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宋飛  作者: たいてん
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宋飛48

宋飛が唐平と本営につくと、すでに劉明将軍を始め、副官の李京と文官らしき男2名が将軍の部屋で待っていた。


「宋飛です。ただいま帰還しました」


「来たか,早かったな」


「史令の奴が情けないことになっていると聞きましたが」


「詳しいことは分からん。史令は単独で動いていたが、泗州で接触するはずだった武達の部下が史令を見失ってな。どうも軍に捕らえられた気配がある」


「武達と諜報部隊の主力は、もう現地に向かってるんですか?」


「いや、あいつらは今銀州にいる。この件には関われない」


「えっ、銀州ですか?よりによって、そんな遠くに。」


銀州はこの国の西の端である。隣国の西夏に何か不穏な動きでもあるのかもしれない。

なんにしても、こういう時にこそ一番頼りになる武達が不在なのはかなり苦しい。

(あいつ運にも見放されてるんじゃないのか?)


「そこで、お前だ」


副官の李京が初めて口を開いた。


「軍がかかわっている以上、我々揚州軍が堂々と出ていくことはできん。あらぬ疑いをかけられてしまうからな。そこで、まだ外にあまり顔が割れていない宋飛、お前が少数で動くのが適任だと我々は考えた」


「いや、ちょっと待ってください。勘弁してくださいよ。なんで俺が。先日増員されたばかりの兵を育てるので、今は手一杯ですよ」


「これは命令だ、宋飛」


劉明将軍が有無を言わさぬ口調ではっきりと言った。


「危険もある。情報もない。しかも今回は少数での動きとなる。そのため、個人の武と機転が特に重要だ。お前を推したのは私だ」


「そういうことだ、それにどうせ、お前勝手に動くつもりだっただろう?」


お見通しだ、と言わんばかりに李京が口元だけで笑った。


「いや、まあ、確かにこれで死なれたら寝覚めは悪いですけど」


「俺も当然同じ気持ちだ。だが立場上、今動くわけにはいかない。それに、一番耐えておられる将軍の気持ちも、お前ならわかるだろう?」


「分かりましたよ。それに命令なら、当然遂行するだけです。絶対に史令を連れて帰ります」


借りを返すいい機会が回ってきたと思えばいい、と宋飛はふとそう思った。

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