ヤクザ再び
王子君と一緒に暮らすことになった俺。アパートの大家さんに王子君のことを話したら「子どもは、ちょっと…。」って顔をされたので、王子君と一緒に改めてごあいさつに行ったら、速攻で一緒に住むことを許してくれた!やっぱり、可愛いは正義だね!
「王子君、起きて。朝だよー!!」
「…眠い。今日は土曜日だよ…。休みじゃないの…?」
「今日は、学校は休みだけど部活に行かなきゃなの。俺、陸上部の副顧問なんだよ…名ばかりだけど。顧問の小野先生が用事があって出られないから、俺が代わりに出なきゃなの…。小野先生、出られないなら部活休みにしてくれればいいのにね…。」
「…眠い。」
「ほら、早く起きて!」
こんな可愛い子を1人でお留守番させるわけには、いかないからね。誘拐とかされたら大変だもん!
「洸!ご飯の水加減を間違えたんじゃないの…?」
「ああ、ごめんね。水の量が少なかったみたいだね…。それより、王子君、銀髪バージョンになってるよ!体力消耗するからやめて!」
「『ひとめぼれ』は、柔らかさとマイルドな口当たりが売りなのに、水が少ないと、もそもそとして固くて食べにくいし、味も薄くなってしまうんだ!新米でなければ、水は炊飯器の目盛より少し上くらいが適量なんだよ!せっかくの良いお米が台無しだよ…。」
お前は、海原●山かっ!厳しすぎるでしょ…お米の水加減くらいで…。
「本当にごめんね…次から、気をつけるから。黒髪バージョンに戻って!」
「感情の起伏も影響してるみたいで、無意識に銀髪バージョンになったみたいなんだ…。お米のことで興奮してしまったから…。」
お米への愛すごいね…。
学校へ向かう、俺と王子君。そういえば、あの怖そうなお兄さんは、どうなったんだろう…?もう、あきらめたのかな…。
「おはよう、お兄さん。…昨日はよくも、この俺から逃げやがったな?」
俺たちの目の前に現れたのは…。怖そうなお兄さん…!もう、勘弁してよ…!白昼堂々、現れるとか…。
「…また転職して、ヤクザに戻ったの?」
「お兄さん。…そんなに、俺に殺されたいのか?」
「ごめんなさい、すみませんでした、殺さないでください!」
「殺されたくなかったら、大人しく、その子を渡せ…!」
「だが断る。」
「…死ね。」
怖そうなお兄さんの手が懐へ…!!
「…と、そうじゃなかった。今日はお兄さんと取引しに来たんだ…。」
怖そうなお兄さんは、懐から手を離すと、片方の手にもっていたジュラルミンケースを開け始めた…。何が入ってるんだろ?
中には…びっしり札束が!?うわあ…諭吉さんのオンパレードだね!!
「全部で3000万ある…。これで、手をうたないか…?」
「さ、3000万円…!?」
これだけあれば、ブ●ック・ジャック先生に手術してもらえるね!
「…お米、どのくらい買える?」
「その子をこっちに渡せば、全部やる…。お兄さんにも、もう関わらない。」
いや、教職員として金で子どもを売るとかダメでしょう…!
「これで、手をうたないなら…死んでもらう。」
怖そうなお兄さんの手がまた懐へ…!!
「さあ…どうする?」
「…王子君をお前に渡す気は…ない!さあ、王子君、バ●スを!!…王子君?」
「…バ●スって何?」
ダメだ…。黒髪バージョンだ…!今朝の米騒動で体力を消耗しちゃったんだ…!
怖そうなお兄さんが懐から拳銃を出す!
「王子君、短い間だったけど…王子君に会えて良かった…!さあ、早く逃げて!!」
さらば、俺の人生…!てか、ほのぼのファンタジーとは、何だったのであろうか…。くたばれ、作者!!
「さよなら…お兄さん!」




