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宋飛  作者: たいてん
33/54

宋飛33

「火事だと?」


この洞窟は数本の地上へ通じる道と、海へ出る大きな入り口がある。


中心部へ向かうと、確かに地上への道の方から煙が立ち上っているのが見えた。


「煙が厄介だ。童順、お前は燕広様を連れて船着き場から一旦海へ出ろ。私は火を食い止めるために道を塞ぐ」


「承知しました」


童順が周りに声をかけながら駆け去っていった。


「しかし、どういうことだ?」


ここは洞窟であり、火が弱点であることは重々承知していた。


だから燃えやすいものは少なく、消火できる水の流れも近くにある。


何かがおかしい。


火元に向かって扈応は駆けていった。既にかなり燃え広がっているようだ。


すると突然、目の前で火の対処にあたっていた者たちが次々と倒れた。


一瞬、扈応は何が起こったのか分からなかった。


煙に紛れて黒い影が何体か見えた。


いきなり背後から拳が飛んできた。


直前で、前に倒れ込むことで威力を殺した。


「ほう、できるやつがいるな」


急いで起き上がったが、声の主は扈応に構うことはなく、すぐ消えた。


「敵襲だ!気をつけろ!」


扈応は叫んだが、近くの味方は既に軒並み倒れていた。


「何なのだ、これは」


敵がいるとなれば、火への対処どころではない。煙に巻かれてしまう。やむをえず海への出口に走った。


扈応がたどり着いた時には、ほとんどの者たちは既に海へ出たようだった。


弓と剣を持ち、残っていた小船に乗り込んだ。


沖へ出ると、広がる光景を見て息を呑んだ。


「やられたな」


蘇州軍の船が海上一面に展開されていた。

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