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宋飛12
「いいぞ」
林勝は即答した。
「脱獄に協力する。俺は家族の元へ帰りたい。このままここにいても、いつか年老いて死ぬだけだ。それよりは失敗したって戦って死んだ方がましだ」
長年ここにいる林勝は、ある程度は看守にも信用されている。新入りの宋飛や要注意人物の武逹よりは警戒が薄い。
何より、大工仕事の労役でさまざまな道具が手に入る。
宋飛は縄と刃物が欲しかった。
縄は城壁の近くに隠し、刃物は小さく折って簡単に研ぎ直し、自分の牢屋の地面に埋めた。
決行の雪の日、労役に出るため牢屋を出た瞬間だった。
看守の一瞬の隙を突き、隠していた刃物を首にあてて脅し、鍵を奪って看守を牢屋に閉じ込めた。
素早く林勝の牢の扉を開け、武逹のところへ向かう。
驚いた兵が助けを叫ぶ前に刃物を投げつけ、体勢を崩したところで拳を鳩尾に打ち込み絶息させた。
再度牢の鍵を奪い、すぐさま扉を解放した。
申し合わせの通り、三人は無言で城壁に取り付いた。
にわかに牢城が騒がしくなった。
三人は用意していた縄を使い、反対側に降りると全力で森を駆け抜けた。




