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宋飛47
史令が捕らえられた。伝令は宋飛にそう伝えると、息を切らしたまま馬に飛び乗って、違う方向に駆け去っていった。
「史令め、ざまあみやがれ」
驚いた班礼が宋飛をたしなめた。
「何言ってるんですか、こんな時に。急いで劉明将軍のところへ参りましょう、宋飛殿」
横を向くと、唐平はよく分からないという顔をしているが、王連は班礼よりも動揺していた。
「それより本当でしょうか。あの史令殿が捕らえられた。それも泗州軍に。今の話だけでは分からないことが多すぎます」
「なんか気が乗らないなぁ。いいんじゃないか、放っておいても」
「昔史令殿に捕まったことを、まだ根に持ってるんですか」
「うるさい」
「えっ、宋飛殿、史令殿に負けて捕まったんですか」
「お前は黙っていろ、唐平」
あいつが簡単に死ぬはずはない、と宋飛は信じている。何か事情があるはずだ。
宋飛は史令が何をしているのか詳しく知っているわけではない。ただ、劉明将軍の反乱の準備のために、危ない橋を渡っている気配は薄々感じていた。揚州軍にとっての最悪の想定は、史令が殺されることよりも、その情報が漏洩することだろう。
「俺たちが慌てても仕方ないだろが。ただ、もし命令があれば即座に動ける準備をしておけ」
宋飛は、班礼と王連にそう告げて、従者扱いの唐平だけ伴って宋飛は本営に向かった。




