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宋飛  作者: たいてん
19/54

宋飛19

「班礼、俺は史令と共にいくことにした」


「そうなると思ってましたよ。自分達はあらかじめ話は聞いていましたから」


雪こそ降っていないが、夜はまだ凍えるほどに寒かった。焚き火の燠火が残る近くに二人は腰をかけた。


「お前達はどうする?そこまで行くともう後戻りはできないぞ。反乱の罪は一族まで連座して死罪だ」


「ついていきますよ。もともとやっていたことは賊徒のようなものです。いつ死んでもおかしくありませんでした。相手が小役人や商人から、国に代わっただけですね。これはすでに他の奴らとも話し合った結果です。宋飛殿の気質はよく分かっていましたから、俺は遅かれ早かれこうなると思っていましたよ」


「俺はそんなこと考えたことなかった。日々の食い扶持を得ることを考えるだけで精一杯だった」


「五十人を飢えさせてはならない、しかも、一般の民を襲わずに、です。普通の奴にはそもそもできませんでしたよ」


宋飛は自分の視野が狭かったのか、少し考えてみた。


「それにしても、反乱なんて、考えなしに突っ込めばあっという間に鎮圧されてしまいます。実際、各地で農民反乱や宗教反乱が起き始めていますが、軍に押さえつけられています」


「史令達は揚州軍を隠れ蓑にしている。しかも、同志の人脈も相当広く各地に根を張ってる気配がある。それぞれがそれぞれの場所で巧妙に隠れ、相当周到に事が進められているという気がする」


全容を把握はできないだろう。するべきでもない。


自分の与えられた役割を果たすだけだ。


戦略を考え、大きな方向性を決めるのは上に立つ者の役目だ。


「この反乱の大元が揚州軍の統括である劉明将軍だと聞いて驚いた」


劉明は、宋飛ですらその名を聞いたことがある英雄であった。


国の中でも指折りの軍人である。


つまり、これは州全域が一気に寝返る大規模な反乱ということになる。


「とんでもないことに関わってしまったのかな」


「我々にそこまで明かしてしまうということは、そろそろ事態が動き始めるのかもしれませんね」


「明確な目的ができて、俺は正直喜んでいる」


「生半可な道ではありませんよ。国の存亡となれば禁軍が黙っていません。帝を守るこの国最強の軍隊です。そして、それに勝るとも劣らない、国境付近で鍛えられた精鋭が揃う地方軍もあると聞きます」


「そいつらが腐った権力を守るなら、相手になるさ」


宋飛は、自分は視野が狭くてもいい、目の前のことに全力で取り組む方が性に合っていると思った。

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