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宋飛31
朱立が直立した。
「なぜ趙清将軍がこちらへおられるのですか?」
「いつまでも本営の奥で書類仕事ばかりしてられるか。たまには俺にも戦をさせろ。それに、ここの海賊については早急になんとかしないといけないからな」
海を見る趙清の顔が険しくなった。
「分かりました。今回の五百名の到着で手筈は整いました。いつでも出動を命じてください」
「いや、ここの指揮官はお前のままだ。お前が全て決めろ、朱立」
「えっ、将軍が旗船におられるのではないのですか」
「俺は別行動だ。船1艘を寄越せ。この戦において俺はいないものと思え」
「何を言われます。危険すぎます」
「命令だ」
何か言いかけた朱立に背を向け、趙清は宋飛の方を向いた。
「宋飛、お前は朱立について旗船に乗れ。ただしお前の軍は陸に置き、戦場付近の沿岸に展開させろ」
追い詰めた際に逃さないよう、確実に仕留めるためだろう。宋飛は即座に理解し命令を復唱した。
「ますは奴らを洞窟から炙りださなければならん。が、それについては既に手を回している。そこからが勝負だ。首領の燕広だけは絶対に逃すなよ」
決行は明日の夜明け前に決まった。




