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お笑いヤンキー  作者: oga
覚醒編
20/25

マンション

「えー、新宿方面の電車は列車トラブルにより遅延しております」


 野バラに背を押されて駅のホームへと降り立ったものの、かなり長いこと電車がやって来ない。


(くっそ、作者の思惑かよ……)


 執筆が捗らない作者が、ストーリーを進めないように意図的に電車を止めた風にしか感じられなくなってきた頃、ようやく電車がホームの中に滑り込んできた。


(やっとか……)


 俺は、窓際に体をもたせて、到着するまでしばらく目をつぶった。









 新宿駅から渋谷方面の電車に乗り換え、渋谷駅を目指す。

時刻は18時を回り、帰宅するリーマンでごった返している。


(っぜーな)


 入り口に突っ立っていると、どんどん奥の方へと追いやられ、目的の渋谷駅に到着すると、おっさん共をかき分けながら何とか降りることが出来た。

ぜぇぜぇ言いながら改札を抜け、電話で古川に連絡を取る。


「俺だ。 ついたんだけど、どこで合流する?」


 俺はてっきり、トマト館みたいなライブハウスで合流するものと思い込んでいたが、古川は意外な場所を指定してきた。

電話ごしに言う。


「駅から10分くらい歩いたとこにマンションがある。 ショートメールでマンション名送るから、適当に検索して来いよ」


「マンション? ……まあ、分かったわ」


 少ししてショートメールを受信し、スマホでグーグルマップを起動してその住所へと向かう。

駅から大分離れると、地元とあんまり変わらない、マンションの建ち並ぶ一角へとやって来た。


「ここか」


 メールに書かれていたのは、「おしゃんてぃ」っつーマンション。

20階くらいまでありそうな、タワマンだ。

玄関はオートロックで、高級感漂ってやがる。


「何だよ、芸能人の知り合いでもいんのかよ……」


 俺はおっかなびっくり、閉ざされた自動ドアの前にあるパネルを押して、古川を呼び出した。

少しして、ドアが開く。

俺は、そのまま古川のいる部屋を目指した。








 ふぅ、と一息ついて、俺は扉の横の呼び鈴を鳴らした。


「はぁ~い」


「……え?」


 向こうから女の声がし、現れたのは20代半ばくらいの大人びた感じの女性で、間違えたと思って逃げようとすると、奥の方から知った顔が現れた。

俺は訳が分からず、古川は頭をかきながらこう言った。


「……色々事情があんだよ。 話すから入れって」

 

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