表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リヴァリース ~最初の村でレベルカンスト!~  作者: 清澄 武


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/9

変身


 僕はMPが回復するまで、二人にバトルを任せて休憩することにした。


 砦の鉄扉に背中を預けて座りながら、二人のバトルをぼうっと眺める。レイは一撃の威力はそれなりだけど、動きが素早くて手数が多い。反対に、クロエはレイほど速くは動けないけど、一発がとにかく強い。その結果、二人のスライムを倒す速度はおおむね同じくらいだった。


 手数のレイとパワーのクロエ。二人は息もピッタリで、いいコンビだった。


 よし。そろそろスケルトンが復活する頃合いだ。僕のMPもある程度回復した。前方で戦っている二人に声をかけて、三人一緒に砦に入る。砦の中では、バラバラ状態のスケルトンが、ちょうど復活するところだった。襲いかかられるとやっかいなので、その前に、すかさずファイアで倒す。しっかりと10経験値、10ゴールドをゲットすると、感謝の心と共に砦の外に出た。そして再びスライム狩り。そんなことを繰り返していると、僕らはレベル8に上がった。


『アルはスキル:パワーを覚えた!』


パワー

消費MP 3

効果 魔力によって仲間一人の力を一時的に2倍にする。持続時間1分。


 なんと、僕は二つ目のスキルをゲットした!


「このパワーっていうスキル、仲間の攻撃力を上げられるらしい」


「え、めちゃ便利じゃね?」


「パワー!」


 僕はレイにパワーをかけてみた。


「うお!? なんかすげー力が湧いてくる! ……よーし!」


 そう言うと、レイは近くにいるスライムに攻撃した。


『スライムに13ダメージ!』


『スライムをやっつけた!』


「すげえ! 一撃でスライムを倒せた!」


「ええー、レイばっかりずるーい! 私にもかけて!」


「え、別にいいけど……。でもクロエは、今の状態でも一撃でスライムを倒せるよね?」


「だとしても!」


「わ、わかったよ」


 クロエの気迫に押された僕は、彼女にもパワーをかけた。


「わーい!」


 上機嫌なクロエがスライムに攻撃すると……。


『スライムに43ダメージ!』


『スライムをやっつけた!』


「つええ!」


 クロエのすさまじい攻撃力にレイは驚愕していた。


 するとクロエは続けざまに。


「スラッシュ!」


 クロエは攻撃スキル:スラッシュをスライムに放った。


『スライムに85ダメージ!』


『スライムをやっつけた!』


「オ、オーバーキルすぎる……」


 何という、すさまじい攻撃力……。


「えへへ」


 鬼神のような攻撃力を持つ、当の本人は、自身の攻撃力に満足そうにしていた。


 ……クロエのことは怒らせないようにしよう。


 その後も、スライムを倒しつつ10分おきにスケルトンも倒して着実にレベルアップを重ねた。レベル9になると。


『クロエはスキル:烈風波を覚えた!』


烈風波

消費MP 3

効果 武器を振り下ろして激しい風を巻き起こし、モンスターをころばせる。


 敵の行動を封じるスキルか。かなり使えそうだ。


「やったー! またスキルゲットしたよー!」


「攻撃のスラッシュ、防御の大盾、サポートの烈風波。クロエのスキルはバランスがいいね」


「クロエのスキルはどれも当たりだよな。俺とは大違いだぜ」


 レイがうらやましそうな目でクロエを見る。


 そしてレベル10に上がると。


『レイはスキル:ディヴィジョンを覚えた!』


「あ、レイ、新しいスキル覚えたんだね。使ってみれば?」


 クロエが何とはなしに言うと、レイはギクッと身をすくませる。


「う……。ま、まあ、後で使ってみるよ……」


 ここまで2連続で微妙なスキルだったレイは、みんなの前でスキルを使うことをためらっているようだ。気の毒に……。


 そんなこんなで、ついに11レベルに上がり……。


『アルはスキル:スピードを覚えた!』


スピード

消費MP 3

効果 魔力によって仲間一人の素早さを一時的に2倍にする。持続時間1分。


「また補助系のスキルだ! 素早さを2倍にできるみたい」


 さっき覚えたパワーに続き、今回もサポート系の魔法だった。


「素早さ2倍かあ。動きの速いレイにかければ、すっごく強そう!」


「やってみよう!」


 僕はレイにスピードをかけた。


 レイの動きが、さっきまでよりも明らかに素早くなる。


 もはやスライムたちはレイの動きに全くついていけていなかった。


 レイはダガーで次々とスライムたちを倒し、僕たちの経験値が、すごい速さで増えていく。


「座ってるだけで経験値が増えていくよー!」


 クロエはいつの間にか地面に座ってくつろいでいた。


「お前らも、ちょっとは戦え!」


 さっきから一人で戦い続けているレイからツッコミが入る。


「は~い! がんばりまーす!」


 そう言って手を上げてはいるものの、クロエはまるで動こうとしない。言葉と行動がまるでシンクロしていない。


「やれやれ」


 レイは呆れながらも、なおもすさまじいスピードでスライムを倒し続けた。


 その後もスライムとスケルトンを倒し続けていると、次々とレベルアップしていき、ついに僕たちのレベルは15まで上がった。


 僕たちはレベル1の時と比べると、もはや別人のように強くなっていた。レイはパワーの魔法が無くてもスライムを一撃で倒せるようになった。クロエの攻撃と防御もさらに強くなり、スライム相手なら無双状態だった。僕のファイアの威力も一段と強くなっている。


 そしてスケルトンを倒すために僕らは再び砦に入った。


 僕らが砦に入ると、ちょうどスケルトンが復活するタイミングだった。


 ――その時、異変が起きた。


 復活したスケルトンが、不気味な輝きを放ち始めたのだ。


「ね、ねえ! 何か様子がおかしいよ!」


 クロエが怯えている。


 僕たちの目の前で、スケルトンの全身が真っ赤に染まっていく。


『スケルトンはレッドスケルトンに変化した!』


「レ、レッドスケルトンだって!?」


 どうなっているんだ。まさかモンスターが変化するなんて……。


 レッドスケルトンは最も近くにいたクロエに、何の前触れもなく剣を振り下ろした。


『クロエに122のダメージ!』


クロエ HP 38/160


「きゃあああああっ!」


 大ダメージを食らったクロエが鉄扉の方に吹っ飛ばされる。


 同時、レイが一瞬にして僕の隣から消えた。


 レイはクロエの飛ばされる方向に先回りすると、クロエが鉄扉に激突する前に彼女の体を受け止めた。


 僕は前方の赤い骨に向かって構えると。


「ファイア!」


『レッドスケルトンに160ダメージ!』


 ファイアが赤い骨を包み込んだ。しかし大ダメージを与えたはずなのに、レッドスケルトンは平然としている。


「た、耐えた!」


 レベルアップした僕のファイアは、かなり威力が上がっていた。


 だというのに倒せないなんて……。


 赤い骨は僕のことを無視して、鉄扉の前で体勢を崩しているレイたちの元に向かっていく。


「ギギギ!」


 クロエたちの元にたどり着いた骨が、不気味な鳴き声を上げながら剣を振り上げた。


「お、大盾!」


 クロエが叫ぶと、彼女の前に、クロエよりも大きな盾が現れる。


 大きな盾に向かってスケルトンの剣が振り下ろされ、大盾と衝突して激しい火花を散らせた。


『クロエに12ダメージ!』


クロエ HP 26/160


「に、逃げるぞ!」


 クロエに肩を貸したレイが、鉄扉の向こうに走り出す。


 僕たちはレッドスケルトンから逃げ出した。


 鉄扉を閉めて、中から骨が出てこないように固く閉じる。


 今の戦いで大ダメージを受けたクロエは、鉄扉の前に、ぐったりと横たわった。


「クロエが回復するまで俺たちで守るんだ!」


「わかった!」


 ――くそっ!


 都合が悪いことに、砦の周囲にスライムがわらわらと集まってくる。こんな時に限って、ずいぶん積極的に勝負を挑んでくるものだ。もしかしたら乱獲された仲間の仇を討とうとしているのかもしれない。


 僕は自分とレイにパワーとスピードをかけて臨戦態勢を整えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ