3.四天王の憂鬱。
ここまでがオープニングです。
19時ごろに第1章開幕します。
「くくく、疾風のハヤテが敗れたか……」
「しかし奴は、我ら四天王の中でも――【最強】!」
「え、どうする? ヤバくね」
「うん、ヤバすぎ」
「まさか彼がやられるとは……」
四天王――残りの三人が、一堂に会して話し合っている。
それというのも、四天王の中でも最強の呼び声高かった疾風のハヤテが、いとも簡単に敗れ去ったからだった。仮に油断があったとしても、一撃はヤバい。
そこで残りの三人は、急遽共同戦線を張ることとしたのだった。
「どうする、私たち三人の力を合わせればワンチャン?」
椅子に腰かけながら、女性の魔族がそう言う。
しかし、好々爺とした魔族が首を左右に振った。
「いや、どうかな。それよりも相手の弱点を探った方が良いのでは」
その意見に、頑として反対したのはガタイの良い魔族。
「なに言ってやがる! ここは、一対一、タイマンだろ!!」
そう言って拳をガンとぶつけた。
そこまで話して、三人はしばし無言になる。
これこのように魔族というのは、基本的に協調性がなかった。人間より遥かに大きな力を持つものの、ここぞという場面で協力ができないのだ。
その最たる例である、ガタイの良い魔族は沈黙にムッとした表情。
「てめぇらは、ずっと鍛錬をサボってやがったんだろ? だから、一人で戦いに行く勇気が出ない。間違ってるか?」
「そうではない。己の力など、百も承知しておる」
「マルカという農民は、ハヤテをワンパンだったのよ。分かってるの?」
異を唱えると、残り二人に指摘される。
すると、ついに堪忍袋の緒が切れたのかガタイの良い魔族がキレた。
「あぁ、それなら俺様が一人で行ってやるよ! 見てろよ――」
椅子から勢いよく立ち上がり、こう叫ぶ。
「炎の化身こと、ヴァルボ様が格の違いを見せてやる!」――と。
それを見て、残り二人の魔族は額を押さえて思うのだ。
だめだこりゃ、と。
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