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姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第3部・フローズン・ブルーの旅路】  作者: norito&mikoto
第4章 皇孫皇女の日常思考

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第1話・堂々巡りの作戦会議~今更すぎる気付きに赤面~

第4章 皇孫皇女の日常思考



      第1話・堂々巡りの作戦会議~今更すぎる気付きに赤面~



 その夜。


 少し出かけてくる、とインスとステールが出かけて行ったのはまだ夕方の早い時間帯。



 二人と一緒に夕食を早めに済ませたクロードとアインは、ファンやリオンと一緒にジャンヌが使用している宿室に集まっていた。



「……インス様たち……遅い、ですね……」


「……………」



 だから! まずリオンが……!



 それは無理だって、昨日も言っただろうっ!!



 ならディアスに……!



 そのようなことはできません、と何度も……!!



 喧々諤々と……いや、堂々巡りなやり取りを繰り広げるジャンヌたちを眺めながら、ポツリと呟いたアインの頭を無言でクロードが撫でる。



 今はすっかり夜も更け、外を行き交う人気もないのに、まだ二人は帰って来ていない。



「ならどうするのよ! せっかく弟のカミルの病気は治るのに、セージとリリーは幸せになれないっていうの!?」


「だから、その二人をくっつけるにしたって、オレたちが出張ったところで意味がないだろう!!」


「そもそも、我々が不用意にその娘と接触して、あらぬ誤解を持たれては二人の幸せどころの話ではありません……」



 ぷくっと頬を膨らませるジャンヌの様子はどう見ても子どもの癇癪状態。



 半ばキレるように言い返しているリオンも喧嘩腰。



 比較的冷静なファンも……昨夜からほぼ変わらぬ堂々巡りに疲労感が隠しきれていない。



「「……………」」



 とりあえず、ジャンヌが大人しく部屋にいるので、それでいい……と考えて無言でいるクロードと、喧嘩してるのかなぁ? と、ちょっとびくつきながらも、様子を窺っているアインは完全に空気。



 三人とも、二人がいることを忘れていそうだ。



「あ~~~っ! も~~~~っ!!」


「「「「…………っ!?」」」」



 うがあっと、天を仰いだジャンヌの動きに、一気に警戒する。



「ちょっと、気分転換にお散歩でもしてこようかしら? そういえば、昨日からずっと閉じこもっていて、煮詰まっているものね!」


「いけません! もう外は暗くなっているというのに、不用意に部屋から出るなど……!!」



 予想通りの発言に、すぐさまファンが却下を叫ぶ。



「大丈夫よ! ちょっと宿の前庭にでも行って、すぐに戻ってくれば! どうせディアスたちも一緒に来るんでしょう?」


「そういう問題ではありません! そもそも、こんな時間に未婚の女性が部屋から出るなど、と……!?」



 気にもしないジャンヌに言い募っていたファンが突然ハッと、言葉を途切れさせた。



「……? ディアス??」



 きょとりと首を傾げたジャンヌの前で、だらだらと冷や汗を流しつつ真っ青になったファンが、その鋭い視線でゆっくりと室内を見回す。



 既に日も暮れた、遅い時間に、未婚の高貴な女性の部屋に居座る……



「っ!!?? 全員! 今すぐ部屋を出ろっ!! 姫様はお休みください!! 今すぐにっ!!」


「は? えっ??」


「はぁ? いきなり何……!?」


「…………?」


「……っ……!!」



 ファンの怒号に、全員が驚き、目を丸くする。


 いきなりなんだ? と戸惑う大人達の中で、アインだけは小さく肩を跳ね上げて、プルプルと震えながらクロードにしがみついた。



「夜遅くに、未婚の女性の部屋に男が居座っていては、問題しかないに決まっているだろうっ!!」


「え? そう?」


「……っ!?」


「「…………」」



 続けて怒鳴っても、ジャンヌは首を傾げるだけ。


 流石にリオンは意味が分かって顔を真っ赤にして息を詰まらせ、クロードとアインは無言。



「分かったのなら、今すぐ部屋を出ろっ!!」


「ちょっと! ディアス!? 作戦会議は??」


「……っ!!??」


「「…………」」



 ばっと右腕を大きく横に薙ぎ払って怒鳴りつけるファンに、すぐさまリオンが椅子を蹴り倒して立ち上がる。


 どこかズレているジャンヌに答える余裕もなく部屋を飛び出し、廊下を走りだした。



 後に続いて、アインを抱いたクロードが静かに部屋を出て、扉の前でチラリと振り返る。



「ちょっとぉ!! 作戦会議……」


「とりあえず、今夜はお休みください。夜はしっかり寝て、明るい時間帯の方がきっと考えもまとまります」



 ひしっと、袖を掴んで訴えるジャンヌを真顔で見下ろして、いかにも最善と言いた気にファンが告げた。



「ええっ……。まだ全然眠くな……」


()()()()()()()


「…………わかったわよぅ」



 ブチブチと文句を付けるジャンヌに真顔で迫れば、流石に諦めたのか、唇を尖らせながらも頷く。



「……そ、れでは……私は部屋の外におりますので……」



 ホッと一安心した途端に思い出した現実に、赤いのか青いのか分からない表情になったファンは、ぎこちなくそう告げると、いつも通りに見えて硬い動きで部屋を出る。



「「「……………」」」



 扉を閉めたところで深く深く溜め息を吐いたファンを、クロードとアインが無言で見つめ……



「……お前たちも、先に休め……」


「……ん……」


「……は、はい……」



 ぎろりと睨むように見たファンに、短く頷く。



 ファンとクロードが見張りの交代に関する段取りを確認し、従者用の宿室に向かうのを……



「……もっと早く気付くべきだった……」



 見送ったファンが重々しく口の中で呟いた。

第1話をお読みいただきありがとうございます。


インスとステールが外出している間、残されたジャンヌ、ファン、リオンによる堂々巡りの作戦会議はまったく進展せず……。


最後は、夜遅くまでジャンヌの部屋に男が入り浸っている事実にようやく気づいたファンによって、強制解散。


真面目なファンらしからぬ遅すぎる気づきと、戸惑う周囲の様子をお楽しみいただけていれば幸いです(笑)。


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「漸く気付いたか……WW」「ジャンヌはもう少し気にしようねWWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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