第16話: 希少素材の街と、森の中で起きた襲撃
はじめましての方も、お馴染みの方も、お越しいただきありがとうございます!作者のティラピア池です。今日も皆様に楽しんでいただけるよう、気合を入れてお届けします!
その朝、僕はアヤ、カイル、リリア、ネリア、ミラと共に、クロウシマのギルドへ向かった。
僕たちは、希少な素材を探すために、次に向かうことのできる場所の情報を集めようとしていた。
歩きながら、リリアが口を開いた。
「ねえ、まずギルドで希少な素材がたくさんある街について聞いてみない?」
リリアはそう提案しながら歩き続ける。
「希少な素材をたくさん手に入れられたら、結構いい値段で売れるんじゃない?」
僕は頷いた。
「確かにそうだな。」
しかし、僕の頭の中では別のことを考えていた。
(希少な素材……。)
(何種類か手に入れられれば、実験に使えるかもしれない。)
(物理的な性質や耐久性、それにどんな用途があるのかも調べられるかもしれない。)
自然と、僕の顔に笑みが浮かんだ。
「ハハハ……。」
僕はいつの間にか、一人で笑っていた。
「ハハハハハ!」
その瞬間、パーティー全員の視線が僕に集まった。
「…………。」
自分が注目されていることに気づき、僕はすぐに黙り込んだ。
カイルが首を傾げる。
「君、どうしたの?」
「いや……何でもない。」
(危ない……。)
(科学者としての好奇心がまた出てしまった。)
すると、ネリアが手を上げた。
「じゃあ、私が聞いてこようか?」
「ああ、頼む。」
ネリアは受付へ向かい、希少な素材がある街について尋ねた。
数分後、ネリアが戻ってきた。
「聞いてきたよ。」
「どうだった? その街はあるのか?」
「あるよ。」
ネリアは頷いた。
「希少な素材がたくさん採れることで有名な街があるみたい。」
僕たち全員の視線がネリアへ集まる。
「でも、問題があるの。」
「問題?」
「その街の周辺にいるモンスターは、かなり強いみたい。」
カイルがため息をついた。
「まあ……簡単にはいかないってことか。」
ネリアはさらに説明を続けた。
「それと、そこへ行くには二つの道があるみたい。」
「二つの道?」
「うん。」
ネリアは指を一本立てた。
「一つ目は、街道を通る道。」
「街道は早く着けるけど、犯罪者が多くて、かなり危険らしいの。」
続いて、ネリアは二本目の指を立てた。
「二つ目は、深い森を通る道。」
「こっちはかなり時間がかかるけど、その代わり安全みたい。」
僕はしばらく考えた。
街道を使えば早く到着できる。
しかし、犯罪者が多い場所を通れば、途中で襲われる可能性も高くなる。
「どうせなら、深い森を通ろう。」
全員が僕を見る。
「確かに時間はかかるけど、その方が安全だ。」
アヤがすぐに頷いた。
「私も賛成。」
カイルも肩をすくめる。
「俺も構わないよ。」
リリアは笑顔で頷いた。
「じゃあ、森を通ろう。」
ネリアとミラも同意した。
こうして僕たちは、深い森を抜けるルートを選んだ。
---
準備を終えた後、僕はパーティー全員が乗れる乗り物を探しに行った。
そこで、乗客用の馬車を販売している店を見つけた。
僕は店主である中年の男性に声をかけた。
「すみません。六人が乗れる馬車が欲しいんですが。」
男性はいくつかの馬車を見せてくれた。
僕は一台ずつ確認していき、その中から最新型で、かなり大きな馬車を見つけた。
「これにしよう。」
男性は驚いた顔をした。
「これですか?」
「うん。」
「ですが、これはうちの最新商品で、一番高い馬車ですよ?」
「問題ない。」
男性はしばらく黙り込んだ。
そして、突然満面の笑みを浮かべた。
「いやぁ……お客さん、値段をまったく交渉しないんですか!?」
「うん。」
「こんなお客さん、初めてですよ!」
男性は嬉しそうに続けた。
「しかも、最新の商品を買ってくれたお客さんも初めてです!」
男性は馬車を指差した。
「だから、ちょっと待っていてください。」
「何か追加するのか?」
「ええ。最初のお客さんへのサービスです。」
僕はそのまま待つことにした。
それから数時間が経った。
ようやく男性が戻ってきた。
「お待たせしました! 完成です!」
僕は馬車を確認した。
いくつかの部分が追加され、さらに補強されている。
「なかなかいいな。」
僕は提示された金額をそのまま支払った。
そして僕たちは、その馬車に乗って出発した。
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数時間後、僕たちはついに深い森へ入った。
高い木々が空を覆い、木の葉の隙間からわずかに太陽の光が差し込んでいる。
しかし、森の中はとても静かだった。
聞こえるのは馬の足音、馬車の車輪、そして遠くから聞こえる鳥の声くらいだった。
馬車の中では、リリア、ネリア、ミラ、そしてアヤが楽しそうに話していた。
四人とも、かなり盛り上がっているようだった。
カイルが僕の隣に近づき、小声で話しかけてくる。
「みんな、すごく楽しそうに話してるね。」
僕は後ろを振り返った。
「まあ、いいんじゃないか。」
「君は話に入らないの?」
「そのうちでいいだろ。それに、あいつらは楽しそうに話してるんだから。」
カイルは頷いた。
「確かに。」
しばらくすると、アヤが三人の名前を見ながら、突然口を開いた。
「そういえば……。」
リリア、ネリア、ミラがアヤを見る。
「なんでみんな、名前の終わり方が似てるの?」
ミラが少し不思議そうな顔をする。
「名前の終わり?」
「うん。リリア、ネリア、ミラって。」
ミラは小さく笑った。
「ああ、それね。」
「何か理由があるの?」
ミラは頷いた。
「うん。私たち、同じ村の出身だから。」
アヤは少し驚いた。
「へぇ……そういうことなんだ。」
リリアも笑う。
「私たちは小さい頃からずっと一緒だったんだよ。」
ネリアも頷いた。
「三人とも同じ村の出身なの。」
アヤは納得したように頷いた。
「なるほどね。」
ミラは小さく笑った。
「だから、名前がちょっと似てるんだよ。」
「分かった。」
三人の会話は再び続いていった。
僕はそんな彼女たちを見ながら、小さく笑った。
(同じ村の出身か……。)
カイルがまた小声で話しかけてくる。
「やっぱり、みんな仲がいいね。」
「まあな。昔から一緒だったんだから、当然だろ。」
「それもそうだね。」
僕たちの旅は、再び穏やかな空気に包まれた。
しかし――。
その平穏は、長くは続かなかった。
「助けてくれぇぇぇ!」
突然、森の奥から叫び声が聞こえてきた。
全員が一斉に黙り込む。
アヤが立ち上がった。
「誰かが助けを求めてる!」
僕はすぐに前方を見る。
「急ぐぞ。」
アヤが前を指差した。
「馬をもっと速くして!」
「分かった!」
僕は手綱を引いた。
馬たちが一気に速度を上げる。
僕たちは森の道を進み、ついに騒ぎの場所へたどり着いた。
「何だ、あれ……?」
そこには、大勢の兵士たちが戦っている光景が広がっていた。
剣や槍を使う兵士がいる一方で、魔法を使っている者もいる。
「ファイアボール!」
一人の魔術師が叫ぶ。
次の瞬間、巨大な火球が戦場を横切った。
その近くには、一台の馬車が破壊されていた。
僕は兵士たちが守っている人物を見る。
服装や紋章から考えて――どうやら貴族の一行らしい。
「貴族……?」
その瞬間、一人の敵兵が弓を構えた。
そして、貴族の少女へ向けて矢を放つ。
「危ない!」
カイルが即座に反応した。
「念動!」
カイルは念動力によって、飛んできた矢の軌道を強引に変えた。
矢は方向を変え、矢を放った兵士へと向かっていく。
「ぐっ!」
敵兵が倒れ、周囲の兵士たちが一斉に驚いた。
「何だ、今の!?」
「念動系の魔法だ!」
「そんな難しい魔法を使える奴がいるのか!?」
「まずい! 撤退するぞ!」
「逃げろ!」
敵兵たちは一斉に後退し始めた。
「逃げろ! あんな奴と戦うな!」
彼らは森の奥へと逃げていった。
僕は迷わず馬車から降り、貴族の少女へ駆け寄った。
「大丈夫か?」
少女はかなり疲れており、いくつかの傷を負っていた。
僕はすぐに彼女の身体を支え、状態を確認する。
その間に、アヤ、リリア、ネリア、ミラはポーションと応急処置用の道具を取り出した。
「このポーションを飲んで!」
「傷を確認するね!」
「包帯を持ってきて!」
「私、テープを持ってる!」
四人は協力して彼女の手当てを始めた。
しばらくすると、少女の状態は少しずつ落ち着いてきた。
僕は少女の顔を見つめる。
「一体、何があったんだ?」
少女は黙り込んだ。
その表情が、真剣なものへと変わる。
そして――。
「実は……。」
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