宋飛15
一気に形勢が傾き、宋飛は逃げようとする者を通さないように動いた。
わずかの間に賊徒の死体が積み重なり、生きている者はいなくなった。
「助かったよ、武逹。危ないところだった」
「遅くなってすまなかった。ここまで来れば、目的地まであと数日というところだ」
三人とも疲労が激しかったので、翌日は丸一日を回復と食糧の調達に当て、情報を整理した。
「目的地は揚州軍の拠点の一つだ。そこまで辿り着ければ間違いなく安全だ。通常は他所の軍轄区まで追手がくることはないからな」
「あんた揚州軍の関係者だったのかよ。俺は牢城に長くいたが、そんな話は聞いたことがなかったぜ」
「当然だ。何としてでも素性は隠さなければいけなかった。事情は分かるだろう?林勝」
「まあな、反乱がどうのこうのという噂が本当なら、あんた一人で済む問題じゃないもんな。揚州軍全体の責任問題になっただろうし。冗談抜きに一番上の将軍の首さえ危ない」
「その通りだよ。そんなことになるくらいなら一人で死ぬ方を選ぶよ。さて、とりあえずは今後のことだ。昨日の奴らが言っていたが、俺たちに懸賞金がかけられているのは本当だ。だから移動はできるだけ人目に触れない夜間にしたい。」
二人に異存はなかった。
本当に気をつけるべきは賊徒などではなく、面目を潰されて、血眼になって自分達を探し回っているであろう州軍の正規部隊だからだ。




