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姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第3部・フローズン・ブルーの旅路】  作者: norito&mikoto
第3章 ブルンに揺蕩う身分差恋愛

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第10話・作戦を精査する~精査するほどの価値もなく~

第3章 ブルンに揺蕩う身分差恋愛



      第10話・作戦を精査する~精査するほどの価値もなく~



 午後も半ばを過ぎ、早くも日が傾くような時間になって……



「よし! 早速作戦開始よ!!」



 ぐっすり休んですっかり元気を取り戻したジャンヌが気勢を上げるのを。



「「「「「「…………………」」」」」」



 部屋に呼び集められた全員が黙して見つめた。



「…………あれ? どうしたの? みんな??」


「……どうしたの、じゃない……」



 返事がなくて首を傾げたジャンヌに、まずはリオンが疲れ切った声でツッコミを入れる。



「……それで? 結局どのようなとんでもな(すばらし)い作戦が出来上がったのですか?」



 後を継いだインスも鮮やかな笑顔を見せてはいるが、目は一切笑っていない。



「ふふん! 聞いて驚きなさい!! まず! セージがリリーと未だにくっついてないのは、カミルの病気問題があったからよね? でもそれは解決した!!」


「…………まあ、まもなく問題はなくなる、というのは事実ですね……」



 胸を張っているジャンヌに、何とも言えない表情でインスも首肯する。



(……それだけが問題ではない、とお伝えしたはずですが、覚えていらっしゃらないのでしょうか……?)



 ちょっと疑問に思うが、とりあえずは続きを聞くことにした。



「それでも二人がまだくっついていないのは、近くにいすぎるせいなのよ!!」


「「「……は……?」」」



 キラキラの笑顔で力説するジャンヌに、ファンとリオンとインスとが、何を言っているのかとばかりに首を傾げる。



「だから! ちっさい時からずっとそばにいるのだもの! 改めて告白なんてしてないでしょう? その舞台を整えるのよ!!」


「「「「「「………………」」」」」」



 ジャンヌの発言に、思わず皆の視線がファンへと集中する。



 すっと、視線を逸らしたのは何らかの心当たりがあるのか……



「……参考までにお伺いいたしますが……」


「? なあに?」



 表情を変えずにジャンヌに視線を戻したインスが口を開けば、ジャンヌはきょとりと首を傾げる。



「……皇女殿下(あなた)は、幼いころからの幼馴染に、()()()()()()()()告白されれば受け入れられるのですか……?」


「「……は……?」」


「っ!!!! インス=ラントっ!! 不敬だぞっ!!」



 にこりと、それはそれは愉しそうに微笑んだインスの問いかけに、ジャンヌとリオンがぱかりと大口を開けて絶句し、顔色を、赤いのか青いのか分からない色に染めたファンが厳しく叱責した。



「……少なくとも、皇女殿下(あなた)が告白を受け入れても良い、と思えるような舞台を整えなければ……果たして()()()の心は動きますかね?」


「……っ!? そ、れは……っ!」



 怒鳴られてもなんのその。


 変わらぬ微笑で言葉を重ねたインスに、ジャンヌはグッと詰まる。



((……こいつ! わざとか……!?))



 その様子に、怒鳴りつけたファンはもちろん、リオンも軽く目を見張った。



 ちなみに、アインはファンが怒鳴った瞬間に、小さく悲鳴を上げて飛び上がり、即座にインスが抱き寄せて、宥めるように撫でている。



 クロードとステールは無言のまま。


 クロードの表情は変わらないが、ステールは若干呆れた雰囲気を醸し出していた。



「そうですね……例えば舞踏会の会場ですか? それとも、今朝仰っておられた、呼び出されて向かった先で、異性と二人きりで閉じ込められ、助け出された時ですか?」


「……そ……ま……え……??」



 更にインスが言葉を重ねれば、ジャンヌは顔色を赤くしたり青くしたりしながら、意味のない音を漏らすだけ。



「そもそも、知りもしない相手に呼び出されて、のこのこ付いて行きますか?」


「……わたし、そこまで、うかつじゃないわよ……」



 あうあうと、意味もなく唇を開いたり閉じたりするジャンヌの思考は、既にショートしているようで、返す言葉が片言になっている。



「しかも、付いて行った先で、見知らぬ男と二人きりで閉じ込められて、何事もなく、無事で済みますか?」


「……なっ!? ……き……っ!」



 こちらに関してはファンが文句を言いた気に声を上げるが、やはりろくに言葉にはならない。



「実際に、何事もなかったとして……果たして……」


「「「………………」」」



 あえて、そこで言葉を濁したインスに、ジャンヌもファンもリオンもサーッと、顔色を悪くした。



「さて? ()()()()責任をお取りになるのでしょうね?」


「「「………………」」」



 にこりと、鮮やかに笑ったインスに、三人とも青ざめて絶句する。



「……つまり、作戦を立て直してください、ということです……」


「…………わ、わかっ……たわ……」



 言われて、ジャンヌはカクカクと、壊れたブリキの人形のように激しく頷いた。


第10話をお読みいただきありがとうございます。


今回は、ジャンヌの思い描く「ロマンチックな演出」がいかに現実離れしていて危険なものかを、インスが徹底的に指摘して論破します。


「幼馴染からの告白」でなぜかファンに無言の視線が集中する気まずい空気の中、他人の事情に首を突っ込み、密室に閉じ込めるという行為がもたらす危険性と、その責任の重さ。


インスの笑顔の圧の前に、顔色を悪くして激しく頷くしかないジャンヌとファン。


作戦を立て直すことになった彼らが、ここからどう動くのか?


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「幼馴染のジレジレ突いたWW」「インス先生の犯罪阻止講座WWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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