけ一緒にいろ、とのこと。



 いや、色々間違ってるぞ? とはリオンの言だが、ジャンヌが気にしないのでそれでよい、と押し切られてしまった。



(正直、食いにくい……)



 完璧な皇族、高位貴族のテーブルマナーと、孤児院出身の平民のテーブルマナーが同じはずはない。



 配膳係として下級とは言え貴族が付くテーブルでの食事が気楽にできるはずもなく。


 チラチラとジャンヌたちのテーブルマナーを確認しながら、何とかマシに見えるように気を遣うので疲れるだけだ。



「まず、前提条件として、我々が直接手を貸すべきではありません」


「ええ〜っ? どうして?」



 ことりと、水の入ったカップを戻し、ファンが重々しく言えば、当然ジャンヌは不満げな表情を見せる。



「何でも何も、拗れるからに決まってるだろう?」



 どうしてわざわざ一口大に千切る必要が? と思いながらパンを千切り、バターを塗って口の中に放り込む直前にリオンが返す。



 流石に、口の中に食べ物が入った状態で話すのが行儀悪い行いである、というのは孤児院でも指導されている。


 まあ、そうは言われても気にしないのが平民と言うものではあるのだが、神殿孤児院では神官たちが子供たちの指導に当たるので、実は平民の中でも礼儀作法や教養はかなり高い方。



 実際、下級貴族家の中でも平民と変わらないどころか、下手な平民より貧しい家の者と比べた場合、むしろ良い方と言えてしまう。



 そういう意味では、基礎ができているので細々したマナーの意味は分からないし、面倒ではあってもだいたい真似る程度のことはできるからこそファンもリオンの同席を許しているのだ。



「……インス=ラントの言うように、見ず知らずの者に呼び出されて応じるほど迂闊ではないでしょう。ましてや見知らぬ者と二人きりにする、など問題しかありません…」


「むしろ、オレたちの存在なんて一切感じさせずに、本人たちをその気にさせた方がいいだろ? というか、そうじゃないと、最悪オレたちがいなくなった途端に別れるぞ?」


「えっ!? それはダメよ!!」



 正直、放っておけば問題が解決するに従って、落ち着くところに落ち着くだろう、と思っているリオンだが、それを言ってもジャンヌを止めることはできないと分かっているので、遠回しに手を出すなとだけ言ってみる。



 途端に目を見開いたジャンヌは、思わぬことを言われた、とでも言いたげだが……



((……何もしない、という選択肢はなさそうだな……))



 様子からそうと悟ったファンとリオンはこっそり溜め息を飲み込む。



「ん~~~~?」



 もぐもぐと、オムレツを咀嚼しながら考え込むジャンヌは、結局のところ、目にした二人のハッピーエンドが見たいだけ。



 極端な話、セージに話してしまって、リリーと二人協力して貰えばお芝居をさせて終わるだろう。



 けれど、その結果、二人の仲が今以上に遠慮がちというか、足踏み状態になってしまうのも悪い。



(聞いた話だと、まあ、間違いなくジャンヌの言うように相思相愛って奴だろうな……双方事情を抱えてるから、お互いを想って踏み出せないって奴だろう……)



 この三人の中ではリオンが一番現実が見えている。



(だいたい、平民の恋愛に首を挟んでどうするおつもりなのだ? 今はそんなことをしていられる状況ではないというのに……)



 次点でファンもある程度見えてはいるが、視点が違い過ぎてズレてもいる。



 リオンが見ているのが平民側の現実だとすれば、ファンが見ているのはどこまで行ってもジャンヌの安全だけ。



 平民側からどう見えているか? など想像の埒外というより、一切気にしていない。


 その辺りがリオンからポンコツと思われている理由でもあるのだが、そのリオンにしたって、ファンが思うほど皇族や高位貴族のアレやコレなど知るはずもないので想像の埒外だ。



 結局、この三人では落としどころなど見つかるはずもないのだが、幸か不幸か三人の内、まだ誰もその事実に気づいていなかった。

第2話をお読みいただきありがとうございます。


朝食のテーブルで再び繰り広げられる、ジャンヌ、ファン、リオンの作戦会議。


二人の幸せを願うジャンヌですが、平民の現実を知るリオンと、安全第一のファンの意見は見事に噛み合いません。


それぞれが全く違う視点で物事を考えているため、一向に進展しないポンコツなやり取り。


果たして決着はつくのか!?


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「お疲れ! リオンWW」「いや、視点が違い過ぎて無理WWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ