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7話 作戦

俺は美雪さんの家に戻った。美雪さんは驚いて


「もう帰ってきたの?見つかったの?」

ときいてきた。


「いや、まだ見つかってないんですけど、美雪さんに頼みたいことがありまして。」


「頼みたいこと?いいけど。何?」

と不思議そうに聞き返してきた。


「野良猫たちを集めるためにまたたびを使いたいんですけど。ありますか。野良猫たちを集めてそいつらから情報収集しようと思いまして。」


「なるほど。あるよ。ちょっと待ってて。」

と言って美雪さんは玄関から離れ部屋の奥に入るとまたたびの枝を5本持ってきて戻ってきた。


「これしかないけど、いいかな?これだけで足りそう?」


「たぶん、大丈夫だと思います。ご協力ありがとうございます。」

と俺は礼を言った。


美雪さんはその5本のまたたびを俺の首からかけている小さな鞄に入れてくれた。

俺は美雪さんの家からもう一度出発した。


パンダ野郎の情報からミケちゃんが居酒屋から離れた場所に行っていた情報をつかんでいたので居酒屋から離れた場所に向かうことにした。ゴミ捨て場にはもういないらしいから路地裏あたりをうろつこうと思う。路地裏なら野良猫に会う可能性を高くできるし、ミケちゃんを目撃した猫に遭遇して情報を得られる可能性もある。路地裏まで向かう間にもまたたびの匂いで寄ってくる猫がいるだろうし、そいつらからも情報を入手するつもりだ。


さっそく向かい側からキジトラの猫が歩いてきた。

俺の鞄に入ったまたたびの枝をじっと見つめてくる。

キジトラが話しかけてきた。


「あの、すみません。またたび1つくれませんか。」


よし、さっそく獲物が釣れたぜ。


「いいですよ。でもその代わりに俺の質問に答えてからにしてくれませんか。」


「質問いいですけど。」

と怪訝そうにキジトラは言った。


「この写真の白猫を見かけたことはありませんか。」

と言って俺は鞄から写真を出すとそのキジトラに見せた。


キジトラは首を傾げて


「見たことないですね。私顔覚えるの苦手だから忘れているだけかもし

れないんですけど。」

と言った。


「忘れているだけかもしれないんなら思い出してくれませんか。3分待つので。」


キジトラは目を細めて必死に思い出そうとしている様子だ。答えられなかったらまたたびをもらえないのではと思っているからなんじゃないかと俺は勘ぐったが別にそれが理由でもかまわない。情報さえ得ることができればいいんだよ。


「だめだ。思い出せません。お役に立てなくてすみません。答えることができなかったからまたたびはもらえませんか。」

と申し訳なさそうにきいてきた。


俺は少し迷ったが、情報を得ることはできなくても協力はしてくれたわけだし1つやることにした。


「ありがとうございます。」

と嬉しそうに言うとキジトラはまたたびを口にくわえると走り去っていった。


そう簡単にはミケちゃんの目撃情報を手に入れることはできないらしい。気長にいこうと俺は自分に言い聞かせた。1匹目がだめだったからって俺はめげたりなんかしないぞ。

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