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リヴァリース ~最初の村でレベルカンスト!~  作者: 清澄 武


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9/9

カンスト!


 その後も僕たちのレベルアップは止まらなかった。


 骨が復活するたびに僕は砦の中にファイアを一発打ち込んだ。もはやメガファイアすら必要ない。普通のファイアでも余裕で勝てるようになっていた。骨を倒すと、僕とレイは砦の鉄扉の前に座って、ぼーっと景色を眺めた。クロエは一人、元気にスライムを倒していた。レベルが上がったため、クロエは最初のころと比べると、見違えるほど素早くなっている。ダガーの一振りで、あっさりとスライムを倒すと、一瞬でクロエの姿が消える。そして、別の場所にいるスライムの前に現れる。同時、そのスライムもあっさりと倒してまた姿を消す。そうやって、ありえない速度でスライムを倒しまくっていた。ちゃんと数えたわけじゃないけど――というか早すぎてカウントが追いつかない――たぶん一分あたり余裕で100匹以上は倒している。後、気づいた時には、クロエがスライムに与えるダメージが軽く1000を超えていて意味不明だった。


 そして数時間が過ぎたころ――。


『アルはレベル999になった!』


『レイはレベル999になった!』


『クロエはレベル999になった!』


 砦のゴールデンスケルトンたちをファイアで一掃したところで、僕たちのレベルが上がった。


「やったー! 999だ!」


「なあ、これって最高レベルなのかな?」


「たぶんそうだと思う。経験値のNEXTのところが空白になってるし」


 今まではレベルが上がると、経験値欄のNEXTと書かれた場所に、次のレベルアップに必要な経験値が表示されていた。今はそこが空白になっている。つまり僕たちのレベルはマックス!


「すっげー! 俺たちレベルカンストしたぜ!」


「もしかして私たち世界一強かったりして!?」


「たぶんね」


 言っておいてなんだけど、自分でも信じられない。999レベルになった人間なんて聞いたことがない。もしかしたら人類史上初かもしれない。きっと今の僕らのレベルを人に話したところで、誰も信じてくれないだろう。


「まさか旅立ち二日目で最高レベルになっちまうなんてな……。……なあ、これからどうする?」


 ヒロビロ平原でレベル上げしてきた僕らだったけど、それも、もはや必要なくなった。


「私、遠くに旅に出たい!」


「本格的に冒険の旅に出るってわけだな」


「僕もクロエに賛成だ。僕は世界を見て回って、もっといろいろなことを知りたいし」


「アルは昔からそれ言ってるよな」


「レイはハジマリ村を離れるのはイヤ?」


「まさか。俺もアルと同じで旅に出たいと思ってる。楽しそうだしな」


「あ、でもゴールデンスケルトンをここに放置するのは危ないかなあ?」


 たしかに。誰かが間違って砦に入ってしまったら大変だ。


「でもこいつらって倒しても復活するから、どうにもできないんじゃね?」


「そうだね……」


 なにかいい手は無いものか。頭をひねって策をめぐらせてみる。よし、いい案が思い浮かんだぞ。


「よし! モンスタークリスタルを使おう!」


「なにそれ?」


 クロエが、ぽかんとした顔で質問してくる。


「モンスターを捕獲できるクリスタルだよ」


「へー! 面白い!」


「たしか、ウインドウショップで買えたはず」


 言いながら僕はメニュー画面を開く。そしてその中からショップの項目をタップした。


 このウインドウショップでは、冒険に役立つ様々なアイテムが買える。


 いろいろな商品が並ぶ中から、僕はモンスタークリスタルを見つけ出した。


「1個5000ゴールドか……」


 値札にはそう書いてある。


「高っか!」


 モンスタークリスタルはかなり高額なアイテムで、冒険初心者にはとても買えない代物だ。


「ゴールデンスケルトンは10体。5万ゴールド必要だね」


 1つのモンスタークリスタルで捕獲できるモンスターは一体だけ。だからゴールデンスケルトンと同じ数のモンスタークリスタルが必要になる。


「そういや、俺たちって今いくら持ってるんだ?」


 そう言えば確認してなかった。


 メニューから所持金の欄を開く。


所持金 110,669,175ゴールド


 ……え?


「お、おい! なんかとんでもない額持ってるぞ!」


「なんじゃあ、こりゃあ!?」


 クロエが露骨に驚いた顔で大声を上げた。


「い、一億……」


 そのありえない金額に僕は声が詰まってしまった。ゴールデンスケルトンを倒しまくったおかげで、僕らは、いつの間にか1億ゴールド以上の大金を稼いでしまったらしい。


「これって一生遊んで暮らせる額じゃないか?」


「余裕で暮らせるね……」


「ええー、すごーい! ねえ、なんか買っちゃう!?」


「ま、まずはモンスタークリスタルを買おうか」


 僕はウインドウをタップしてモンスタークリスタルを10個購入した。次にアイテム欄を呼び出す。所有アイテムの中にモンスタークリスタルがあるのでタップすると、ウインドウ画面からモンスタークリスタルが出現する。ちょうど手のひらに収まるくらいのサイズで、キラキラと輝いている。


「よし! ゴールデンスケルトンを捕まえよう!」


 僕は手に持ったモンスタークリスタルを近くで骨状態になっているゴールデンスケルトンに投げつけた。クリスタルが骨にぶつかった瞬間、骨がクリスタルの中に吸い込まれていく。骨を吸い込んだクリスタルが床に落ち、コロンと音を立てて転がる。


「よし、この調子でほかのスケルトンも回収しよう」


 僕はゴールデンスケルトンを次々と回収していった。


 そして最後の一体を回収しようとした時だった。


「なあ、アル。ちょっと待ってくれないか」


「どうかした?」


「試したいことがあるんだ」


 言いながらレイは最後に残った骨に近寄っていく。そして――。


「スティール!」


 アイテムを盗むスキルであるスティールを発動した。


『金ぴかの骨を盗んだ!』


 レイの手に、金色に輝く一本の骨が握られていた。


「おお!」


 盗んだアイテムを見て、レイは嬉しそうにしている。そういえばスティールが成功したの、初めてだっけ。


「アル! こいつの効果を調べてくれ!」


 そう言ってレイは金ぴかの骨を投げてよこす。


 僕は骨をキャッチするとウインドウに近づけた。骨がウインドウに吸い込まれていく。アイテム欄を開くと、ストックアイテムの中に金ぴかの骨と記されていた。タップしてみる。


金ぴかの骨

金色に輝くきれいな骨。売ると100万ゴールドで売れる。


 ぶっ! こんなただの骨が100万!?


「レイ、この骨100万ゴールドで売れるって!」


「すげえ! ほかにも、なんか盗めるかな?」


 レイが再びスティールを発動する。


『なにも盗めなかった』


「ちぇっ。失敗かあ」


「けど、ほかにも何か持ってそうだね」


「だよな。スライムの時は『何も持っていない』って出たもんな。……よーし!」


 レイが再びスティールを発動する。しかし、またしても失敗。それでも諦めずに連打。すると二十回以上、発動したあたりで。


『賢者の指輪を盗んだ!』


「お! なんかよさげなもん盗んだぞ! アル!」


 レイが手に持った金色の指輪を僕に投げてよこした。さっきと同じく、アイテム欄に指輪をしまって効果を確認する。


賢者の指輪

知性あふれるデザインの指輪。消費MP半減。


 こ、このアイテムは……。


「これ、たぶんレアアイテムだ! 消費MP半減ていう破格の効果がついてる!」


「使ってみろよアル」


 僕はアイテム欄から賢者の指輪を選択して、使用ボタンをタップする。ウインドウの前に金色の指輪が具現化された。さっそく指に装備。僕の指より、だいぶ大きなサイズだ。ぶかぶかなので、使っているうちに落っことしてしまいそうだ。……と思ったら、リングが僕の指のサイズにフィットするように、縮んでいく。


 僕の現在MPは5000/5000。満タン。


「ファイア!」


 僕は消費MP1のファイアを唱えて、自分のMPを確認した。


 MP 5000/5000


 減ってない!


 念のため消費MP5のメガファイアを唱えてみると。


 MP 4998/5000


 MPが2だけ減っている。


 つまり端数は切り捨てらしい。なんという太っ腹。


「これがあればファイアを無限に使えるよ!」


「すげえ! よし! 人数分、盗んでおこうぜ!」


 僕は骨化したゴールデンスケルトンをモンスタークリスタルに捕獲した。そして捕獲済みの別の骨を一体、クリスタルから出した。


 レイがさっそくスティールを連打している。すぐに金ぴかの骨を盗むと、その後、てこずりながらも賢者の指輪を盗んだ。その状態で、さらにスティールを使うと。


『何も持っていない』


「持っているのは骨と指輪だけみたいだな」


 レイは金色の指輪を自身の指に着ける。


「これで俺もスティールを無限に使える」


 スティールの消費MPは1なので、賢者の指輪を装備すればMP消費無しで何度でも使えるのだ。


「えいっ」


 クロエがゴールデンスケルトンをダガーで攻撃した。


『ゴールデンスケルトンに2388ダメージ!』


『ゴールデンスケルトンをやっつけた!』


 なんという攻撃力。たった一撃で倒してしまった。ゴールデンスケルトンはかなり強いモンスターのはずだけど、もはや僕らの敵ではなかった。


 僕は骨化したスケルトンをクリスタルに回収すると新しい骨を放出した。そしてさっきと同じくレイがスティールを連打。案の定、金ぴかの骨はすぐに盗めるけど、今回は賢者の指輪を盗むのに、かなり苦戦している。


「くっそー! なかなか盗めねえ」


 ――その時だった。


『レイが新しいスキルを取得しました』


盗賊の極意

効果 スティールの成功率2倍。

取得条件 盗むを100回使う。


「やった! 新しいスキル覚えたぜ!」


 ほどなくして、レイは賢者の指輪を盗んだ。


「よし、これはクロエのだな」


「わーい! ありがとー!」


「ごめん、クロエ。ちょっとだけ指輪貸してくれないかな?」


「え、いいけど。何に使うの?」


「ちょっとね」


 僕は2個目の賢者の指輪を指に装備した。その状態で骨に向かってメガファイアを使ってみた。消費したMPは2。


「二個装備しても効果は一個分か……。ありがとうクロエ」


 僕は指輪をクロエに返した。


「さすがに消費MP1/4にはできないってことだな」


「だね。まあ半減の時点で破格の効果だけど」


 消費MPが半減するってことはスキルを使える回数が2倍になるってこと。スキルには強力なものが多いので冒険が、うんと楽になる。


「はうー。きれい……」


 クロエは装備した指輪をうっとりと見つめている。


 さてと。すべてのゴールデンスケルトンを回収できた。これでこの砦も安全だろう。外に出よう。


 僕たちの前には、はるか彼方まで地平線が続いている。


 旅立ち二日目。僕らは最高レベルになった。ついでに大金持ちにもなった。


 僕たちの住むこの世界――リヴァリースは、とてつもなく広い。きっと夢のような冒険が、僕らを待っているに違いない。僕たちの冒険はまだ始まったばかりなのだ――。




最終ステータス


名前 アル

レベル 999

HP 5000/5000

MP 5000/5000


力 500

防御 1000

魔力 5000

魔防 4500

素早さ 2503

器用さ 2500

運 1500


攻撃力 505

守備力 1004


EXP 335,021,231

NEXT


自動回復

HP 999/min

MP 99.9/min


スキル

ファイア

メガファイア

パワー

スピード


装備

右手 ダガー(攻撃力+5) 

左手

体 普段着(守備力+3)

足 革の靴(守備力+1、素早さ+3)

アクセサリー 賢者の指輪(消費MP半減)


所持金 111,619,176ゴールド


アイテム

金ぴかの骨x1

モンスタークリスタル(ゴールデンスケルトン)x10




レイ

レベル 999

HP 7500/7500

MP 2000/2000


力 1500

防御 1500

魔力 500

魔防 1000

素早さ 5003

器用さ 4500

運 4000


攻撃力 1505

守備力 1504


EXP 335,021,231

NEXT


自動回復

HP 999/min

MP 99.9/min


スキル

スティール

盗賊の極意

ポイズンシャボン

ディヴィジョン


装備

右手 

左手 ダガー(攻撃力+5)

体 普段着(守備力+3)

足 革の靴(守備力+1、素早さ+3)

アクセサリー 賢者の指輪(消費MP半減)


所持金 111,669,742ゴールド


アイテム

金ぴかの骨x2




名前 クロエ

レベル 999

HP 10000/10000

MP 1000/1000


力 5000

防御 5000

魔力 500

魔防 500

素早さ 1003

器用さ 2000

運 2500


攻撃力 5005

守備力 5004


EXP 335,021,231

NEXT


自動回復

HP 999/min

MP 99.9/min


スキル

スラッシュ

大盾

烈風波


装備

右手 ダガー(攻撃力+5) 

左手

体 普段着(守備力+3)

足 革の靴(守備力+1、素早さ+3)

アクセサリー 賢者の指輪(消費MP半減)


所持金 111,682,313ゴールド


アイテム

なし


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