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お笑いヤンキー  作者: oga
覚醒編
19/25

VS野バラ

 夕日を背に、その人物の影がシルエットとして浮かぶ。

くるぶし位まである丈の長いスカートに、髪を後ろにまとめた、血飛沫野バラだ。


「よぉひまちゃん、これからどこ行くんだよ」


「……言わねーよ」


 こいつが全ての元凶で、俺の相方を校長に仕立て上げて、盛大に滑らせるのが目的だ。

そういう予知夢を見たが、丁度いい。

まだ確証が無かった為、俺はヤツにカマをかけることにした。


「……おめぇの取り巻きの2人がコソコソ話してんのを聞いたぜ。 今度の卒業式の漫才、お前が準備した相方っつーのは、校長なんだろ?」


 野バラは表情を変えず、そのまま俺を睨みつけた。

 

「……」


「それより野バラ、おめーは何でここにいんだよ」


 まるで俺が別の相方を探しに行くのを読んでたみてーだ。

野バラは、耳にはめていたイヤホンを取り出し、こっち差し出すように見せつけた。


「盗聴器をお前に仕掛けてた。 小田のセンコーと、今さっきの通話から、別な相方を探してんのが分かったのさ」


 ……ちょ、待て。

盗聴器!?

オイオイいつからだよ!

下手したら、俺が自室で何かしてる時も聞かれてたってことか?

俺が体を弄って焦っていると、野バラが切り出した。


「ンなことより、私はあの校長が大っ嫌いだ。 胡座かいて、何もしてねーのに高い給料貰ってよ。 向日葵、おめーはどう思ってんだよ? 卒業式の晴れ舞台であのブタをぶっ飛ばせたら気持ちいいと思わねーか?」


「……」


 あのデブ校長に限らず、俺はセンコー全般が嫌いだ。

偉ぶってて、俺らみてーのを目の敵にしてる。

だけど、そんなヤツらもう眼中にねぇ。


「俺は、これから社会に出るヤツらにエールを送りてーんだよ。 笑いっつー形でな」


 その時、脳裏にある光景がフラッシュバックした。

……ようやく思い出した。

俺が見た昨日の夢の本当の内容。

それは、笑いで誰かを助けた夢で、笑いをやる覚悟を決めた瞬間だ。

俺は叫んだ。


「どけよ、野バラ。 俺はお笑いが自分の道って決めたんだよ!」


「……だったら、私を倒して行きやがれ!」


 野バラが突っ込んでくる。

飛んでくる右ストートを左腕でガード。

連続で繰り出される左拳のボディブローを右の手のひらでキャッチ。

膠着状態になると、野バラが俺の目を見ながら、言った。


「お笑いはそんな甘くねぇぞ、向日葵。 そのままじゃ100パー通用しねぇ」


「……んなこたァ、分かってる」


「私が背中を押してやる。 しっかり、見届けてやる。 だから、リミッターを外せ。 自分の120パーセントでやれ」


「……!」


 思いがけない、野バラの返事だった。

野バラの手が緩むと、俺は押しのけて駅へと走った。

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