IF第1話 もしも僕が、あの道を選んでいたら
はじめましての方も、お馴染みの方も、お越しいただきありがとうございます!作者のティラピア池です。今日も皆様に楽しんでいただけるよう、気合を入れてお届けします!
朝、僕はアヤ、カイル、リリア、ネリア、ミラと共にクロシマのギルドへ向かっていた。
目的は、希少な素材で有名な街について情報を集めることだった。
「街道を通って行くのはどうかな?」
僕の言葉に、パーティーの全員がこちらを見る。
「森のほうが安全なのは分かってる。でも、街道のほうがずっと早く着く。」
僕は少し考えた。
「希少素材を手に入れて売るなら、早く到着したほうがいい。」
もちろん、危険があることは分かっている。
街道には犯罪者が多く、決して安全とは言えない。
それでも、金と研究のためなら、その危険を受け入れるつもりだった。
「アル、ほんとに大丈夫?」
アヤが真剣な表情で僕を見る。
僕は頷いた。
「大丈夫。」
「僕たちなら、きっと生き残れる。」
カイルが小さく笑った。
「それなら、僕はアルを信じるよ。」
こうして、僕たちは街道を進むことに決めた。
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準備を終えた僕は、パーティー全員が乗れる乗り物を探しに向かった。
そして、乗客用の馬車を販売している店を見つけた。
「すみません。六人乗れる馬車が欲しいんですが。」
店主の中年男性は、いくつかの馬車を見せてくれた。
僕は一台ずつ確認していき、その中から比較的新しく、十分な広さのある馬車を見つけた。
「これにします。」
店主は驚いたような顔をした。
「これですか?」
「はい。」
「ですが、これはうちの最新型ですよ。」
「問題ありません。」
「それに、一番高い商品ですが……。」
「買います。」
店主はしばらく黙り込んだ。
そして、突然満面の笑みを浮かべた。
「いやぁ!値段交渉を一切しないお客様は初めてですよ!」
僕は軽く頷いた。
「それに、最新型で一番高い商品を買ってくださるお客様も初めてです!」
店主は嬉しそうだった。
「では、少々お待ちください。お客様のために、ちょっと追加しておきます。」
「追加?」
「初めてのお客様へのサービスだと思ってください。」
僕はそのまま待つことにした。
数時間後。
店主がようやく戻ってきた。
「完成しました!」
僕は馬車を確認する。
いくつかの部分が補強され、以前より頑丈になっていた。
「悪くない。」
僕は提示された金額をそのまま支払った。
そして、僕たち六人は馬車に乗り込み、街へ向かって出発した。
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しばらく進んだところで、僕たちは今後の行動について話し合った。
街まではまだかなり距離がある。
そこで、途中で安全な場所や休憩できる場所を探すため、一時的に何組かに分かれることにした。
僕はカイルと一緒に、安全な道を探す。
アヤとリリアは周辺の様子を確認する。
そして、ミラとネリアは宿泊できそうな場所を探すことになった。
夕方頃に、最初の集合地点で合流する予定だった。
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夕方。
僕とカイルは、集合場所へ戻ってきた。
周囲を見渡す。
「アヤとリリアは?」
カイルが首を横に振った。
「まだ戻ってない。」
僕は眉をひそめる。
「ミラとネリアもいない。」
「たぶん、まだ宿を探してるんじゃないかな。」
僕は周囲を確認した。
見た限りでは、ここはかなり安全そうだった。
戦闘の跡もない。
不審な物音も聞こえない。
そんな中、僕は一人の住民から宿についての情報を聞いた。
どうやら、かなり安全で、しかも快適な宿があるらしい。
「そうなのか?」
僕は頷いた。
「じゃあ、そこにしよう。」
僕はカイルを見る。
「僕たちはアヤとリリアを探そう。」
カイルも頷いた。
「うん。」
その頃、ミラとネリアは先に宿へ向かっていた。
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僕とカイルは街の中を歩きながら、アヤとリリアを探した。
しばらくすると、路地の奥へ入っていく怪しい人物が目に入った。
僕は足を止める。
「なあ、カイル。」
「ん?」
僕はその人物を指差した。
「あいつ、見えるか?」
カイルもそちらを見る。
「うん。」
その人物は、突然歩く速度を上げた。
嫌な予感がした。
「……やけに速いな。」
僕は息を吸った。
「追うぞ。」
「分かった!」
僕たちは、その人物を追いかけた。
しかし、路地を進めば進むほど、周囲から人の気配が消えていく。
静かすぎる。
僕は違和感を覚えた。
「カイル……。」
「僕も変だと思う。」
それでも、僕たちは進み続けた。
そして、路地の奥にある隠された場所へ辿り着いた。
そこで僕たちが目にしたものに、身体が凍りついた。
アヤとリリアがいた。
二人は拘束され、複数の男たちに囲まれていた。
「アヤ!」
僕はすぐに駆け出した。
カイルも続く。
「二人を放せ!」
男たちがこちらを振り返る。
そのうちの一人が笑った。
「自分から来るとはな。」
僕は歯を食いしばった。
「カイル!」
「分かってる!」
僕たちは同時に攻撃を仕掛けた。
カイルは念動力を使い、何人かの敵を吹き飛ばす。
僕も武器を作り出し、アヤとリリアのところへ道を開こうとした。
しかし、敵の数が多すぎた。
「アル!」
カイルの声が聞こえた。
僕は振り返る。
その瞬間、状況が一変した。
カイルが攻撃を受け、その場に倒れ込んだ。
「カイル!」
僕は彼のもとへ駆け寄ろうとした。
しかし、複数の敵が僕の前に立ちはだかった。
近づけない。
僕は必死に攻撃を繰り返した。
だが、僕の身体はあまりにも弱かった。
一つ、また一つと攻撃を防がれていく。
「くそっ……!」
僕は後退した。
初めて、この世界に来てから本当の恐怖を感じた。
死ぬことが怖いんじゃない。
仲間を失うことが怖かった。
僕の目の前で、カイルが連れていかれる。
アヤとリリアも、まだ助けられていない。
助けたい。
なのに、身体が動かない。
「逃げろ、アル!」
カイルの声が響いた。
僕は動きを止めた。
そして――
僕は振り返り、走った。
それが正しい選択だったのか、今でも分からない。
ただ、あの場所に残れば、僕まで命を失う。
それだけは分かっていた。
僕は一度も振り返らず、ひたすら走った。
背後から聞こえていた声も、やがて遠ざかっていく。
それでも、あの光景だけは頭から離れなかった。
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その夜。
僕は一人で身を隠していた。
身体が震えている。
眠ることができない。
目を閉じるたびに、三人の顔が浮かんでくる。
アヤ。
リリア。
カイル。
僕は強く拳を握った。
「僕は……仲間を置いて逃げた。」
返事はない。
ただ、静寂だけが残っていた。
初めて、朝にした自分の決断を後悔した。
僕は街道を選んだ。
金を選んだ。
研究を選んだ。
そして今――
仲間を失った。
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翌日、僕は……。
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