33 当て布
どうも、おはこんばんちわなら。(言いたいだけ)ヤタヌスヲノヌスです。
今回は新しい子が味方になります。
それでは、33 当て布です。
そうだ。俺が考えたのはこの少女の皮膚の下から微弱な衝撃波を与えることによって当て布のようにするというもの。
しかし、元より衝撃波を使った機会がそんなに無い為なかなか出来ないので困る。
「くっそぉ、今日はなんか頭が重い!
なんでだ?!」
これでは、ただのバカに等しくなってしまう。
しかし、ある瞬間。
何かが纏まった気がした。
なんだろう、自分でもよく分からないが、アニメで見る明鏡止水的な何かだ。
「いけそうだな。」
布に向かって再度手を当てる。
想像したのは、シルクタッチただそれだけ。
他人目線で見たら、少女を触るただの変態。
「こんなかな。」
暫くすると、少女が身震いをする。
目の色は既に元の色になっている。
上を向き、頬を赤く染めている。
どうやら、くすぐったいようだ。
「あ、わりぃ。」
細かな衝撃波を送るのをやめる。
少女的には、こうだろう。
先程出会った高校生に腕を掴まれて、変な擽りにかけられる。
いかにも変態だ。
変態っちゃ変態だが、俺は妄想派だ。
実行には移さないタイプ。
しかし、少女には(何らかの条件による先程の変化)が生じているときの記憶もあったようで、唐突に急に満面の笑みを浮かべた。
「悪いの、いなくなった!
自由になれた!ありがとう!」
少女は泣き崩れて俺に抱きついてきた。
「うぇぇぇぇ?!」
さすがに驚く。
「へぇ。」
ん、この声は、やな予感。
「十騎、攻撃食らった私には目もくれず、結構年下の少女に夢中?なの?」
今来た恵鷹にはそう見えるだろう。
その誤解を必死で否定する。
「違っ!
俺この子の名前も知らないし!」
恵鷹は嫌味な表情になる。
「へぇ~。口説くのがお上手で。
その子泣いちゃってるよ?」
うわ、恵鷹すっげぇ怒ってる。
修羅場だ、修羅場だ。
でも、本当に違うんだ!
俺は自分自身を人差しで指差しながら言った。
「だから、俺がそんなやつに見えるか?」
恵鷹は半ギレで冷たーく言った。
「見えないから逆に疑いがかけられてるんでしょう?」
言い争っているうちに、少女は泣き止んでいた。
そして何気無く後方から話し掛けてきた。
「あの、私、この人に助けられたんです。」
それに恵鷹は悪女スマイルで皮肉に返す。
「へぇ~、あんたも私を攻撃してきたのにね。」
それに対して少女は言う。
「その節は、色々あって、意識はあったのですが、身体が思った通りに動かなくて。」
その言葉は恵鷹の興味を少し引いたようだ。
「え…なんかその話奥深そう、もうちょっと話してみて。」
あまりの恵鷹のスイッチの速さに少女は多少詰まりながらも答えた。
「え…、と簡単に言うと操作されていたんです。」
恵鷹のその話への興味はそこで消えたようだ。
「あ~…、そう。
それじゃあ私誤解してた。
ごめんね。
これからはもう友達だからね。
…で名前は何て言うの?」
少女は不意に目をそらす。そしてこちらを向き直した。「ミュー…。
正式には無いですけど、μIって呼ばれてました。」
恵鷹からは悪女スマイルは消えていた。
「へぇ、私は恵鷹 藍李。
高校一年生。
μちゃん、よろしくね。」
続いて俺が自己紹介をする。
「俺は楠木十騎という。
君は、μちゃんって呼べば良いかな?」
「あ、はい。」
小さい小さいと恵鷹が言っていたので年が気になってしまった。
「μちゃん、いくつ?」
少し、得意そうに表情を変える。
「多分驚きますよ。
私は43歳です。
肉体的には9才ですけど。」
若すぎないか?
まさか、年上にサバ読んでる?
「え?どういうことだ?理解に苦しむんだが。」
「破壊の紋章をつけられたものには、生命、身体の自由が害される代わりに、肉体的年齢をとることが出来なくなる。
そいつは、1983年に破壊の紋章をつけられたようだな。」
この低くて、しゃがれている訳ではないが、バスドラムのように脳みそのど真ん中まで響く声は。
「連巌さん?いつから。」
俺は後ろを振り向いた。
「今到着したところだ。
他のHIFIのメンバーには字に連絡をとってもらった。
直に着くだろう。」
「あ。」
μちゃんは先程の攻撃がフラッシュバックしたようで、恐怖で素早く俺の後ろに隠れる。
恵鷹はμちゃんに近寄り、頭を撫でてやってる。
女子ってなんだ。
打ち解けるのが早いのか?
さっきまであんなに臨戦状態で膠着していたのに。
恵鷹が特殊なだけなのか?
と、連巌さんが口を開く。
「もう、怖がらなくていい。
お前からは殺意が消えた。
お前を殺す義理などどこにもない。」
μはほっとして俺と顔を見合わせる。
「だが、ちょっとした身体検査は受けてもらうぞ。」
μちゃんは両腕で胸を覆い、身構えた。
「え?し、身体検査?」
連巌さんはμを落ち着かせた。
「検査っていっても大したもんじゃない。
ちょっとした人間ドッグみたいな感じさ。
安心しろ。裸とかにはなったりせんさ。」
なんか、すごい際どいこと言ってるのだろうけど、俺には全くその気は感じられなかった。
「ふぅ。」
μちゃんは落ち着いたようだ。
その上で俺と目が合ったので彼女は笑顔になった。
そうして、俺らHIFIの長い一日兼オブザーバーの職場訪問は終わった。
いかがでしたでしょうか、μという字は某ライブアニメに影響を受けた訳ではありません。
ご理解のほどよろしくお願いします。
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