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姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第3部・フローズン・ブルーの旅路】  作者: norito&mikoto
第3章 ブルンに揺蕩う身分差恋愛

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第3話・あちらもこちらも事件と事件~常識人の胃壁が消える~

第3章 ブルンに揺蕩う身分差恋愛



     第3話・あちらもこちらも事件と事件~常識人の胃壁が消える~



 神殿に行って、帰りがけに休憩用の茶葉と菓子を買いに商店街に寄ったら、インスとアインが現地の男に絡まれた。



「……で? 事情聴取が必要になった、と……?」



 リオンから報告を聞いて、ファンは眉間を揉みながら溜め息を吐く。



「ああ。なんか、インスがちょっと無理して立ち回ったみたいで、その影響だか何だか知らないが、すぐには無理、って判断されて、明日の午後一に詰め所に行くことになった」


「アインは?」



 リオンからの報告を、ファンと一緒に聞いていたジャンヌが口を挟む。



「よく分からないけど、ちょっと目を離した隙にぐったりしてた……」


「「なぜ??」」



 若干遠い目になったリオンに、二人は同時に首を傾げる。



「知るかよ……。とにかく、そう言う訳で、一日か二日か、出発を延期して欲しいってさ」



 ステールが伝えてくれって。



「それは全然かまわないわよ! わたしも、やりたいことがあるから、出発の延期は決めてたし!」



 話をまとめたリオンに、ごくあっさりとジャンヌは言う。



「「………………」」



 それを聞いて、リオンがジトリとファンを睨んだ。



(何やってやがった!? なんか、また余計なことに首突っ込ませたな!!)


(私のせいではない!)



 視線で言い合って溜め息。



「あと、それで今頃はクロードとステールが二人がかりでインスの調整してるはずだ」


「……なるほど……つまり、あの虚弱呪師(じゅし)どもはまた体調不良か……」



 最後にそう伝えれば、ファンはこれ見よがしに溜め息を吐き、ジャンヌはちょっとむくれた表情を見せる。



「アインに頼みたいことがあったのに……仕方ないわね……今は呼び出せそうにない?」


「今はやめとけ……二人とも体調が悪そうだし、早くても明日の朝だろうな……どっちみち、明日の午後一には二人とも連れて警備隊の詰め所だ」



 一応とばかりに聞いてみたジャンヌに、こいつ、マジか? と思いながらリオンが返す。



「……仕方ないわね……じゃあ、明日の朝一にアインに来て貰うなら大丈夫そうかしら?」


「知るか……インス次第じゃないか? というか……アイン(あいつ)に一体何の用事だよ?」



 わざわざ幼児のアインを指名する理由が分からなくて、リオンは胡乱げな目を向けて確認する。



「アインは神官呪師(しんかんじゅし)見習いでしょう? 診てあげて欲しい子がいるのよ!」


「……はぁっ……!?」



 ウキウキというジャンヌの言葉に目を剥く。


 

「「……………」」



(お前っ!! ほんとに何してたっ!!)


(だから、私のせいではないっ!!)



 直後にファンを睨めば、スッと視線を逸らされた。



「この宿のドアマンのセージがね、恋人のリリーってと結婚するために、弟の病気を治さなきゃいけないのよ!」


「いや……意味が分からないんだけど……??」



 楽しそうなジャンヌが何を言っているのか全く分からない。



「だから……!」



 と、楽しそうに解説を続けるジャンヌの声を聞き流す。



 聞き流しながら、話の断片から覚えた疑問で思考を巡らせる。



 どうして宿のドアマンの恋愛? に首を突っ込んでいて、結婚するには弟? の病気を治さないといけない、とか言われても……



(え? それでなんでアイン?? 確かに神官呪師見習いだけど、普通に街の神殿に行けばよくないか??)



 わざわざ、見習いの幼児に診させる理由が全く分からない。



 何しろ、リオンは()殿()孤児院育ち。


 体調を崩したり、ケガをしたりすれば医務室の当直医師に診て貰うのが当然の生活をしていた。



 ここ、ブルンの神殿にもちゃんと医師はいるだろうに、なぜ神殿に行かないのか……?



 他にも、ジャンヌの話からは分からないことは山ほどある。



 ただ、どちらにしろ……



ファンの野郎(こいつ)、本当に何してやがった!? なんだって旅先で他人の恋愛に首ツッコませてるんだよ!!)



 そっと溜め息を吐いて、リオンはぎろりとファンを睨む。



「………………」



 ギュッと、眉間に深い皺を何本も刻んで睨み返すファンだったが、その視線にいつもの強さが若干ない。



(……ジャンヌが、というより、やっぱりファンの野郎(こいつ)が何かやらかしたのがきっかけか……)



 その様子からそうと悟って……



「「………………」」



 ファンとリオンは、何とも言えない表情で溜め息を吐いた。


第3話をお読みいただきありがとうございます。


インスたちがトラブルに巻き込まれたことで、図らずも時間ができてしまった一行。


しかし、ジャンヌにとってはカミルの治療のためにアインを向かわせる絶好のチャンス。


全く事情を知らないリオンからすれば、突如として他人の恋愛事情とアインの派遣という斜め上の計画を聞かされても意味不明。


無茶苦茶な現状を前にストッパーの役割を果たせていないファンを睨みつけるリオンと、眉間に皺を寄せつつも静かに目を逸らすファン。


常識人たちの胃痛がますます加速していく中、ジャンヌの計画はどこへ向かうのか?


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「リオンが案外常識人WW」「ファン、反論不能WWW」と感じていただけましたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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