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王子様拾いました。  作者: 苺鈴


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14/24

王子君とアナベル

 そして、土曜日に戻る。

 俺は、陸上部の活動場所であるグラウンドへ走る!ああ、みんなもう集まってる…。

「星野先生、遅刻ですよ。遅刻者は、グラウンド30週です!」

 俺に駆け寄ってきたのは、俺のクラスの委員長であり、陸上部の部長である加藤(かとう)アナベルさん。加藤さんは、日本人とイギリス人のハーフで、黒髪のポニーテールに意志の強そうな紫色の瞳をした美少女である。陸上の種目は短距離。

「ごめん…。まさか、朝から殺されかけるとは、思わなかったから。…ほのぼのファンタジーなのに。」

「…何のことですか?あ、王子君!今日も可愛いねー!先生、王子君の身元まだわからないんですか?」

 加藤さんは、しゃがんで王子君に目線を合わせて話し始めた。

「それが、実は王子君、いろいろ事情があって…家族と一緒に暮らせないみたいで…当分俺が預かることになったんだ。」

「…そうなんですか!王子君、まだ小さいのに…苦労してるんですね…。王子君、私のことは、お姉ちゃんだと思っていいよ!ああ、私の名前はアナベルっていうんだけど、みんな『アナ』って呼んでるの。」

「じゃあ…アナお姉ちゃんって呼んでもいい?」

 アナって、妹の方じゃなかったけ?てか、王子君と加藤さんって同い年じゃん!!

「王子君…もう一回、言って!」

「アナお姉ちゃん…?」

 王子君を思いっきり抱きしめる加藤さん!

「…王子君、うちの子になりなよ!先生、王子君を私にください!!」

「ダメだ…!うちの可愛い娘…いや息子は、やらん!!」

 王子君は、怖ーいヤクザさんに狙われてるんだよ?加藤さんにもしものことがあったら、大変だよ!!

「王子君をくれれば、グラウンド30週免除してあげますよ?…小野先生にも先生が遅刻してきたこと黙っててあげます。」

 いや、俺、副顧問なだけで、部員じゃないから遅刻の罰は受けなくてもよくない?でも、小野先生に遅刻のこと知られたら…。小野先生は、普段は物静かな人だけど、部活のことになると人が変わっちゃって…。陸上に関しては、絶対妥協しないし…怒るとめちゃくちゃ怖くて、部員の間では、鬼先生と裏で呼ばれてるくらいなんだ…!

「…さあ、どうします先生?」

「加藤さん、昨日の王子君のコスプレ画像まだいっぱいあるんだよね。」

「えええ!?あれだけじゃなかったんですか?そういえば、南先生からのメールにそんなようなこと書いてありましたね!」

「それで勘弁してくれない…?」

「…わかりました。今日のところは、王子君をうちの子にするのは諦めます…。でも、いつか必ず王子君を私の弟にしてみせます!!」

 王子君を奪取する気か!?アナベルだけに…。作者どんだけ83好きなんだよ…。

「遅刻の件も…よろしくお願いします…!」

「仕方ないですね…。ああ、そうだ練習しなきゃ!先生、小野先生から預かった練習メニューください。」

「はい、これ。じゃあ、俺は用具室の掃除してるから(小野先生に頼まれた)、何かあったら声かけて。」

「先生、本当に副顧問て名ばかりなんですね…。」

「俺、一応、陸上経験者だからね!中学から大学までずっと陸上やってたんだよ。」

「それは、前に聞きました。でも、大学は駅伝部だったけど…4年間補欠だったんですよね?」

「…そうです。ああー。ほら、早くみんなに練習メニュー伝えて、練習始めて!」

「はーい。それじゃあ、王子君。練習終わったら、一緒に遊ぼうね!」

「うん。」

 


 


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