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宋飛  作者: たいてん
28/54

宋飛28

気づいた時、宋飛は小屋の中にいた。


「おう、目が覚めたか。粥があるぞ」


朱立が自分の椀によそいながら言った。


「水が欲しい。俺はどれくらい眠っていた?」


「丸一日、というところかな。俺も少し前に起きたところさ」


家の中を見回した。すでに日は中天に昇っているようだ。


「おい、まだじっとしていろよ。お前の方が傷は多かったんだからな」


しばらくして、外から声がかけられ、老人が一人入ってきた。


「おお。もうひと方も起きられましたか」


朱立との会話を聞いていると、世話をしてくれていたのはこの老人のようだった。


この村の長だという。


「お二人に改めてお礼申し上げます。この村を救ってくださり、ありがとうございました」


老人が頭を下げた。


「俺たちは蘇州軍の関係者だ。礼を言われることじゃない。まあ、軍と言っても今は二人しかいないが」


「軍の方々であられましたか。道理で、あの並外れた強さに納得がいきました」


「海岸に近い村は全滅していた。それで急いで来たんだが」


朱立が話すのを、宋飛は黙って聞いていた。


「なんと。それは本当でございますか」


近しい村で交流もあったのだろう。少しの間、老人は項垂れていた。


「そうですか。村の動ける者たちで、後で亡骸を弔いに行かせます」


「ところで、ここを襲った者達について、何か知っていることはあるか?特に、蘇州軍は海賊団の根城を探しているんだが」


村長は少し考え込む素振りを見せた。


「軍の方に言っていいのかわかりませんが、実は海賊団の先代の時代には、この辺りの村々はよく漁師の取り分の交渉など、役人や仲買人との間に入ってもらい、大変世話になっておりました。もちろん対価に渡すものはありましたが。それが先代が亡くなり、新しい頭領に代わって、いつの間にか、賊徒のように害を成すようになってしまったのです」


「ほう。以前はこの辺りの顔役のようなものだったのか。別に珍しくもないが。それがなぜ、このようになってしまったのだ」


老人は再び考え込んだ。


「その辺りの事情については、心当たりがございます。少しお待ちくだされますか」


しばらくして戻ると、村長はあの双剣使いを連れていた。


入るなり宋飛たちの前に座り、頭を下げた。


「馬冲と申します。お二人とも、先日は助けていただきありがとうございました。あれがなければ我々は死んでいました」


明るいところで改めてよく見ると、年はほぼ宋飛と変わらない。20歳前後だろうか。


「私は、海賊団の先代頭領・馬麟の弟です。少し前まで、ここを襲った海賊団に所属しておりました」

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