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宋飛  作者: たいてん
18/54

宋飛18

全軍で移動し、その日のうちに揚州内の安全とされる拠点に入った。


本営との伝令のやり取りを待つ間、しばらくそこで野営をすることになった。


日が傾き始めた頃、火のそばで誰かが捕ってきたらしい鹿が解体されていた。


肉が次々に焼かれている。


拠点に蓄えられていた米も一緒に炊かれていた。


しばらくすると、周囲にいい匂いが立ち込み始めた。


久々にまともな飯が食えそうだと宋飛は思った。


「俺たちは仲間を集めている、宋飛」


おもむろに史令は言った。


「俺は軍に入る気はない」


即座に宋飛は断言した。


正直に言って、軍のような暮らしは好きだった。


仲間と山によって暴れていた頃は、実際は軍の真似事のようなことばかりやっていた気がするほどだ。


だが、軍はまさに権力の象徴である。


父を殺され、家を奪われ、飢えながら生き延びてきた宋飛には、権力に対して激しい嫌悪と反抗心がある。


そちら側につくのは、どうしても納得できなかった。


「揚州軍に、ではない。俺たちの仲間にならないかと聞いている」


「どういう意味だ」


「宋飛、この世には不条理が多すぎると思わないか。何の罪もない者が投獄され、搾取され、殺される。私腹を肥やす一部の権力者のために、民は重税に喘いでいる。おかしいと思わないか」


「お前達もそちら側だろう、史令。軍人はまさに権力を守る犬だ」


「そう思われても仕方がない。だが、我々はこの国を変えようとしている。人が人らしく暮らし、当たり前の幸せを享受できる、そんな国を作ろうとしている」


宋飛は黙った。史令は何か危険なことを言おうとしていると感じた。


「俺たちはこの腐った国を叩き潰す。新しい民のための国を作ろうとしている。その仲間にならないかと言っている」


「反乱か、いや革命か」


黒ずくめの顔を隠した騎馬隊、牢獄に捕らえられていた武逹、全てが繋がった気がした。


同時に、宋飛は高揚を感じた自分に驚いた。


いや、それこそ自分のやるべきことではないのか。


何をしたらいいのか分からず、ただ暴れ回るのではない。


新しい民のための国を作るために戦う。


そのために全力を尽くし、命をかける。


そして死ぬ。


一緒に戦う仲間と共に。


「いいな、それは」


気づくと宋飛は笑っていた。

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