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姉姫様は魔族を斬りたい!~最愛の弟皇子を救うため、女神の巫女は呪いをかけた魔族を探します~【第3部・フローズン・ブルーの旅路】  作者: norito&mikoto
第2章 皇孫皇女の珍道中

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第2話・為政者たちの諦め~ポンコツたちのカーニバル~

第2章 皇孫皇女の珍道中



     第2話・為政者たちの諦め~ポンコツたちのカーニバル~



 後日、皇都・アンシェ。


 皇城・皇帝執務室にて。



「ディアス君って、ここまでポンコツだったっけ?」



 二度目の報告書に目を通したバリー帝が深い深い深~い溜め息を吐く。



「……どうやら、そうだったようですね……」



 表情を完璧にコントロールして、前回とほぼ同様の相槌をケルンは返す。



 彼もまた、やはりこの報告書を初めて目にした時には、今の皇帝と同じように頭を抱え、内容が真実かを数度、使いの者に確認した。



 もちろん、やはり、その倍以上は報告書を読み返すことになった。



「……もう、裏家業の一味を名乗らせた方が良くないかい?」


「流石に、それは万が一にもご身分が露見した際の世間体が悪すぎます」



 半ば投げやりなバリー帝に、常の通りの穏やかな表情を保ったまま、ぴしゃりと却下したケルンもまた、一度は同じことを考えた。



 ここまでポンコツなら、いっそ、そっちに振り切らせた方がよいのでは? と……



 まあ、今、皇帝に返した理由ですぐさま頭の中から消したのだが。



「……それにしても、なぜこれだけポンコツなのに、わざわざ庶民が利用する宿やレストランを選ぶんだろうね?」


「恐らくですが、身分を隠すためには普段利用することなどない、一般の民らが利用する店や宿にするべきだ、とでも考えたのでは?」


「……ディアス君が?」


「……実質的な決定権はファン卿に預けてありますので……」



 言い合って、真顔で二人は顔を見合わせる。



「……え? ディアス君って、もしかして、バカだったっけ?」


「……ある意味では、その通りだったようですな……」


「じゃあ仕方ないか……」


「……そうですね、致し方ないかと……」



 ははは……と、乾いた笑いが上がる。



「……いや、ダメだろう……」


「ええ。もちろん、ダメです」



 すぐに二人は真顔で重い溜め息を漏らす。



「……しかも、インス君やアインを文字通り荷物として扱っていて、それがなおさらどこぞから誘拐して来たのではないかと思われていたって?」


「……二人の体調が悪かったのは事実ですが、どうやらファン卿が『荷物の運搬。』と言ったようなことを口にしたようで……」


「……それじゃあ、そう思われても不思議はないかな?」


「そうですね……人を荷物と呼ばわったりなどすれば、抗争中の裏家業の一味が、抗争相手から誘拐して来たと思われても全く不思議はありません」



 だよねぇ~、と返したバリー帝が頭を抱える。



「……だとしても、どうして『未亡人とその愛娘』だと思われているんだい? インス君もアインも男だろう?」


「……確かに二人とも、女性に見えないことはありませんが、さて……?」



 唸るように声を潜めたバリー帝に、こちらも声を潜めて応えたケルンも首を傾げる。



 正直、アインはまだわかるのだ。



 いまだ幼い子供で、性的特徴など一切見られない、現に初見では誰もが「神が丹精を込めて創り上げた絶世の美少女。」と思うのだから。



 実際、保護された際は女児だと思って衣類なども用意したのだが、着ていたボロを脱がせて清拭と治療をした時には男児だと判明して少し慌てた、という報告が来ていた。



 以降も、神官呪師(しんかんじゅし)学校の男子用の制服を着せているにもかかわらず、女児に異装をさせているのか!? と毎度騒ぎが起きた。



 事前に男児である、と通達しているにもかかわらず、だ。



「……そう言えば、インス君も小さい頃は女の子に間違えられていたっけ……」



 ふと思い出したバリー帝が小さく小さく呟けば、一瞬で緊張したケルンが顔を強張らせる。



「……陛下。残念ながら、現在進行形でラント呪師(じゅし)は『未亡人じょせい』と思われているようですが……?」



 ああ……そういう報告だった、とバリー帝がまたまた溜め息を吐く。



「……これ、また()()()が出るかな?」


「……恐らくは……ただ……」



 ぼそっと呟いたバリー帝に答えたケルンは若干困ったような、何とも言えない表情を浮かべる。



「……そうなんだよねぇ~。その()()()……軒並み優秀な人材に育ってるからねぇ……ポンコツだけど……」


「……何とも言い難い貢献度合いですな……」


「全くだ……」



 ははは、とまた乾いた笑いが上がった。



「……西方に伝令を送れ……」


「かしこまりました」



 直後にスンとなった皇帝陛下の下命に対し、一礼して請け負ったケルンが下がる。



 ちなみに、これらのやり取りが行われていたのはやっぱり『皇帝執務室』。


 当然、執務室内には複数の文官たちもいて……



(((((…………陛下も、ケルン卿も……何の話をしておいでなのか……??)))))



 聞かされていた文官たちの間に疑問の嵐が吹き荒れていた。


第2話をお読みいただきありがとうございます。


今回は皇都でお留守番(?)をしているバリー帝とケルン卿のお話です。


最低限の人数で出発させた極秘討伐隊ですが、送られてくる報告書はツッコミどころのオンパレード。


特にファンの思わぬポンコツぶりに、皇帝も秘書官も想定外の方向で頭を悩ませることに!?


全く噛み合わない現場と皇都の思惑。


西方へ向かう一行の旅は、まだまだ波乱の予感です!


次回もお楽しみに!


【シリーズ一覧はこちら!】


本編と番外編、それぞれのシリーズ総合リンクです。


過去の関連作品などはこちらからお読みいただけます!


▼ 本編【CCC】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s7443j/


▼ 番外編【STO】シリーズ 総合リンク

https://ncode.syosetu.com/s8365j/


【今後の連載スケジュールについて】


続きは明日22時から、毎日1話ずつ更新いたしますので、どうぞお見逃しなく!


【ミニコラム掲載中!】


活動報告にて、キャラクター紹介や用語の解説などを不定期で掲載しております。ぜひチェックしてみてください!


【読者の皆様へのお願い】


「陛下! 諦めないでWW」「ケルン卿、お疲れ様WWW」と感じていただけたら、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマーク、感想をいただけますと、連載を続ける何よりのエネルギーとなります。


また次回もどうぞよろしくお願いいたします!


【本作は「カクヨム」にも投稿しております。】


――――――

ノリト&ミコト

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