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お笑いヤンキー  作者: oga
覚醒編
24/25

卒業式2

 ……そうだ。

これが最後の舞台になるかも知れねんだ。

全力出し切んねーと、ぜってー後悔する。

相手のことなんか気にしねぇ、本気のツッコミ入れたらぁ!

野バラが次のセリフを口にする。


「スチュワーデスになったは良いんだけど、上司がまたブラックでさぁ」


「ブラックって、今流行のパワハラ上司ってやつか?」


「いや、本名がブラックっつー外国人」


「紛らわしいなオイ!」


 体育館の中で、クスクスという押し殺したような笑いが起こる。

だが、この後も大きな笑いは起こらず、俺は汗だくになりながら、そんなにつまんねーネタだったかと回りを見渡す。

すると、生徒らは口元を抑えて、何とか笑うまいと堪えている。


(どーゆーことだよ?)


 もう一度、回りを見渡す。

一人の教師が視界に飛び込んできた。


(……アイツか)


 生徒たちが笑いたくても笑えない状況を作っている張本人。

その男は、片手に竹刀を持って、こちらを睨みつけている。

国語の山田。

アイツはキレると生徒を廊下に立たせたりと、今どき珍しい体罰教師だ。

だが、偏差値の低いこの高校では、親まで頭が悪いらしく、どういう訳か、ちゃんと叱ってくれる先生として評判がいい。


(……クッソ)


 恐らくここにいる生徒らに、絶対に笑うなと釘を刺しているんだろう。

山田は俺らのことを目の敵にしてっからな。


(でも……)


 笑えないシチュエーションほど笑っちまう時がある。

ある意味、この状況はバカでかい笑いを取るチャンスっつーことか。

もう一押。

何か、火種がいる。

すると、ネタが尽きたハズの野バラが口を開いた。


「社会人といやぁ、飲み会があるじゃねーか。 私、行きたくねーんだわ」


 ……マジか。

アドリブぶっこんできやがった。

でも、もうそれしか手立てはねぇ。

この状況で、何故か野バラは意地の悪い笑みを浮かべている。

それで俺は察した。


「何で行きたくねーんだよ」


「竹刀を持ってうろちょろしてる先輩がいるんだわ」


「国語の山田じゃねぇか!」


 俺は腕を振りかぶり、思いっきり野バラの後頭部を叩いた。

今まで響いた事の無いような、弾ける音。

次の瞬間、まるで核弾頭が爆発したかのような音が体育館全体に響き渡った。



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