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姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第3部・フローズン・ブルーの旅路】  作者: norito&mikoto
第3章 ブルンに揺蕩う身分差恋愛

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第9話・プロポーズ大作戦♡~ハイテンションで変テンション~

第3章 ブルンに揺蕩う身分差恋愛



     第9話・プロポーズ大作戦♡~ハイテンションで変テンション~



 ジャンヌに付き合っていては話が拗れるかすべてが停滞してしまう。



 そう判断したインスは、一言。



「では、()()()()是非とも完璧な『作戦』を立ててください。素晴らしい作戦ができると期待しておりますよ」



 と笑顔で言い切った。



「もちろんよ! 任せて!!」


「……な……っ!?」



 満面の笑みで気合を入れるジャンヌと、丸投げされて絶句するファンに向かって、それはそれは素晴らしい笑顔を向ける。



「……決行前に情報をご共有いただければ、お手伝いできるかもしれませんので、その際にはお声掛けください?」



 意訳。


 下手に動かないように引き留めておいてくださいよ? その程度はできますよね?



「「………………」」



 インスの言葉の裏を正確に読み取って、ファンは苦虫を潰したかのような顔で絶句し、ステールはうわぁ~……とドン引きする。



 インスからすれば、安全圏に足止めする手助けをしただけなのだから、そんな顔で睨まれる覚えはなかった。



「それでは、一旦失礼しますね?」


「分かったわ! ディアスと一緒に完璧な作戦を立てるから、後で聞いてね!!」



 にこりと退室の挨拶をしたインスに、やる気満々で返したジャンヌはあっさりと受け入れ……途中でリオンがジャンヌたちに合流して迎えた朝。



 インスたちがジャンヌが利用している宿室に赴くと、そこには半分死体が二つと目がイっている女性が一人。



「あ! 四人共!! 聞いて!!」


「「「「……………………」」」」



 濃いクマを貼りつけ、薄気味の悪い笑みを満面に浮かべ、手にした紙(書類)を震えながら突き付ける皇孫皇女の、声だけはなぜか元気な呼び掛けにドン引きする。



「まずは、リオンにリリーを呼びに行かせて……」


「……だから……無理だって……」


「次に、適当な部屋にディアスと二人っきりにして閉じ込めて……」


「……ですから……そのようなことは……」


「そこに、セージがリリーを助けに飛び込んで、ディアスを追っ払って告白させれば!!」


「……とりあえず、一旦寝て下さい……」



 常以上に甲高い声でウフフと笑うジャンヌに、疲れ切って覇気のない声でツッコミを入れるファンとリオン。


 三人とも限界を超えていると判断したインスが、溜め息混じりに言う。


 ぐりんっとインスに顔を向けたジャンヌの、薄気味悪い笑みに微かに顔を引きつらせた。



 アインなど、喉の奥で小さく悲鳴を上げて必死でインスにしがみつく。



 そのくらい表情も視線も最悪。



「作戦内容に関しては後でお伺いしましょう……成功させるためにも、気力体力は万全にしておかなければいけませんよ?」


「…………それもそうね……じゃあ、少し休むわ……」


「「「「「「……っ!?」」」」」」


「姫様っ!!」



 意識して笑みを浮かべた……それでも微かに引きつってしまったが……インスの言葉に、数テンポ遅れて頷いたジャンヌは、そのままその場でばたりと倒れてしまう。



 流石に驚いた一同の中で、最初に声を上げ、動いたのはファン。



 直前までうふふ……と嗤っていたジャンヌは早くもぐっすりと眠っていて、抱き起こしたファンは怪我はなさそうだと判断すると、肺の中が空になるほど深く息を吐きだす。



「……お二人も、一旦休んでください……」


「………ぉう……」



 溜め息を吐いたインスがファンとリオンにも言えば、素直に頷いたリオンはふらふらと立ち上がり……



「……リオン……」


「……ぁ~……悪い……無理……」



 クロードに支えられてごにょごにょと言いながらさっさと夢路に旅立つ。



「……しかし、姫様の……」


「こちらはとりあえず、ステールさんに立っていただけばいいでしょう? さっさとベッドに寝かせて来てください」



 護衛が……とウダウダ言うファンを切り捨て、それとも、こちらで運んだ方がよいのか? とインスが首を傾げて見せれば、不機嫌そうに鼻で息を吐く。



「……貴様に任せて落とされでもしては叶わん……私がお運びする……」


「……いえ、私が運ぶとは一言も言っていませんが……?」



 心底不審そうに、インスを上から下まで見下ろしてファンが言えば、何を言っているのかと言わんばかりにインスが返す。



「「……………」」



 一瞬、眼差しが火花を散らすが、それ以上は何も言わずにファンはジャンヌをベッドルームへと運んで行く。



 すぐに出てきたファンはぎろりとインスとアインを睨みつけると。



「……貴様らは姫様のお部屋に近づくな……」


「……仕方ないですね……では、私たちも部屋で少しゆっくりさせて頂きましょうか……」



 一方的な命令に、アインはびくりと震え、インスはそれを宥めるように抱き寄せて溜め息を吐く。



 ふんっと、鼻を鳴らすファンと共にいったん部屋に戻り……



 ファンとリオンがベッドで泥のように眠りにつく中、インスとアインは仲良く話しながら過ごすことになった。


第9話をお読みいただきありがとうございます。


インスに「素晴らしい作戦を」と笑顔で丸投げした結果、見事に足止めされたジャンヌのお話です。


しかし、その結果生み出されたのは、徹夜でボロボロになったファンとリオン。


そして強引すぎる作戦を得意げに語るジャンヌでした。


現実味のない計画を並べ立て、そのまま気力尽きて倒れるジャンヌ。


インスの思惑通り(?)作戦は実行前に頓挫。


常識知らずな彼らの無計画さが浮き彫りになっただけで終わりましたが……。


果たして、自業自得で疲労困憊なポンコツたちの明日はどっちだ!?


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「目がイってる皇女WW」「インスまで顔引きつらせてるWWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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