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レベル-99の大佐が異世界転生したら、身体の耐久度が水に濡れたティッシュ並みだった件〜天才的な脳だけで生き残る〜  作者: ティラピア池
第4章 戦争の終わり、そして新たな冒険へ

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第35話・前編 鍛冶の街、Imperium Regaliaの力

はじめましての方も、お馴染みの方も、お越しいただきありがとうございます!作者のティラピア池です。今日も皆様に楽しんでいただけるよう、気合を入れてお届けします!

俺とAyaは、Lucienから渡された地図を頼りに、目的地へ向かって歩き続けていた。


目指しているのは、武器の鍛造と希少素材の加工で有名な街――Eisenfeld(アイゼンフェルト)だ。


「結構遠いな。」


Ayaは俺の隣を歩きながら、地図を覗き込む。


「まだ半分くらいだって。」


「……マジか。」


俺は少しうんざりしながら地図を見つめた。


今回の旅は、もっと簡単に終わると思っていた。


街へ行き、Lucienが紹介してくれた鍛冶師に会い、いくつかの武器を強化してもらう。


ただ、それだけのはずだった。


しかし――。


俺たちの旅が、そんなに簡単に終わるわけがなかった。


人通りの少ない街道を歩いていると、突然、木々の向こうから数人の男たちが姿を現した。


男たちは全員、武器を手にしている。


そして、俺たちの進路を完全に塞いでいた。


「止まれ!」


俺は足を止めた。


Ayaもすぐに警戒する。


「Alaric……。」


「大丈夫。」


俺は男たちを一人ずつ観察する。


そして――その中の一人を見た瞬間、目を止めた。


「……待て。」


向こうも俺の顔を見て、驚いたような表情を浮かべる。


「お前……!」


そこで俺は気づいた。


こいつらは――以前、俺が作った武器を買った盗賊たちだ。


「前にも会ったよな?」


一人の盗賊が前へ出る。


「お前!」


「はいはい。覚えてるよ。」


俺は小さくため息をついた。


「まさか、こんなところで再会するとはな。」


しかし、盗賊たちの表情はますます険しくなっていく。


「ちょうどお前を探していたんだ!」


「俺を?」


「お前から買った武器のことだ!」


俺は眉を上げる。


「武器がどうした?」


「消えたんだ!」


「……ああ。」


俺はようやく思い出した。


そういえば、俺が作った武器には使用時間の制限があった。


「それが問題だったのか?」


「大問題だ!」


別の盗賊が俺を指差す。


「少し使っただけなのに、突然消えたんだぞ!」


「前にも説明しただろ。」


「聞いてない!」


「……ちゃんと聞いてなかったんじゃないか?」


「何だと!?」


俺は盗賊の持っている武器を指差した。


「俺が作った武器には使用時間がある。」


「……。」


「一定時間が経過すると、自動的に消える仕組みだ。」


盗賊たちは互いに顔を見合わせる。


「そういうことだったのか?」


「そう。」


「だったら、もっと分かりやすく説明しろ!」


俺は盗賊たちを見つめる。


「俺はちゃんと説明したつもりだけどな。」


その場に、一瞬の沈黙が落ちた。


そして――。


一人の盗賊が武器を構えた。


「そんなことはどうでもいい!」


「……は?」


「荷物を全部置いていけ!」


俺は深いため息をついた。


「さっきまで武器の話をしてたのに、今度は強盗かよ。」


Ayaが手を上げる。


「Alaric。攻撃してくるよ。」


盗賊たちが一斉にこちらへ向かってくる。


俺は動かなかった。


そして、一人の盗賊が俺へ向かって武器を振り下ろした瞬間――。


「遅い。」


俺は片手を上げた。


四枚の刃が空中へ浮かび上がる。


「Telekinesis(テレキネシス)。」


四枚のBoomerang Blade(ブーメラン・ブレード)が、一斉に飛び出した。


「――!」


Boomerang Bladeは盗賊たちの武器だけを正確に弾き飛ばす。


俺はそのまま軌道を変えた。


右。


左。


上空。


そして――背後から再び戻ってくる。


「なっ――!?」


盗賊たちは次々とバランスを崩し、その場に倒れていった。


ほんの数秒後。


全員が地面に倒れ、意識を失っていた。


俺自身も、少し驚いていた。


「……速いな。」


Ayaが倒れた盗賊たちを見る。


「Telekinesisの扱いにも慣れてきたんじゃない?」


「そうかもな。」


その時――。


俺の目の前に、見慣れた通知が表示された。


《Skill Level Up》


《Telekinesis(テレキネシス)》


《Level 1 → Level 2》


《おめでとうございます》


俺は固まった。


「……何?」


Ayaがこちらへ近づいてくる。


「どうしたの?」


俺は目の前の通知を指差した。


「Telekinesisのレベルが上がった。」


「本当?」


俺はもう一度、表示を確認する。


《Telekinesis Level:2 / 5》


「……最大レベルは五か。」


俺は拳を握った。


「まだ三段階も上がある。」


その直後――。


《Level Up》


《Level:-99 → -89》


「…………。」


俺は完全に動きを止めた。


Ayaが不思議そうにこちらを見る。


「Alaric?」


「……上がった。」


「何が?」


「俺のLevel。」


俺は表示を指差す。


「-99から……-89になった。」


思わず笑みがこぼれる。


「十も上がった……。」


これまで、俺のLevelはずっとマイナスだった。


それが今――初めて、大きく数字を伸ばした。


「……俺、本当に少しずつ強くなってるんだな。」


Ayaが小さく微笑む。


「おめでとう、Alaric。」


俺は頷いた。


「ありがとう。」


俺は地面に倒れている盗賊たちを見る。


「でも……こいつら、まだそこにいるな。」


Ayaも振り返る。


「置いていく?」


「うん。」


俺はポケットに手を入れた。


「もう十分、懲りただろ。」


俺たちはそのまま再び街道を進み始めた。


---


しばらく歩くと、遠くに巨大な街が見えてきた。


高い石壁が街全体を囲んでいる。


その向こうには、いくつもの建物と煙突が見えた。


そこから白い煙が空へ向かって伸びている。


そして――遠くからでも、金属を叩く音が聞こえてきた。


「カン!」


「カン!」


「カン!」


俺は地図を確認する。


「……Eisenfeld。」


Ayaも街を見つめた。


「Lucienが言ってた街だね。」


「たぶん、間違いない。」


俺たちはそのまま街の門へ向かった。


すると、一人の門番が俺たちを呼び止める。


「止まれ。ここへ来た目的は?」


俺は地図を見せる。


「俺たち二人で、ある鍛冶師に会いに来ました。」


門番が眉を上げる。


「鍛冶師?」


「この街に、とても腕のいい鍛冶師がいると聞いています。」


「ああ、鍛冶師なら……。」


門番は地図を受け取り、一か所を指差した。


「ここだ。」


俺は指差された場所を見る。


「ありがとうございます。」


「中心街から少し離れている。迷わないようにな。」


「分かりました。」


俺は地図を受け取り直した。


そして、Ayaと二人でEisenfeldへ入った。


---


街へ入った瞬間、俺は一つのことに気づいた。


ここは、今まで訪れた街とは明らかに雰囲気が違う。


武器屋。


防具屋。


素材屋。


魔道具店。


そして、数歩歩くたびに聞こえてくる金属音。


「本当に鍛冶師だらけの街だな。」


Ayaが微笑む。


「Lucienが紹介するくらいだから、きっとすごい人なんだろうね。」


俺は地図を頼りに進み続けた。


やがて、古びた工房が一軒見えてきた。


「ここか。」


俺は扉を開ける。


「すみません。」


返事はない。


俺は中を覗き込んだ。


すると――。


一人の人物がいた。


身体がとても小さい。


身長は、俺の腰にも届かないくらいだ。


俺は一瞬、子供だと思った。


その人物へ近づく。


「お兄ちゃん?」


その人物が振り向いた。


俺は工房の奥を指差す。


「お父さんはどこ?」


「父?」


「この鍛冶場の持ち主だよ。」


その人物は数秒間、無言で俺を見る。


そして――。


「俺だ。」


「…………。」


俺は固まった。


Ayaも固まる。


「……え?」


その人物は腕を組んだ。


「この工房の主人は俺だ。」


俺は頭の先から足元まで、もう一度その人物を見る。


「本当に?」


「本当だ。」


「……ありえない。」


彼は小さくため息をついた。


「それはもう、聞き慣れている。」


俺は慌てて頭を下げる。


「すみません。」


彼は頷いた。


「俺の名はGaldor Bronzeforge(ガルドール・ブロンズフォージ)だ。」


「Galdor……。」


俺がさらに質問しようとした、その時だった。


Galdorが突然、口を開く。


「お前たちの名前なら、もう知っている。」


俺とAyaは顔を見合わせる。


「……何?」


Galdorは俺を指差した。


「お前はAlaric。」


続いてAyaを見る。


「そして、お前がAya。」


俺は警戒する。


「どうして俺たちの名前を知ってる?」


Galdorは何でもないことのように答えた。


「Lucienから聞いた。」


「……Lucien?」


「そうだ。」


俺はほっと息を吐いた。


「なんだ……。」


Galdorは工房の奥に置かれた素材を指差した。


「それと、お前が必要としている素材についても聞いている。」


俺は素材の方へ近づく。


「じゃあ、もう準備してくれてたのか?」


「ある程度はな。」


「助かる。」


俺はさっそく今回の目的を説明した。


「この素材を使って、三つのImperium Regaliaを強化してほしい。」


俺はAlexanderのRegaliaを取り出す。


続いて、Julius Caesar。


そしてGenghis Khan。


Galdorは三つをじっくりと観察した。


「……面白い。」


「強化できる?」


「できる。」


Galdorは短く答えると、すぐに作業へ取りかかった。


---


鍛造には、かなりの時間がかかった。


希少素材に魔力を混ぜる。


金属を熱する。


そして、それを何度も叩いていく。


俺とAyaは、その作業を静かに見守っていた。


やがて――。


三つのImperium Regaliaが強い光を放つ。


「完成だ。」


俺はすぐに近づいた。


しかし――。


「……は?」


そこに武器はなかった。


剣もない。


槍もない。


盾もない。


鎧すらない。


宙に浮かんでいたのは、三つの小さな球体だけだった。


その球体の内部には、まるで霧を閉じ込めたようなものが渦巻いている。


「…………。」


Ayaも困惑している。


「これ……武器なの?」


Galdor自身も首を傾げていた。


「俺にも分からん。」


俺は球体をじっと見つめる。


「変だな……。」


Galdorが一つの球体を指差す。


「お前が調べてみろ。」


「俺が?」


「所有者なんだろ?」


俺は頷いた。


「……分かった。」


俺は球体へ手を伸ばした。


指先が触れた瞬間――。


強い光が俺の手を包み込んだ。


そして、頭の中に一つのイメージが浮かんだ。


――銃。


俺はその形を思い浮かべる。


ただ、それだけだった。


そして――。


「FLASH!」


球体が眩しい光を放った。


内部の霧が激しく渦を巻く。


次の瞬間。


球体の形が変化した。


そして数秒後――。


一丁の拳銃へと姿を変えた。


「…………。」


俺は絶句した。


Ayaも絶句している。


Galdorも絶句していた。


「……変わった。」


俺は手を上げる。


「Telekinesis(テレキネシス)。」


拳銃が俺の意思に従って動き始める。


右へ。


左へ。


回転。


停止。


俺は目を見開いた。


「そういうことか……。」


ようやく仕組みが分かってきた。


「Imperium Regaliaは、所有者の想像を物理的な形として具現化できるんだ。」


Galdorが眉をひそめる。


「想像を……?」


「そう。」


俺は少し笑った。


「なら――かなり自由に作れるかもしれない。」


俺は次に、もっと大きなものを想像した。


――戦闘機。


翼。


機体。


エンジン。


その全てを頭の中で明確に組み立てる。


しかし――。


何も起こらない。


「……あれ?」


もう一度試す。


それでも、何も起きない。


Galdorが俺の様子を見る。


「Regaliaが拒否しているようだな。」


「拒否?」


「たぶん。」


Galdorは球体を観察する。


「おそらく、その力に宿る何かが、まだ最初の所有者であるお前に完全には馴染んでいない。」


俺は黙り込む。


「……なるほど。」


まるで――。


Regaliaそのものに意思があるようだった。


俺が思い描いたもの全てを無条件に受け入れるわけではない。


「つまり……まずは俺自身に慣れてもらう必要があるってことか。」


Galdorが頷く。


「おそらくな。」


それから俺は、いろいろな形を試してみた。


剣。


槍。


盾。


銃。


巨大な武器。


小さな武器。


様々な形を試しているうちに――。


俺は、奇妙な感覚を覚えた。


「……ん?」


身体が変化する。


俺の身体が――縮んだ。


「ちょっ――!」


数秒後、元の大きさへ戻る。


そして今度は――。


身体が大きくなった。


「…………。」


Ayaが目を丸くする。


「Alaric……?」


俺は自分の手を見る。


「……身体の大きさまで変えられるのか?」


もう一度試す。


すると今度は、別の変化を感じた。


――年齢。


身体そのものが、俺のイメージに合わせて変化していく。


「ありえない……。」


Galdorまで言葉を失っている。


「そのRegalia……俺が思っていた以上に、とんでもないな。」


俺は球体を見つめる。


「……少しずつ、俺に慣れてきてるのかもしれない。」


初めて、俺はImperium Regaliaがただの武器ではないように感じた。


この力の中には、まだ俺の知らない何かが眠っている。


そして――。


それを確かめるには、まだ時間が必要だった。


俺はAyaを見る。


「……さて。」


「うん?」


「そろそろ、あいつらにも試してもらうか。」


Ayaは小さく頷いた。


「うん。」


そして俺たちは――。


三人のSkeleton Commanderを呼び出す準備を始めた。


――第35話・前編 終

少しでも「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけたら、ページ下部の**【ブックマークに追加】や【評価(★★★★★)】**をいただけると嬉しいです!皆様の応援が執筆の大きな励みになります!もしかしたら「こういう設定の小説は途中でエタる(エピソードが途絶える)んじゃないか……」と思って、ブックマークをためらっている方もいるかもしれません。ですが、断言します。私はこの作品がライトノベル化、コミカライズ、そしてアニメ化するまで絶対にエタりません(更新を止めません)!ぜひ大佐の行く末を、一緒に最後まで見届けてください!

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