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宋飛  作者: たいてん
43/54

宋飛43

唐平は何が起こったのか分からなかったようだった。


「嘘だろ、俺が負けるはずがねえ。どんな汚い手を使いやがった」


突きつけた剣を、王蓮は鞘に収めた。


「お前が弱すぎるだけだ。見えていなかったのか?」


「ふざけるな。賊徒が束になったって、俺には指一本触れられなかったんだぞ」


「この世には、強い奴などいくらでもいる。俺ですら隊長の前では十秒も立っていられん。これまでは弱い相手に恵まれていただけだろうな」


掴みかかろうとした唐平が空振りし倒れ込んだ。王蓮がいつの間にか後ろから唐平の背中を踏みつけている。


唐平はしばらくうつむいていたが、すぐに足を払い除け立ち上がった。


「くそっ、こんなに強い奴らがいんのかよ。俺は、一歩村の外に出たらこんなにも弱いのかよ」


槍を頭上で回転させ、唐平は雄叫びを上げた。


「だが、関係ねえ。お前らが俺よりどんなに強かろうが知ったことか。ここは死んでも通さねえぞ」


唐平の声に反応して、村の若者たちも立ち上がり武器を構え始めた。


「ほう。次は手加減はしない。死ぬぞ」


「村の奴らを守って死ぬならそれでいいさ。悪い死に方じゃねえだろう」


唐平は槍を構えてにやりと笑った。


王蓮が剣を抜いた。少しだけ後ろに控えている宋飛の方を見た。


宋飛は頷き返した。


王蓮が手を上げ、二十名全員が抜刀した。


今度は手加減すればこちらにも怪我人が出るだろう。


「それに、死ぬのはお前らだ」


唐平が駆け出すと、全員が一斉に動いた。


王蓮はやはり唐平の相手をするようだ。他の者に任せるとやられかねないと判断したのだろう。


実際、最初から動きの良さは際立っていた。宋飛軍の他のものと遜色ない。それに、槍の使い方には天性のものを感じた。


だからこそ、王蓮は一瞬で決めるつもりでいる。


唐平の渾身の突きをぎりぎりまで引き付け、わずかに半身を下げた。


唐平の勢いを利用して、鳩尾を剣の柄で突いた。


一瞬二人の動きが止まり、気づくと唐平は崩れ落ち、王蓮がそれを支えていた。

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