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宋飛24
「それまで!!」
終了の合図の銅鑼が打たれた。
両軍が分かれていく。
宋飛は、地面に座り込んでいた相手の指揮官の方へ馬を降りて歩いて近づいた。
「際どい勝負でした。朱立殿」
「やられたよ。宋飛、と言ったかな。まさか俺が負けるとは微塵も思っていなかった。どこかに驕りがあったのかもしれない」
「紙一重であった、と思います」
「いや、そんなことはないさ。全体を通して振り返ってみても、常に先手を取られていた気がする。それに、馬の速度も兵の連携も並大抵ではなかった。揚州軍に、史令以外でこんな軍がいたとは、聞いたことがなかったぞ」
朱立はうなだれて首を振った。
「趙清将軍にどやされるなあ、これは」
宋飛には、蘇州軍が弱かったとは決して思えなかった。
むしろ振り返ると冷や汗が出る思いだ。軍内でも先鋒を任される、それほどの精鋭だったはずだ。
宋飛が予想していた以上にこちらの動きが良かった。
足りないと思っていたのは実践の経験だったのか。
兵たちの方へ還ると、皆誇らしげに宋飛を見ていた。
しばらくして、劉明将軍に本陣へ呼ばれた。
到着すると、劉明将軍の側に、もう一人小柄な男がいた。
身体全体から強い気を放っている。思わず宋飛は身構えそうになった。
「蘇州軍の趙清という。お前が宋飛だな」




