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リヴァリース ~最初の村でレベルカンスト!~  作者: 清澄 武


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8/9

スーパーレベルアップ


 一晩眠って完全回復!


 ちなみに27レベルになった僕の最大HP・MPは、どちらも140。


 体調もバッチリなので、早朝から砦の前で元気にファイアを撃ちまくる。しばらくするとウインドウが唐突に情報を伝えてきた。


『アルが新しいスキルを取得しました』


メガファイア

消費MP 5

効果 手から炎を飛ばして、相手モンスターに炎のダメージを与える。

取得条件 ファイアを100回使う。


「おお、新しいスキルだ!」


「へえ、スキルってレベルアップ以外でも手に入るんだな」


 僕の隣でウインドウを覗き込んでいるレイが言った。


「なあ、その魔法ならレッドスケルトンを倒せるかな?」


「――そうか! 試してみよう!」


 ということでさっそく砦の中へGO!


「メガファイア!」


 僕の手のひらから、ファイアの何倍も大きい炎が飛び出した。


『レッドスケルトンAに561ダメージ!』


『レッドスケルトンBに556ダメージ!』


『レッドスケルトンたちをやっつけた!』


「すげえ! 一発だ!」


 やった! これでまたレベルアップが早くなるぞ!


 ポイズンシャボンの場合は倒し切るまでに数分はかかる。ところがメガファイアなら一瞬で決着がつく。待ち時間が減るため経験値集めが、さらに早くなる。


 そんなこんなで時は流れて――。


「よし、ついにレッドスケルトンを30回倒したな」


「ってことは次に復活するときはパワーアップするのかなぁ?」


「その可能性は高いと思う」


「次はどんな変身するんだろうね!」


 クロエはわくわくしているのか、顔を輝かせている。


「変身した瞬間、めちゃくちゃ強くなるかもしれないから、油断するなよ?」


「わかってますってー!」


 朝からバトルを続けている僕たちは、30レベルまで上がっていた。自分で言うのもなんだけど、かなり強くなったと思う。とはいえ、レッドスケルトンとの初戦闘時、僕たちはかなりのピンチに追い込まれた。そのことを考えると、ここは気を引き締めてかからないと……。


 そうこうしているとバラバラになったレッドスケルトンの骨がカタカタと揺れ出す。


「く、来るぞ!」


 レイの顔に緊張が走る。


 僕はごくりとつばを飲み込んだ。


 バラバラだった赤い骨が浮かび上がり、くっついていく。すっかり元の姿に復活したレッドスケルトンが、まばゆいばかりの輝きを放った。


 あまりのまぶしさに耐えられず、僕は目を閉じた。


 それからしばらくたって、まぶた越しに伝わる光が弱まったところで、僕は目を開けた。


 目の前にいたのは、さっきまでと全く違う色のスケルトン。さっきまで真っ赤だった二体のスケルトンは、今は金ピカに輝いていた。


「へ、変身したよ!」


 この金ピカのスケルトンたちが、どんな強さを持っているかわからない。


 ここは、先手必勝だ!


「メガファイア!」


『ゴールデンスケルトンAに633ダメージ!」


『ゴールデンスケルトンBに627ダメージ!」


 やはり相当パワーアップしているらしい。僕の魔法を食らったというのに、金ぴかの骨たちは平然としている。


「――くっ! 倒し切れないか!」


 骨たちの想像以上のタフさに僕が焦っていると、ゴールデンスケルトンの一体が一瞬で僕の目の前まで移動してきた。


 こ、このモンスター、速い!


 僕が身構えるよりも早く、骨が剣を振り上げた。


「うわあああ!」


 やられる!


 ――そう思った時だった。


「烈風波!」


 掛け声とともにクロエがダガーを振り下ろした。ダガーの切っ先から猛烈な風が巻き起こり、ゴールデンスケルトンに襲いかかった。


 剣を頭上に掲げた金ぴかの骨は、風に足元をすくわれておしりから転んだ。


「大丈夫、アル!?」


「助かったよクロエ!」


「一旦逃げるぞ!」


 僕たちは大急ぎで砦の外に逃げ出した。


 三人そろって砦の鉄扉に背中を預けて座る。


「やっぱり強くなってたねー」


「そのぶん倒した時の経験値も増えてるはずだよ」


「よし! ポイズンシャボンを使ってみるか!」


 レイが静かに鉄扉を開けると、その隙間からポイズンシャボンを放つ。


『ゴールデンスケルトンたちに毒を与えた!』


 よし! ゴールデンスケルトンにも毒は有効なようだ。


 そしてすぐに扉を閉める。ずるいけど、この戦法なら安全確実に相手を倒せる。


 そして数十秒後――。


『ゴールデンスケルトンたちをやっつけた!』

EXP2,000,000 ゴールド2,000,000


『アルはレベル182になった!』


『レイはレベル182になった!』


『クロエはレベル182になった!』


 ……は?


 目の前のウインドウに、おかしな数値が表示されている。


 レベル182? え?


「え、どういうこと?」


 クロエは困惑しているようだ。


「なんか俺、182レベルになったって言われたんだけど」


「モ、モンスター図鑑を見てみよう」


 僕は慌ててウインドウ画面を操作すると、モンスター図鑑の項目を呼び出した。


No.004 ゴールデンスケルトン

HP 800

EXP 1,000,000

ゴールド 1,000,000

夢のような経験値とゴールドを持っている幻のモンスター。出会えたらラッキー!


「ひゃ、百万!?」


 何だこのめちゃくちゃな経験値!?


「ど、どういうこと、アル?」


「えっと……。なんか僕たち、ものすごい経験値を手に入れたみたい」


「てことはガチで182レベルまで上がったのか?」


「……うん」


「マジかよ……」


「すっごーい! レベル100の夢がかなったー!」


 クロエは嬉しそうに飛び上がった。


「よーし、次の夢を考えなきゃ!」


 僕はまだこの現実を受け入れられない。だけどクロエの意識はすでに前を向いているようだ。


 182レベルって、たぶん大陸でも最高クラスなんじゃ……。いや、もしかしたら世界最高レベルかもしれない……。とんでもないことになってきたぞ……。


 隣に座るレイを見ると、彼は困ったような驚いたような何とも言えない表情で僕のことを見つめ返してきた。どうやらレイもこの状況に思考が追いついていないようだ。


 これは夢なんだろうか? そんなことを僕が考えているとレイが。


「なあ、これ夢じゃないよな?」


「……僕も同じこと考えてた」


 レイが黙り込む。僕も何もしゃべれなかった。今までコツコツとレベル上げしてきた僕たちは、ここにきて意味不明なパワーアップを果たした。そのあまりにも急激なレベルアップに、現実感がない。


 何だか体から力が抜けてしまって、レイと一緒にぼーっと雲を眺めた。朝の空は澄んでいて、きれいだった。そうこうしているうちに、時間は過ぎていき……。


「あ、そろそろゴールデンスケルトンが復活するんじゃない!?」


「あ、ああ。そうだね……」


「お、おう……」


 クロエに言われて僕とレイはのそりと鉄扉の前で立ち上がった。


「あ、そうだ!」


 何を思ったのか、クロエが突然大声を出す。


「ど、どうしたのクロエ」


「レイのディヴィジョンであのゴールデンスケルトン増やそうよ!」


「あ、あの金ぴかをか?」


「うん! そうすればもっとレベルアップできるよ!」


「ま、まあそうだけどさ……」


 レイは困ったようにしながら僕を見つめてくる。


「い、いいんじゃないかな。この砦の広さなら、10匹くらいまで増やしても問題ないと思うよ」


「お、おう。そ、そうだよな……」


「じゃ、扉開けるよー!」


 言いながらクロエは片手で軽々と鉄扉を引いた。


 砦の中には2体のゴールデンスケルトンがいる。


「ほら、レイ!」


「お、おう」


 クロエに急かされてレイがスキルを発動する。


「ディヴィジョン!」


 スキルが発動した瞬間、1体のゴールデンスケルトンが黒い煙に包まれる。そして、ほどなくして2体に分裂した。


「これで3体! あと7体!」


「お、おう……」


 そんな感じでレイはディヴィジョンを使って次々に金骨を分裂させていく。あっという間に、10体まで増やすことに成功した。


「これは絶景ですなあ!」


 10体の骨を前にして、クロエはご満悦らしい。


 金ぴかの骨たちは薄暗い砦の中でまばゆい輝きを放っている。


「うお、まぶしいな……。アル、頼む!」


「メガファイア!」


『ゴールデンスケルトンAに3689ダメージ!』


 ぶっ! なんだこのダメージ!?


「ア、アルがめちゃくちゃ強くなってる!」


「す、すげえ……」


 なんとメガファイア1発で全ての骨を倒すことに成功した。


『ゴールデンスケルトンたちをやっつけた!』

EXP10,000,000 ゴールド10,000,000


『アルはレベル330になった!』


『レイはレベル330になった!』


『クロエはレベル330になった!』


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