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宋飛  作者: たいてん
49/54

宋飛49

宋飛、班礼、王連、唐平の4名で泗州に向けて出発した。


いつもの行軍ではなく、商人に扮装し、徒歩での旅である。


「歩きだと時間がかかってしょうがないなぁ。やっぱりそこらへんの奴らから、馬を奪っちまいましょうよ、隊長」


「ばか野郎、何のために変装していると思ってるんだ。絶対に余計な騒ぎを起こすなよ」


「それと、隊長という呼び方も今は禁止だ。唐平。どこに敵がいるか分からないんだからな」


「班礼殿はいいですよね。いつも通りにしていれば、もうほぼ商人顔なんですから」


「殺すぞ、お前」


宋飛と王連は声を上げて笑っている。


「7日ほど歩けば、泗州の都の一つ、臨准の城壁が見えてくるはずだ」


「うわ、まだまだじゃないですか。留守番してればよかったかなぁ」


「お前がどうしても付いて行きたいっていって来たんだろうが。むしろ今からでも帰りやがれ」


「まあ、そういうな、唐平。商人に扮しているのには、情報収集の役目もあるからだ。なんせ、ほぼ何の手がかりもないんだからな」


「それに警戒して単独で潜入していたにも関わらず、あの史令殿が捕まったんだ。どこかに手練れの敵が隠れていると思ったほうがいい」


「分かってますよ、王連の兄貴。俺だって、決して物見遊山で来たわけじゃありませんから。いつも張り詰めてたら、保たないと思っただけです」


「嘘つけ、初めて揚州の外を見れるってワクワクしてたじゃねえか」


「班礼殿は、人の善良な部分をもうちょっと信用した方が生きやすいと思いますよ」


「商人に扮してなければ、ここに剣があったんだがな」


街道に、人通りが多くなってきた。


「…おい、唐平」


「はい?どうされましたか、隊長。じゃなくて、殿」


「…お前、今あのすれ違った子供に商品の布を盗まれたぞ」


「え…あれ?」


「…」


「…」


「…」


唐平が鬼の形相で飛び跳ねていった。

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