34 特訓
どうも、ヤタヌスヲノヌスです。
少し投稿時間が遅くなってしまい、申し訳ございません。
それでは34 特訓 です。
壮大な職場見学を終えて、次の日、自宅にて。
今日は月曜、だが祝日だ。
嬉しい。
だが、そんなとき突然にあの珍事は起きたのだ。
ソファの俺の横に座っていた紫帆はいきなりソファの上に立った。
「私、強くなる!」
俺は流石にしどろもどろする。
「い、いきなり何を。」
紫帆はふふんと腕を組み、得意気に言う。
「貴志くんとお兄ちゃん見てたらさ、大変そうだったから。
私が強かったら百万力でしょ?」
俺はそれを全面否定した。
「いやいやいやいや、それはやめておいたほうが良い。
良いというかダメだ!絶対!」
紫帆はムッとした。
「私じゃ不満?
私、お兄ちゃんの力になりたいの。」
俺は腕を組みしばし考えてから語りかけるように言った。
「気持ちは分かる。
だが、俺が今、一番守ってやりたいのは紫帆、お前だ。
そんな紫帆が先陣切って戦いたいだなんて。
兄の俺には。な?」
紫帆はムッとしながらも頃合いを見てソファに座る。
「確かに…、確かに守ってくれるのは嬉しいけど私が強かったら、もし敵が来ても、お兄ちゃんがいないときに困らないじゃない?
それに、私はお兄ちゃんに戦いを教えて欲しいの!」
俺は、否定の仕方をやや優しくして言った。
「紫帆の言い分は分かった。
だが、残念ながら俺も最強って訳じゃないんだ。
教えてやれる技量も経験もないんだよ。
教えてもらうなら他にも沢山強いやつ知ってるから…。」
その時、突然、だった。
脳に直接語りかけられたのだ。
(妹の願いぐらい聞いてあげたら?)
字、か。
家までテレパシーが届くとは。
さすがオブザーバーの隊員。
(あんたの妹は、十騎に迷惑かけたくない。
と、兄に甘えたいという願望に満ちているわよ。
頭に入れておいてね。)
へぇ。なんか変なこと知ったわ。
(サンキュー。教えてくれて。)
俺は紫帆のほうを向き直す。
「わぁったよ、教えてやるよ。」
紫帆は何一つ雲のない純粋な笑顔で喜んだ。
「やったー!」
俺はそれに少し補足する。
「但し、分かりにくかったら言う事。」
「はぁい。」
程無くして紫帆と共に外に出て、凸の淵駅付近で修行をすることにした。
演習場に到着すると作戦会議を始めた。
「これより捜索任務の演習を開始する。
本作戦において、我々は、判断力、俊敏性を極めに極めるつもりでいる。
それで、紫帆はユード卵、おーい牛乳、アヨネーズ、サラ・ラン・ラップをかごにいれて第一のレジ前に戻ってくること。
賞味期限をしっかり確かめろよ。
制限時間は3分。
これはかなり短い。
隊型は、フォーメーションzだ!
これより捜索任務、開始!」
合図と共に紫帆は急いでスーパーに入る。
一般の視線があまりに冷たく刺さるが、気にしない気にしない。
「え、とまずはユード卵ね。」
幸いスーパーに入って目の前に玉子コーナーがあったので、素早くユード卵をとる。
「え、と次はおーい牛乳。」
飲み物コーナーに行き、牛乳に手を伸ばしたその時だった。
「!?おーい牛乳いっぱいある!
…っと、なんか学校で醤油起源の日付が長い方をとれって言われたけどよくわかんないや。」
そう自己解釈した紫帆がおーい牛乳を掴んだその瞬間。
黒のスーツを着たガタイの良い何者かに、がっしりと手を掴まれていた。
「えっ?だ、誰?」
無言で腕を引っ張られ出口付近まで連れ去られる。
「誰か!助けて下さい!誘拐です!
そして私万引き犯にかけられます!」
そう叫ぶと男は益々急いで店を出ようとした。
と、紫帆の目の前を一筋の閃光が通った。
「あ、え…?」
男の紫帆を握っていた腕は腕ごと切り落とされていた。
「よぉ、アクチノール。
腕の借りを返しに来たぜ。」
そうだ、紫帆を連れ出そうとした男のスーツにはアクチノールのロゴが。
さらに、それを見つけて過剰防衛に来たのは、笠楽稿慈だった。
「怪我はないな?」
紫帆は今、戸惑い、助けられた安心感、切断された男の腕が未だに自分の腕を掴んだままという恐怖に駆られた。
幸いにも男は走り去っていった。
それを確認すると笠楽はこちらを振り返り、話を再開した。
「俺は、笠楽稿慈という。
なぁに、敵じゃない。
怖がるこたぁねぇよ。」
紫帆も一応名を名乗る。
「わ、私は紫帆、楠木紫帆です。
た、助けて戴きありがとうございました。」
笠楽は顔を変える。
「楠木?楠木ってそういないよな?
ってことは、十騎の妹さんか?」
紫帆は不安げに頷いた。
「あ、はい。」
笠楽は剣を鞘に入れながら言った。
「なら、話は早い。
俺は十騎の指の中に入るほどの親友だ。」
それを聞くと紫帆は両手を合わせた。
「あ、お兄ちゃん今日来てますよ。」
笠楽はクールな外見に合わずに子供っぽく答えた。
「ホント?会えるかな?」
紫帆は思わず言葉を漏らした。
「かっこいい~。」
笠楽は紫帆を5度見した。
「はい?」
紫帆は高速で首を振り、顔を赤くした。
「あ、いえ。
兄呼んできますね。」
ここまでお読みくださりありがとうございました!
もしよろしければ感想やご指摘をください!
ツイッターやっていますよ!
是非話し掛けてください!




